■期待 c/w なぐさめ / 西玲子 (東芝)
1970年代の洋楽の流行はプログレやハードロックばかりじゃ~なくて、所謂「ミドル・オブ・ザ・ロード」と称された中道路線、あるいはソフトロックなメロディ優先主義のヒット曲だって数多出ていた事は否定出来るものではなく、だからこそ、我が国の歌謡界でも、そ~した傾向のソフトロック歌謡が製作されていたんですが、それが折しも歌謡フォークの大ブームと重なっていた時期だったのは幸いでした。
で、本日掲載のシングル盤は、そんな頃の昭和48(1973)年4月に発売された西玲子の必殺(?)の1枚で、何故ならば作編曲に大きく関わっているのが大野雄二ですから、これは後追いのリスナーにとっても魅力満点であるはずです。
また、主役たる西玲子は当時、NHKで放送されていた若者向けの音楽ショウ番組「ステージ 101」のレギュラーメンバーとして活躍していた、17歳の有望シンガーであり、その安定した歌唱力は大野雄二が企図制作した楽曲世界においても、全く臆する事の無い実力を発揮しているんですねぇ~~♪
それは、まず石坂浩二(!?)が作詞したA面曲「期待」にしても、大野雄二が独特の節を滲ませた歌謡フォークっぽいソフトロックなメロディラインを真正面から歌いきっている感じが好ましく、ごまかしのない節回しやハイトーンでも抑制の利いたボーカルコントロールも素晴らしいと思います。
ちなみに、ここでの大野雄二の作風は後年のファンク&フュージョン味ではなく、フルートを用いたオシャレフィーリングとアコースティックギターのスライド、あるいはドブロを使ったカントリーロック系の音作りが程好くグルーヴィなリズム隊とジャストミートの仕上がりで、本末転倒かもしれませんが、西玲子のボーカルとの相性もバッチリ (^^♪
ですから、同じスタッフが提供したB面曲「なぐさめ」の哀愁路線にしても、歌謡フォークというよりは保守本流の歌謡曲っぽさがイイ感じ ♪♪~♪
告白すれば、A面「期待」よりも、こっちのB面「なぐさめ」が好きなのが、サイケおやじの本音であります (^^♪
いゃ~~、西玲子は、本当にイイですねぇ~~~ (^^♪
しかし、このシングル盤を出してから以降の夏の終わり頃だったと記憶しているんですが、前述「ステージ 101」から消えてしまったのは、なんでだろう……。
もちろん、本格的なソロシンガーとして活躍するためだったんでしょうが、失礼ながら大ブレイクする事はなく、一説によればCMソングを多数歌っているとか、スタジオセッションの場で売れっ子だったとか、様々な消息も語られてはおりますが、メジャーなところではシングル盤を6枚、LPを1枚残しているはずですから、彼女の音源も全て復刻し、ひとりでも多くの皆様にお楽しみいただきたいと願っている歌手のひとりです。
ということで、実は先日、ネタの仕入れで徘徊していたら、往年の「ステージ 101」関連の復刻CDボックスみたいなブツが出ている事を知りました。
時間がなかったんで、詳細は確認していないんですが、西玲子の歌がリマスター音源で聴けるのならば、欲しいなぁ~~ (^^;
そんなこんなの物欲が切れていないのは、まだまだサイケおやじかボケていない証明だと思い込むばかりです。