■この世界に愛を c/w ダンデライオン / The Rolling Stones (Decca / キング)
ここ2日、トホホなジャケットのシングル盤を掲載しておりますが、なんとストーンズでは、おそらくこれが最低じゃないか!?
そう思うのが、本日ご紹介の1枚です。
英米で発売されたのは1967年8月ですから、歴史的にはサイケデリックが流行の頂点を極めていた、所謂サマー・オブ・ラブの全盛期ということで、音楽的にも同路線に踏み込んだストーンズの最高傑作になるはずが……。
実は当時のストーンズは人気絶頂でありながら、グループ内はゴタゴタが絶えず、我国の洋楽マスコミで報道されるニュースにしても、巡業ライプでの暴動とか悪いクスリの云々が先行していたと記憶しています。
ちなみに今はストーンズ命の世界に入っているサイケおやじも、それは翌年に発売される「Jumpin' Jack Flash」以降の事ですから、リアルタイムでストーンズに関心があったとは必ずしも言えません。というか、一般的な洋楽ファンの認識としては、当時はビートルズが何でも一番で、それ以外は例えストーンズであったとして、その他大勢のポップスグループのひとつ!?!
そういう受け取られ方だったと思います。
で、詳しい内容については拙稿「転石音盤史1967 part-5」をご一読願いたいのですが、そういう事ですから、このシングル盤をサイケおやじが買ったのは完全な後追いでした。
しかも当然ながら中古で、昭和45(1970)年だったんですが、それにしてもジャケ写を見た瞬間、脱力したメンバーの不統一なショットには???の気分になりましたですねぇ……。
率直に言えば、これはフォトセッションのアウトテイクというか、公式ストーンズグッズのポスターや雑誌へのグラビア等々には絶対に使われないボツ写真でしょう。
う~ん、これが日本で発売されたのは昭和42(1967)年10月なんですが、その頃のレコード会社は、こんな写真しか入手出来ないほど力が無かったとすれば、如何に日本のマーケットがストーンズ側から軽視されていたか、まさに証拠となるべき物件かもしれません。
言うまでもなく、その頃のサイケおやじは既にストーンズのレコードは蒐集の対象になっていましたし、以降もそれは継続している中で、これ以下の写真が使われたジャケットは思い当たらないほどですが、強いて掲載すれば、同時期に発売されたコンパクト盤が、この時と同じボツ写真の別テイクが使われているのが、尚更に別の意味で興味深いところです。
ということで、「ジャケ買い」なんて言葉が堂々と罷り通るご時世ではありますが、その正逆にあるトホホなブツも確かに存在している事実には、あらためて衝撃を覚えています。
それが大物ミュージャンであればあるほど、特に大きなインパクトになるのは当然が必然!
これからも機会があればご紹介する所存ですが、既に手持ちのレコードを一部ではありますが再調査しておりますので、これからもお付き合い願えれば幸いです。