■砂に消えた涙 / 杉沢順 (キングレコード)
この世に名曲は数あれど、その証明のひとつとして、競作&カバーバージョンの多種多様性も大きな判定基準になると思えば、オリジナルはミーナが歌ったイタリアンポップスの「砂に消えた涙」は、絶対に外せないところでしょう。
特に我が国においては、弘田三枝子やザ・ピーナッツ、伊東ゆかり等々が所謂和製ポップスという日本語の訳詞バージョンで歌って大ヒットにして以降、本家のミーナさえも、その日本語バージョンをカバー(?)するという、本末転倒があったほどですからっ!
もちろん、これを書いているサイケおやじも極めて大好きな楽曲であり、誰が歌っていようと、とにかく「砂に消えた涙」を発見したら、即ゲットはお約束ということで、しっかりと昨日の獲物の中に入れてきたのが本日の掲載盤、杉沢順が歌う「砂に消えた涙」であります。
で、説明不要とは思いますが、オリジナルを書いたのはピエロ・ソフィッチ&アルベルト・テスタという、おそらくはイタリア人なんでしょうが、肝心の日本語訳詞は、言わずもがなの漣健児であり、だとすれば基本に忠実な仕上がりと思いきや、やっぱり発売されたのが昭和54(1979)年ですから、大浜和史が施したアレンジはイケイケのディスコ歌謡スタイルとあっては、たまりません ♪♪~♪
とにかくイントロからしてスティーヴィー・ワンダーがモロ出しという潔さ(?)も痛快ならば、ディスコ御用達のパーカッシブなパートもきっちり入っているあたりは、ニクイばかりです ♪♪~♪
そして肝心の杉沢順の歌いっぷりは、なかなか正統派の実力が感じられつつも、聴いているうちに、もっと弾けて欲しいなぁ~~~、なぁ~んて、聊か贅沢を気分になるのが本音でして、裏を返せば、失礼ながら平凡な実力派という印象です。
尤も、そんな事を述べてしまうのも、サイケおやじが杉沢順について全く何も知るところが無いからでして、ジャケ写ポートレートの雰囲気からしても、既に旬のアイドルと云うには年齢が高いみたいなイメージという感じならば、発売当時確立しつつあったニューミュージックの世界で活躍していた歌手なのかもしれませんが、そんなこんなを踏まえつつ、今後の猟盤活動ではターゲットにしていく所存です。
うむ、LPを出しているのであれば、聴いてみたいなぁ~~~♪
それと、このアレンジで歌う安西マリアのバージョンっていう夢を見てしまうのでした。