仕事が煮詰まってきたんで、久々にバイクでブッ飛ばしてきました。
もちろん休日で初夏の快晴だったんで、バイクで楽しむ者を大勢見かけましたが、女の子を乗せているのなら、服装に気を使って欲しいなぁ……。
つまり半袖とかホットパンツ姿は、事故った時に危ないよ~。好きな女の子に大きな傷跡を残さない配慮が、ねぇ。
と思っていたら、けっこう大きなバイク事故に遭遇! 命あってのモノダネです。
ということで、本日は――
■Mainstream Of JAZZ / Gerry Mulligan (EmArcy)
ジェリー・マリガンはジャズ界バリトンサックスの王様として、人気実力ともに最高の白人プレイヤーですが、それにしても、この大上段に構えたアルバムタイトルは、凄いですねぇ~!
まあ、レコード会社側の命名かもしれませんが、よっぽど自信があったんでしょう。
と、そんな心配はご無用の素晴らしい演奏が、実際、たっぷり入っています。
録音は1956年1月&9月、メンバーは両セッションで多少異なりますが、ジェリー・マリガン(bs,p)、ボブ・ブルックマイヤー(v-tb)、ズート・シムズ(ts)、デイヴ・ベイリー(ds) が不動です。
そして1月のセッションにはジョン・アドレー(tp) とビル・クロウ(b) が、9月のセッションにはドン・フェララ(tp) とペック・モリソン(b) が参加していますが、いずれも実力者ですから、その演奏は保証付き――
A-1 Elevation (1956年9月26日録音)
ジェリー・マリガンが十代の頃に書いたとされるブルースですが、このソフトでウキウキする曲調には黒っぽさが皆無です。
しかしテーマ部分から快適なビートに乗って絡み合う管楽器の気持ち良さは、ジャズ以外の何物でもありません。
それはアドリブパートでも、例えば先発で歌心とドライブ感の両立を聞かせるジェリー・マリガン♪ そしてその背後からジワジワと迫ってくるホーンアンサンブルが、たまりません。というか、あくまでもアドリブ奏者がメインなんですが、私は聴いているうちに、早くホーン・アンサンブルが絡んでこないかなぁ~♪ と期待してしまうほどの快感が、演奏を通して続きます。
もちろんアドリブパートの充実は言わずもがなで、特に軽くドライブするズート・シムズは流石だと思います。
それとドラムスとベースが終始、安定したビートを送り出しているあたりも要注意! それがあればこそのアンサンブル、特にラストテーマでのホーン陣の自在な絡みの部分には、ワクワクさせられます♪
A-2 Mainstream (1956年1月25日録音)
心地良い倦怠感が楽しいジェリー・マリガンのオリジナル曲ですが、やはりキモはホーンアンサンブル♪ ちょっと古き良き時代風のテーマから、ジェリー・マリガンとズート・シムズの絡みアドリブが、ウラになりオモテになって、最高に聴かせます。ディキシーのモダン化!
すると続くジョン・アドレーは、いささか芝居がかった黒っぽさをやってしまいますが、その基本を大切にした姿勢は好感が持てますし、背後を彩るアンサンブルも流石です。
またボブ・ブルックマイヤーにとっては、こういう雰囲気は十八番とあって、これも名演でしょう。緩いビートが心地良いグルーヴになっているリズム隊とのコンビネーションも最高潮♪ 最終パートの絡み合いなんか、ずっしり重いビル・クロウのベースがあればこそだと思います。
A-3 Ain't It The Truth (1956年1月25日録音)
これはカウント・ベイシー楽団の演目だったでしょうか? とにかくカンサスシティ風の楽しい中間派ジャズが楽しめます。
しかしアドリブの中身はモダンジャズ色が強く、絶妙なノリと歌心を披露するジェリー・マリガンやスイング感満点のズート・シムズは、流石です。
それと日本では人気薄のボブ・ブルックマイヤーの歌心! 私は大好きなんですがねぇ~♪ ジョン・アドレーの張り切ったトランペットも、なかなかです。
そして演奏は、またまたラストに向けて集団即興演奏とアレンジされたパートの融合が、本当に、お見事! これがジェリー・マリガンのバンドでは、ウリです。
B-1 Igloo (1956年9月26日録音)
ビバップの名残が感じられる曲ですが、相変わらずホーンセクションの絡みとシンプルなリズム隊のコンビネーションで聞かせる構成が、快感です。
アドリブパートは、いずれの奏者も好演ですが、特にボブ・ブルックマイヤーが素晴らしいですねぇ~~~♪ それとアンサンブルの中から、スゥ~と飛び出してくるズート・シムズ! 全く上手いですし、後半では、もうひとつ出番があるんですよっ♪
またデイブ・ベイリーのブラシも良い感じ♪ ベースのウォーキングからラストテーマに流れるあたりも、痛快です。
B-2 Blue At The Roots (1956年9月26日録音)
ジェリー・マリガンのピアノがイントロというか、前フリのアドリブになっています。そしてボブ・ブルックマイヤーがノンシャランに入って軽く雰囲気を作っているあたりが、最高です!
続くズート・シムズも適度に黒く、ドン・フェララはクールにキメまくりですからねぇ~♪ これぞジャズの楽しさだと思います。
なによりも、力んでいないところが素敵です。あぁ、こういうブルースも、有り!? ですねぇ♪
B-3 Lollypop (1956年9月26日録音)
オーラスはチコ・ハミルトン楽団の演目ですから、デイヴ・ベイリーも気合が入ったブラシを聞かせてくれます。
そしてアップテンポで豪快にドライブしまくるジェリー・マリガンが痛快! 背後を彩るホーンアンサンブルも味わい深いところです。
またドン・フェララとズート・シムズは、かなりハードバップに傾斜していますが、逆にボブ・ブルックマイヤーが正体不明のモゴモゴスタイルで、私は大好きです。この人の演奏には、何時だって不思議な歌心があるんですよっ♪
ということで、アルバムを通して同じようなコンセプトの演奏ばかりなんで、やや飽きるかもしれませんが、一端その魅力にとりつかれると、抜け出せません。ホーンアンサンブルはアレンジされた部分と即興での絡みの2本立てですが、どこまでが譜面なのか!? そういうスリルが満点なんですねぇ~♪
実は、この時期のジェリー・マリガンは、ここで聞かれるような中編成のバンドで、似たような演奏を沢山吹き込んでおり、その中から3枚のアルバムが編纂されましたが、出来としては、これが一番じゃないでしょうか?
ソフトなようでいて、実はジャズのハードコアな部分にも接近した傑作だと思います。
趣味が沢山おありで羨ましいです、ジャズは好きという
だけで「人に語れる知識」などありませんが 今日の作品は私が生まれた頃のものが殆どのようで ふと目にとまりました。
コメントありがとうございます。
バイク好きは、父の遺伝です、多分(苦笑)。
風を切る感覚も良いですが、今は独りになれる瞬間が貴重というか……。
ジャズは気持ちですよ。
聴いて気持ち良ければ、それていいと思います。