OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ズベ公ポップスも良い感じ♪♪~♪

2012-04-11 14:42:59 | Pops

家へは帰れない / The Shangri-las (Red Bird / 日本フォノグラム)

仕事とはいえ、ほとんど流転状態のサイケおやじが思わず口ずさんでしまったのが、本日ご紹介のシングル曲!?

とは言いながら、実はメロディよりも印象的なのが、曲のほとんどを占める「語り」の部分なんですから、心に浮かんだというのが正解でしょう。

歌っているシャングリラスはメアリー・ウェイス、ベティ・ウェイスの姉妹に、これまた双子の姉妹であるマージ&メリー・アン・ギャンサーという4人組なんですが、掲載した私有盤のジャケ写にはトリオで登場していますし、洋楽雑誌のグラビアでさえ、4人が揃っているショットはデビュー当時だけというのは、ちょいと芸能界モロ出しの事情があるようです。

それは彼女達が高校生の時からグループとして歌っていながら、スカウトされてプロとなった最初のスタジオセッションで既にメアリーが神経性恐怖症に陥り、つまりは極度な「アガリ性」だった所為で、なんとかレコーディングは終えたものの、実際の巡業ステージやテレビ出演等々には参加出来ない事が多く、……。

しかし現実として発売されるレコードによるシャングリラスの歌は、デビュー曲とされる1964年秋の「Remember」から人気沸騰! 以降もヒットを連発し続けるのですから、現場関係者は困ったでしょうねぇ。

なにしろ、ほとんどでリードを歌っているのが、メアリーなんですからっ!?

ところがさらに驚くのは、ベティまでもが巡業嫌いの引き籠りということで、当然ながら写真撮影もNGがほとんど!?

ですから、残されている映像や画像は3人組が当たり前田のクラッカーみたいなもんで、しかもメアリーとベティが交互に登場するとか、後期になると悪いクスリ(?)の影響と言われていますが、マージがリタイア気味となって、メアリー、ベティ&メリー・アンという組み合わせになったりと、まあ、いろいろとあったようです。

ただし、それでもシャングリラスが現在でも気になる存在なのは、ルックスというか、イメージが微妙に暗く、所謂ズベ公っぽいムードをウリにしているからかもしれません。

少なくともサイケおやじは、そのあたりに魅力を感じていますし、掲載したシングル盤は再発物なんですが、ジャケ写のイカレたおネエちゃん風情がたまりませんよねぇ~♪

もちろん肝心の楽曲「家へは帰れない / I Can Never Go Home Anymore」にしても、スローで陰鬱なバックの演奏が意外な美メロを彩る中、メアリーの台詞回しがホラー系の色っぽさで迫ってきますよ♪♪~♪

そしてアメリカでは1965年末に大ヒットし、我国でも翌年、ラジオの深夜放送でそれなりの人気があったと記憶しています。

ちなみに現在では各方面で拝観出来るシャングリラスの画像や映像は、なんといっても彼女達の存在感の強さを堪能出来る部分がリアルタイムで強調されていたという、温故知新の楽しみに満ちていると思います。

特にメアリーの呆けた表情による、だる~~い歌い回し、お洒落なズベ公ファッションを着こなすメンバーのセンス、さらには全くの逆イメージたるネクラとキャッチーなポップフィーリングの化学融合(!?)が見事過ぎる総合プロデュースの妙♪♪~♪

実はシャングリ・ラスの仕掛人こそ、後にバニラ・ファッジを大ブレイクさせる等々の業績を残すシャドウ・モートンであって、その偉人の駆け出し時代という23歳頃の成功プロジェクトが、このシャングリラスであった事は意義深いはずです。

何故ならばシャドウ・モートンのプロデュースは概して大袈裟なイメージが強く、それでいて極めてナチュラルな感性も両立しているんですから、シャングリラスのヒット曲に様々な場面で使用されているミエミエのSE、あるいは「家へは帰れない / I Can Never Go Home Anymore」のキメである「語り」の上手い使い方等々、やっぱり巧いなぁ~~♪

そんな深読み的な味わいがあるのです。

ということで、実は今日も家に戻れず、おまけに紫外線にやられたらしい顔面の季節はずれのシモヤケ(?)は、我ながら笑ってしまいそうですけど、それゆえに素敵なポップスには癒されているのでした。

コメント
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