■灰色の朝 / Bread (Elektra / ビクター)
正直、昨夜は不穏な連絡を受けていたので、今日は朝から気分が落ち込みモードでした。
しかし、非情にも仕事は待ってくれないのが世の常ですし、なによりも自分が動かなければ物事は解決しないんですから、とりあえずは意を決して取り出しのが本日ご紹介のシングル盤!
もちろん針を落したのはA面「灰色の朝 / Dismal Day」しかありません。
あぁ、とにかくアコースティックな音作りと爽やか系ハイトーンボイスがキメのコーラス、そして素敵なメロディの複合体は、まさにブレッドが十八番とする世界でしょう。
ちなみに我国で流行ったのは1972年頃でしたが、実際には彼等のデビューアルバムに収録され、1969年には世に出ていたという真相も、翌年の「二人の架け橋 / Make It With You」で大ブレイクして以降のブレッドにとってはヒット曲の需要が高まっていた経緯から、ちょいと苦肉の策という気もしています。
つまり、これはおそらく我国独自のヒット曲じゃ~なかろうか?
と、サイケおやじは思う次第です。
なにしろ軽快なリズムと素敵なメロディとは裏腹に、歌詞が実にシリアスなんですよねぇ。
それは朝、起床して鏡の前に立つ自分の憔悴した顔に呆れ……。
その日のこれからを思うと、実に憂鬱な現実に気がついて……。
周囲の喧騒の中で自分の孤独を見つめ……。
夜ともなれば、希望を捨てる決意に悩む……。
なぁ~んていう、最高にネクラな内容が、全く逆のイメージの曲メロとメリハリの効いたピートて歌われるんですから、たまりません。
これぞブラウン神父のチェスタートンも真っ青の逆説であって、どっちを選ぶかはリスナーの本音に任せてしまうという、憎たらしいほどの手口が使われているのです。
ということで、サイケおやじの本日は朝からヘヴィな状況だったものが、どうにか今は平常に戻りつつあります。
しかし油断は禁物!
何時、如何なる時でも逆転は有り得るという事も、この「灰色の朝 / Dismal Day」は示唆しているように思うのでした。