■銀の長靴 / 由美かおる (クラウン)
所謂「西洋かぶれ」は既にして江戸時代から日本人の特質ではありますが、それが尚更に進行したのが昭和20(1945)年の敗戦から昭和40年代の高度成長期だったかもしれません。
なにしろ、あらゆる事象物品を英語で呼称する、つまりは英語に和訳してオシャレな雰囲気に浸っていた事には今や、幾分の気恥ずかしさを覚えたりもするんですが、オンタイムじゃ~~、それで粋がっていたわけでして…… (^^;
ですから、普段はダサァ~~い諸々が、それによってカッコイイものに変換されるのならば、後は自ずと術中に陥れられるというか…… (^^;
例えば、そんなこんなの証拠物件としてご紹介するのが、昭和42(1967)年に由美かおるが出した掲載のシングル盤A面曲「銀の長靴」でして、これがなんとっ!
「長靴」を「ブーツ」と読ませる荒業で仕立て上げた、実にイカしたジャズロック歌謡なんですねぇ~~ (^^♪
フルバンの伴奏による演奏パートにセクシーボイスも交えた由美かおるの歌いっぷりも十八番の白痴美歌唱が滲んでイイ感じ (^^♪
そのあたりの思惑を作詞:関根浩子&作編曲:小杉仁三というソングライターコンピが、どこまで意識していたかは知る由もありませんが、とにかくも由美かおるが曲タイトル中の「長靴」を「ブーツ」として節回している楽曲構成は忽せに出来ないわけです。
そして、実は……、この「銀の長靴(ブーツ)」は同時期に公開されていた彼女主演の同名映画「銀の長靴(市村泰一監督・松竹)」のヒットから続いての発売という流れがあり、しかしながら、件の映画では、こっちのシングル曲「銀の長靴(ブーツ)」は使われていなかったという記憶があるんですが、その真相は???
それでも、リアルタイムで件の映画ポスターに接した少年時代のサイケおやじはミニスカにブーツを履いてポーズをキメる由美かおるにシビレさせられましたですねぇ~~~ (^^♪
もちろん、映画本篇も後に名画座で鑑賞したわけですが、その時になって初めて、映画のストーリー展開とシングル曲「銀の長靴(ブーツ)」の歌謡世界が、それほど関係無かった事に気が付かされ、ちょっぴり狼狽えてしまったですよ…… (^^;
ちなみに映画本篇における由美かおるは、当然ながらモダンバレエのダンサー役として、当たり屋をやらされている少年を助けるという、なかなか青春映画の王道を演じていましたので、リマスター復刻を望みたいところです。
ということで、長靴っていう実用性重視の物品も「ブーツ」と呼ばれれば、それはそれはオシャレなアイテムに変化するという、そのイメージの根底には我々日本人の「西洋かぶれ」意識が混在していると思っております。
まあ……、由美かおるに「長靴」は明らかに似合わないわけですけどねぇ~~~ (^^;
そんなら、何で最初っから、「銀のブーツ」という曲タイトルにしなかったのかなぁ~~~!?
「ブーツ」っていう言葉に馴染みが薄かった、それも当時の日本の現実であったいう推察も易いところではありますが (^^;