OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

このシングル盤、驚異の完成度!

2024-02-18 19:04:27 | Soundtrack

探偵物語 c/w すこしだけやさしく / 薬師丸ひろ子 (東芝)

最初っから無様な言い訳になりますが、サイケおやじは女優としても、また歌手としても、決して薬師丸ひろ子が好きではありません。

それはデビュー作となった「野生の証明」における鮮烈な登場が殊更強い印象であった所為でしょう、以降の映画主演作や発売されるレコードが軒並み大きなヒットになった結果から、如何にも天邪鬼なサイケおやじの本性の表れと解釈されても、申し開きは叶わないところとして、以下の拙文を御一読いただければ幸いでございます <(_ _)>

で、そんな諸作の中で、それでもサイケおやじをドキッとさせたのが昭和58(1983)年に発売された本日掲載のシングル盤でして、まずはA面に収録された「探偵物語」のアンニュイなポップス性の高さは、如何にも薬師丸ひろ子という、当時は恣意的にミステリアスな部分を秘めていた女優の個性に相応しい、所謂アニメ声とも似て非なる声質と無機質でありながら、妙に人懐っこい節回しがクールなメロディラインと深い味わいの歌詞にはジャストミート!?

ラジオか何かで初めて聴いた瞬間、サイケおやじは奥底の知れない魅力に「ゾクり」とさせられた記憶は今も鮮明です。

もちろん、これは皆様ご存じのとおり、作詞:松本隆&作曲:大瀧詠一という職人気質のソングライターコンビが井上鑑のアレンジ共々、周到に作り上げた「ロンバケ」歌謡の傑作という評価は世評の一致するところでありましょう。

その魅力の根底にあるのは、おそらくはマイナー&メジャーコードの混在とも云える、ちょいと普通のポップス歌謡にはオシャレ性感度の高い音選びで構成された曲メロの展開かと思えば、これまた各方面から広く指摘されているとおり、ゾンビーズのクリス・ホワイトが書いた初期の楽曲に聴かれるサウンドイメージを強く想起させれる事は疑い様もありません。

そ~ですよ、ゾンビーズ中毒患者であるサイケおやじが、この薬師丸ひろ子が歌った「探偵物語」に我知らず魅了されたのも、無理からん話かもしれません (^^)

ちなみに当時の薬師丸ひろ子は人気絶頂であり、冒頭に述べたデビュー作「野生の証明」から、「翔んだカップル(昭和55年・相米慎二監督)」「狙われた学園(昭和56年・大林宣彦監督)」「セーラー服と機関銃(昭和56年・相米慎二監督)」と続く主演作が軒並み大ヒットとなり、確か人気投票でも松田聖子や河合奈保子と肩を並べる存在感を示していながら、それほどテレビや芸能雑誌等々への登場が極端に少ないという、往年の映画スタアに近い神秘性を印象づけていたところへ制作公開されたのが待ち望まれていた主演映画「探偵物語(昭和58年・根岸吉太郎監督)」でしたからねぇ~~、主題歌共々にメガヒットしたのは当然が必然という事でありましょう。

というか、このあたりの戦略(?)は彼女を囲い込んでいた角川グループの意図的な仕掛けでありましょうか、とにかくも、ここで薬師丸ひろ子は大スタアとしての地位をがっちりの固めた事になりましたが……、さりとて、サイケおやじは冒頭に述べたとおり、彼女の出演する映画やテレビドラマ等々、そして自ら歌った楽曲をを積極的に鑑賞する事は、掲載のシングル盤を除いて、無いに等しく…… (^^;

ですから、繰り返しますが、殊更薬師丸ひろ子が歌った「探偵物語」は特別であります。

そして両A面扱いとして収録されている「すこしだけやさしく」も、これまた「探偵物語」と同じ制作スタッフから提供された秀逸なポップス歌謡であり、こちらは少しばかり明るい曲調と薬師丸ひろ子ならではのロリ&クールな歌声が相対的に楽しめるという、なかなか確信犯的な仕上がりは、洋楽ポップスに馴染んだ青少年をも魅了するという、正に大瀧詠一&ナイヤガラワールドからの素敵なプレゼントかもしれません (^^)

ただし、こちらの「すこしだけやさしく」は全く映画「探偵物語」本篇には用いられてないというあたりが、これまたニクイところでありましょう (^^)

ということで、ほとんど触れなかった映画としての「探偵物語」は松田優作との共演ということで、松田優作が主演したソフトボイルドな同名テレビドラマの映画版かと思われがちですが、赤川次郎の原作を意訳した物語と軽いタッチの映像が個人的には好きではないものの、世間一般では爆発的な大ヒットになっているあたりは、薬師丸ひろ子&松田優作という、ミスマッチ?

なぁ~んていう先入観年をブッ飛ばす、如何にも映画的映像のアンバランスな予定調和の魅力なんでしょうか?

不遜ながら、サイケおやじには、そ~ゆ~印象ですから、尚更に彼女が聴かせてくれる「探偵物語」という歌謡世界が好きになってしまうのでした。

あぁ~~、カラオケパート共々に歌の完成度の高さは圧巻と思うばかりです。


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