またまた昨夜は五輪野球の予選で熱くさせられましたですねぇ。一時はヒヤヒヤでしたが、終わってみればメデタシ♪
実はバンド練習で集ったメンバーも、とてもリハなんか出来る精神状態ではなく、テレビにクギヅケだったのです。
もちろん今日も朝から、そんな話題ばっかりですね。
ということで、本日は――
■Jackie's Bag / Jackie McLean (Blue Note)
ジャズのアルバムは瞬間芸の記録だけに、たった1日だけで作られたものが少なくありません。そして逆に言えば、録音年月日が離れている演目が収められた作品は、何らかの裏事情が推察出来たりします。
これは、じっくりと製作期間が長いポビュラー&ロック系のアルバムとは異なる、ジャズの世界の決まり事かもしれません。
で、そうした1枚が、本日のアルバムです。
内容は黒人アルトサックス奏者の人気者というジャッキー・マクリーンのリーダー盤ですから、熱いハードバップは「お約束」と思わせながら、実は???という演奏も含まれています。
もちろん参加メンバーは名門ブルーノートらしく、魅惑の面々が揃っているのですが、既に述べたように録音年月日が大きく離れた2つのセッションから仕立上げられているのです――
A-1 Quadrangle
A-2 Blues Inn
A-3 Fidel
以上3曲の録音は1959年1月18日、メンバーはジャッキー・マクリーン(as)、ドナルド・バード(tp)、ソニー・クラーク(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds) という、夢のようなクインテットですが……。
結論からいうとソニー・クラークが絶不調! 全く精気が感じられない「Blues Inn」なんかは、もう耳を覆いたくなります。アドリブソロはおろか、伴奏もビート感が全く無いんですねぇ……。同じく「Fidel」もインスピレーションの欠如とミスタッチが……。
しかし流石は超一流のメンバーが揃っていますから、演奏そのものはガッチリと纏まっており、特にフィリー・ジョーが熱演! 唯一無二という独自のクッションが冴えまくりですし、ホーンの2人も良いフレーズと情熱の発露が見事だと思います。
それが如実に現れたのがド頭の「Quadrangle」で、なんとソニー・クラークが入ってないピアノレスのカルテットで、幾何学的なテーマと演奏を構築しているのです。それはスピード感に満ちたボール・チェンバースと鋭いツッコミを入れるフィリー・ジョーの素晴らしさ! 擬似フリーの緊張感をはらんだジャッキー・マクリーンとドナルド・バードの意気込みが強烈で、ズバリ名演だと思います。
このあたりはケガの功名なのか? 真相は不明ですが、あえて不完全なセッションを公にした会社側の思惑は、この「Quadrangle」の凄さに集約されているのではないでしょうか。
B-1 Appointment In Ghana
B-2 A Ballad For Doll
B-3 Isle Of Java
このB面はガラリとメンバーを換え、ブルー・ミッチェル(tp)、ジャッキー・マクリーン(as)、ティナ・ブルックス(ts)、ケニー・ドリュー(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds) という、ワクワクさせられるセクステットです。ちなみに録音は1960年9月1日ですから、A面のセッションからは、かなり時間の隔たりがあるのです。
しかしジャッキー・マクリーンの情熱は狂おしいまでに素晴らしく、しかも新しい感覚を入れてクールに吹きまくり! ちなみにこのセッションは本来、ティナ・ブルックスが主役だったという噂もありますが、そんなのカンケーねぇ~!
ちょっとモードが入った「Appointment In Ghana」は思わせぶりなイントロから過激なテーマが印象的ですし、神妙に黒っぽさを追求していくバンド全員の潔さ! 特にブルー・ミッチェルが良い味だと思います。
また「A Ballad For Doll」はケニー・ドリューが、ちょっと勿体ぶったミステリアスなテーマからアドリブを発展させていく、新主流派の演奏! 続く「Isle Of Java」はモードを使っていながらハードバップの味わいが失われていません。リズム隊のシャープな切れ味は特筆ものかと思います。
ということで、両面ともに新しい感覚が滲み出た仕上がりです。恐らく発売されたのは1961年以降だと推察しておりますが、ならば時代にはジャストミートの1枚だったはずです。
ブルーノートという会社の製作は、録音セッション前には必ず綿密な打ち合わせとリハーサルがあったというのが今では定説ですから、A面の演奏がリアルタイムではボツっていたのは納得でしょう。
それが偶然か否か、新感覚の演奏となり、上手くB面のセッションと抱き合わせとなったのは、流石だと思います。ちなみに本来は6曲完成していたB面のセッションからは、「ストリート・シンガー(日本キング)」という幻のアルバムが日本優先で発売される事件もありましたですね。これはいずれ、取上げたいと目論んでおりますが……。
それはそれとして、A面のセッションでは、もしソニー・クラークが絶好調だったら、どんな演奏になったのか? 興味はつきません。
ジャケデザインが大好きです♪
A面のソニー・クラークは本当に残念ですね。どうしたんでしょう?
僕はB面のセッションがお気に入りです、マクリーン+ブルックスのフロントが素晴らしい!
「ストリート・シンガー」はなかなか手元にやってきません。
キングの未発表シリーズは高価ですね、以前某オークションでも逃しました(泣)。
「ストリートシンガー」って、そんなに高値なんですかぁ~?
音源そのものはモザイク盤や現行CDのボーナストラックで聴けると思うのですが……。
やっぱり「盤」としての魅力が、たまらんのでしょうね♪
ソニー・クラークについては、多分、悪いクスリの所為じゃないでしょうか……?
丁度、昨日からマックリーンを聴きたい気分でしたので、さっそく手許にあるCDを引張り出しました。
最初の3曲は、かの有名なクール・ストラッティンのラッパがアート・ファーマーからドナルド・バードに替わっただけのメンツなんですね。仰せの通り、マックリーン、フィリー・ジョーが絶好調です。2曲目のソニー・クラークは下手なモンクみたいな感じですね。3曲目はノーコメント。悪い薬の切れ目だったのでしょうか?…笑
他のメンバーが好調でそれをカバーして余りあるものがあると感じました。
で、手持ちのCDは未発表テイクとして
STREET SINGER
MELONAE'S DANCE
MEDINA
が収められております♪
情報ありがとうございます。
やっぱりCDならば「ストリートシンガー」全曲が聴けるのですね♪
私もマクリーンには、時々中毒というか、禁断症状が出てしまいます(笑)♪