■そんなつもりじゃなかったのに / 立見里歌 (ワーナーパイオニア)
世渡りしていく中で、必ずや求められるのが、「自分がバカになってりゃ~いいんだ」という、言い訳めいた居直りかと思えば、サイケおやじは、そんな立場に多々追いやられて、今日まで来てしまいました……。
ですから、そ~ゆ~状況の当該人物には共感を覚えたりするんですが、しかし、もしかしたら、こいつはナチュラルなヌケ作なのかっ!?
なぁ~んて思わざるを得ない瞬間も、なかなか少なくありません。
特に芸能界においては、バカをやるのが売れる仕事っていうキャラが確かに存在し、例えば本日の主役たる立見里歌(たつみりか)は、某大学のミスコン出身でありながら、昭和60(1985)年頃から出演していたフジテレビの深夜番組「オールナイトフジ」じゃ~、破天荒寸前のバカっぷりが全開で、サイケおやじは毎度ながら呆れ果てるのが、ひとつの楽しみになっていたほどです。
そして、当然ながらと申しましょうか、そんなこんなの流れから、何時の間にか同局の人気バラエティ「夕やけニャンニャン」のおニャン子クラブにも顔を連ね、ついには極みのターヘを証明する歌唱力で昭和62(1987)年に発売してしまったのが、本日掲載のシングル盤でありました。
しかし、A面収録の「そんなつもりじゃなかったのに」は作詞:秋元康&作編曲:若草恵が提供した、ラテンリズムも入れた盛り場演歌の秀作で、全く……、こんな消えりそうにド下手な歌唱じゃ~、バチアタリの決定版と思ってしまうほどですよっ!
これは、失礼とか、残念とか、そんなレベルじゃ~無くて、もはや意図的に作られたと推察するしか、彼女の所謂「おバカ」キャラは活かせないと判断した結果のプロデュースなんでしょうねぇ~~!?
そ~でなければ、ジャケ写のケバイ雰囲気とか、提供された楽曲のレベルの高さとか、そんなこんなが納得出来ないんですよ、サイケおやじにはねぇ……。
そして、これがまた、相当なヒットになっていたと記憶しているんですが、当時を知っている皆様にとっては、いかがなものだったでしょうか。
冒頭に述べたとおり、立見里歌が恣意的な行動からバカを演じていたとすれば、唯一残されたと思しき掲載のシングル盤がヒットしたのはムベなるかな、かなり以前のテレビ番組で、所謂「あの人は今」みたいな企画に登場した彼女が、芸能界引退後に某レコード会社や広告会社に勤務していたという履歴は侮れませんよねぇ~~~~!
案外、「しぶとい」んじゃ~ないでしょうか、立見里歌は!?
だとすれば、サイケおやじは好きになっちまいそうで、額に汗が滲むばかりです。
うむ、曲タイトルが、ますます意味深ですねぇ~~♪