■恋のバイカル / 梢みわ (東芝)
掲載したシングル盤で昭和43(1968)年にデビューした梢みわは、当時の女性アイドルシンガーではトップに君臨していた黛ジュンのフォロワーという立ち位置が最初っから与えられていたのでしょう、だからこそ収録のA面曲「恋のバイカル」は作詞:丹古晴己&作曲:山田隼人、そして編曲:小野崎孝輔が相当に力を入れた、所謂ひとりGS物の傑作として見事にヒットしています。
なにしろ、キメのフレーズ――
オッバイカルゥゥ~~
オッバイカルゥゥ~~
オッバイカルゥゥ~~
っていうサビは瞬時に刷り込まれ、あんまり意味を分からないまま、口ずさんでいましたからねぇ~~♪
もちろん、「バイカル」というのは旧ソ連、現在のロシアのイルクーツク付近に在る大きな湖として知られていますが、曲調としてもロシア民謡を巧みにアダプテーションしたような感じがありますので、歌詞とメロディの後先関係は企画の段階からの「鶏と卵」かもしれません。
なにしろ我が国の歌謡曲には、そのロシア民謡が取り入れられたヒット曲があれやこれやとありますからねぇ~~♪
梢みわの歌いっぷりも、なかなかノリが良く、しかし正直、黛ジュンには及ばないところが、これまたニクイばかり♪♪~♪
バックの演奏もオルガンの存在とか、如何にもGSの音作りを世襲(?)しての感度は良好ですよっ!
特に後追いでGSやGS歌謡のファンになられた皆様にこそ、ぜひとも楽しんでいただきた歌と演奏であります。
残念ながら、梢みわは、これ一発だけのヒットしかありませんが、それでもシングル盤は5~6枚は出しているらしく、中古市場では、それなりに高値の人気が継続しているそうですから、纏まった音源復刻を望みたいものですねぇ~~。
最後になりましたが、本日これを取り出したのは、昨日通夜が執り行われた旧友が「湖マニア」だったからで、生前は世界中の湖へ旅行していたほどでしたが、故人が最も好きになっていたのがバイカル湖でありました。
思い起こせば中学生の頃、サイケおやじは一緒になって……、オッバイカルゥゥ~~、と歌っていたのでした。
合掌。