■Ventura Highway / America (Warner Bros./ ワーナーパイオニア)
依然として寒暖の差はあるものの、ようやく全国的に春になった実感も強いこの時期ともなれば、車やバイクでのドライヴは楽しいレジャーの筆頭でしょうか。
まあ、このあたりはガソリンの高値とか、いよいよ連休の道路渋滞の兼ね合いもありますが、それはそれとして、サイケおやじの場合はバイクをプッ飛ばす事がストレス発散のひとつの手段です。
また車ではカーオーディオの楽しみも付随しますから、あれこれの選曲も楽しく、本日ご紹介の「Ventura Highway」は所謂ドライヴミュージックの人気曲として、今や定番でしょう。
歌っているアメリカという3人組はデビューこそイギリスでしたが、ジェリー・ベックリー(vo,g,b,key)、ダン・ピーク(g,vo)、デューイ・バネル(g,vo) というメンバーは皆がアメリカに所縁がある白人の若者であり、ご存じ「名前のない馬 / A Horse With No Name」のメガヒットは彼等がCSN&Yからの強い影響を隠そうともしない潔さで爽やかなハーモニーを聴かせ、さらにアコースティックギター主体の演奏にはエレクトリックな楽器やビートを効かせたリズムセクションが適宜加わるというサウンド作りがウケた要因でした。
つまりアメリカは、1972年当時の典型的なウエストコーストロックの代表選手であり、それゆえに西海岸の「ご当地ソング」である「Ventura Highway」を翌年に出したことも、これまたミエミエの潔さとして認めざるをえません。
と言うよりも、そこでイントロから聞かれる歯切れの良いアコースティックギターのアンサンブルや意外なほどグルーヴィな全体の演奏、そして明るくて、何かしらの翳りを秘めた胸キュンメロディとボーカル&コーラスの融合は、まさにヒット曲の領域を超えたスタンダードな存在だと思います。
ちなみにサイケおやじが幸運にも1974年にアメリカ西海岸へ行けた時、気になっていた「Ventura Highway」という道路を現地の人に尋ねたのですが、結果は???
なんとっ! その頃は、そうした名称は一般的ではなく、実はLAからサンタバーバラに向かって北上する「101号線」というハイウェイが該当するそうで、途中に「ベンチュラ」という町があるゆえの曲タイトルだったようです。
そして現在では、件の道路がこの「Ventura Highway」のヒットにより、堂々と同じ名称になっているとかで、確かに1980年代末に当地を訪れた時は「ベンチュラ」の町の入り口に、そうした解説の看板が出ていましたですねぇ。
ということで、「ご当地ソング」はやっぱりウケるという結論は世界の共通認識ではありますが、それがドライヴミュージックであれば尚更に気持E~♪ まさしくそこへ向かって行く心の動きの疑似体験とでも申しましょうか、ちょいと違うかもしれませんが、出張時の列車内でトラベルミステリーを読む感じにも似ています。
しかしだからと言ってスピード出し過ぎの運転は厳禁!
冒頭でサイケおやじは「バイクをブッ飛ばす」なんて書きましたが、一般道路ではそれなりの安全運転を心がけていますし、高速道路にしても激ヤバなすり抜けは中年者の現在では絶対にしませんよ。
けっこう悲惨な交通事故も頻繁に報道されていますから、皆様も一緒に気をつけましょうね。