■なみだの理由 c/w 唇づけまかせ / 小西まち子 (日本コロムビア)
今となってはメジャーなアングラ漫画家という、ちょいと相反したイメージでブレイクした谷岡ヤスジの賢夫人としての存在感が大きい小西まち子は、しかし、サイケおやじと同世代の皆様にとっては、なかなかキュートな女優さん (^^♪
詳らかな芸歴は知る由もありませんが、昭和44(1969)年前後からテレビドラマでは「キイハンター(TBS)」「プレイガール(東京12ch)」「フラワーアクション009ノ1(フジテレビ)」あたりの人気アクション作品へのゲスト出演も度々ありましたし、加えてバラエティ番組、特に若者向けの朝のワイドショウとして絶大な人気を集めていた「ヤング720(TBS)」では、昭和45(1970)年3月から、確か木曜日の司会担当として、土居まさると絶妙のコンビネーションを展開していた事は、なかなか忘れられるものではありません。
また、強烈だったのはテレビ特撮ドラマの異色作にして、これまた今でも人気が高いとされる「宇宙猿人ゴリ(フジテレビ)」にもレギュラー出演しており、そこでの所謂ウルフカットの金髪姿は、彼女のイメージの代名詞になっているんじゃ~ないでしょうか (^^♪
ですから、当時の芸能界の流れとして、当然ながらの歌手デビューも既定路線であり、掲載したのは、小西まち子が人気絶頂時の昭和46(1971)年2月に発売された、おそらくは唯一のシングル盤かもしれない人気作!?!
なにしろ、作詞作曲:中村泰士&編曲:馬飼野俊一が提供のA面曲「なみだの理由」は、イントロから泣き節のトランペットにニクイ音選びのエレピというお膳立てのソフトなR&B歌謡であり、じっくりとしたミディアムスローの曲展開を節回す小西まち子の歌唱力は決して上手いとは言い難いんですが、丁寧に演じられる歌謡世界の味わいは、なかなかに感度良好♪♪~♪
そして意外なほど、あっさりと終わってしまう仕上がりの妙があればこそ、繰り返し針を落としたくなるんですよ、これがっ!
また、作詞:中村小太郎&作曲:田辺信一のB面曲「唇づけまかせ」は、なかなか難しい譜割が入ったミディアムテンポのポップス歌謡でして、きっちりとこれを歌ってしまう彼女の努力は凄いものがある気がするんですよねぇ~~、サイケおやじにはっ!
曲展開やメロディの起伏を覚えて、通しで歌える様になるには、それ相応の歌唱力が必要だと思えば、やっぱり小西まち子の歌の実力は侮れないのでしょうか (^^;
A面曲「なみだの理由」だけ聴いていれば、既に述べたとおり、そんなに彼女の歌唱力は心に響かなかったんですが、それは実に失礼千万でありました <(_ _)>
ちなみに、ここに附された中川昌のアレンジには和風&ニューソウルと申しましょうか、カラオケパートだけ聴いていると、当時流行り始めたブラックなアクションシネマ等々を想起させられる雰囲気が濃厚で、なかなかのクセモノ的仕上がりかもしれません。
ということで、ある意味、こ~ゆ~「しぶとい」感じのレコードが、それなりにゴロゴロしていたのが昭和50年代の中古盤屋だった気がしております。
現代では、ネットによって、様々なブツに邂逅するのも容易になりましたが、足で歩いて、実際に現物を手に取るという作業 ~ 儀式が、今でもサイケおやじの「性に合っている」なぁ~~ (^^;
そんな基本姿勢は、これからも大切に維持して行きたい!
と、心に決めているのでした。