■東京はみなし児 / カルメン・マキ (CBSソニー)
カルメン・マキは偉大なるニッポンのロックシンガーではありますが、個人的には、それ以前の歌謡曲時代も大好きです。
なにしろ二十歳前でありながら、そのクールビューティな佇まい、アンニュイな情熱がナチュラルで滲み出るボーカルスタイル、そしてなによりも、彼女がそこにいるだけで、周囲が完全に「カルメン・マキの色」に染まってしまうが如き個性の発露♪♪~♪
それが特に強く感じられるのが本日ご紹介のシングル盤で、まずはとにかくジャケ写の彼女が素敵でしょう~~♪
これが発売された昭和45(1970)年がど真ん中のモードファッションも最高ですし、それをきっちり着こなすのが、当時のカルメン・マキの真骨頂ですよっ!
あぁ、なんて美しいんでせう~~♪
もちろん肝心の楽曲、「東京はみなし児」も最高に素晴らしい事は、既に言わずもがなだと思います。
東京は 私生児
ひとりぼっちの名前
みなし子たちが舟を浮かべた
アルミニウムの 湖
う~ん、もう、この最初のパートだけで、サイケおやじはイチコロですよ♪♪~♪
ちょいとジャズっぽいハーモニーが潜む曲メロも良い感じ♪♪~♪
加えて、今は端折るしかありませんが、全篇の歌詞も味わい深いんですよっ!
ちなみに作詞:いまいずみあきら、作曲:郷伍郎のコンビは実生活での夫婦だったというのが定説で、他にも例えば「フランシーヌの場合 / 新谷のり子」等々の歌謡フォークを当時は様々に書いていますが、郷伍郎本人はCMの世界での活動が多く、その方面のコレクターからは要注意人物(?)のひとりと言われています。
しかし、それにしてもイントロからグッと惹きつけられる華麗なるストリングスとラテン歌謡調のギター、それに導かれつつ、なかなかマイペースに歌っていくカルメン・マキのボーカルは筆舌に尽くし難いですよ、本当に!!
なにか、都会の虚無が空間に融け込んでいく……、そういう感じがするんですよ♪♪~♪
あぁ~、これって、カラオケあるんでしょうかねぇ~~♪
ちょいと雰囲気の良い店で、これを歌うってのも、ジャストミートだと思いますが、実は告白すると、サイケおやじは車の運転時には常備活用の1曲でして、特に早朝や深夜の高速とか、これを流しながら倦怠した街並みを視界に入れるのが、かなりのジコマンになっています。
ということで、今となっては完全に忘れられた歌とは思いますが、機会があれば皆様には、ぜひとも味わっていただきたい昭和の名曲名唱です。