OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ファズの響きとプルプルの関係

2012-05-06 15:32:58 | 歌謡曲

プルプル / ハニー・牧 (ポリドール)

1960年代後半のロックを象徴する音のひとつがファズギターの響き!

と言ってしまえば、それで事足りるほど各方面で応用された歴史は時が経つほどに明確だと思いますが、とりわけ雑食性の高い昭和歌謡曲においても、今更特段の説明は不要じゃないでしょうか。

例えば本日ご紹介の「プルブル」は昭和44(1969)年夏に発売された典型的な歌謡“ファズギター”ポップスで、曲調としてはライトタッチのR&Bですから、なにもファズギターをイントロから使う必要性は無いとする聴き方も成立するはずです。

ところが、あえてそれを全面的に入れる事によって、見事な時代性を後世まで残してしまったところに、当時の勢いというか、昭和歌謡曲の永劫的な魅力があるんですよねぇ~♪

しかも曲のキメとなっている、「プルッブルッ」という合の手気味の言葉の入れ方が、なにやらセクシーでもあり、意味深長な穿ちにリスナーを導いてくれるのですから、たまりません。

そして歌っているハニー・牧その人が芸名はもちろん、ジャケットのボートレイトでも明らかなように、典型的な西洋顔のハーフとあっては、当時の日本男児をイチコロにせんとする狙いがミエミエでした。

ところが実際は全くヒットしていなかったのですから、世の中は厳しいですねぇ……。

ちなみにハニー・牧は当時18歳で、人気マジシャンだった引田天功のアシスタントも務めていたほどですから、それなりに存在は知られていたはずなんですが、皮肉な事に人気を集めたのは芸能界引退後と思われる昭和50年代末頃の所謂「廃盤アワー」のブーム期だったのですから、儘なりません。

実はサイケおやじにしても、ハニー・牧がリアルタイムのテレビ番組でバラドルのような事をやっていたのは微かに覚えていたものの、レコードを出していたなんて、その時まで全く知る由もなく、このシングル盤をゲットしたのも、中古屋巡りの果ての事です。

う~ん、昭和歌謡曲の奥の細道は、まだまだ深くて長い……!

思わず痛感させられる隠れ名曲であり、裏人気曲として必須アイテムとなっているのも納得する他はないんですが、現実的にヒットしなかったのは何かが欠けていたのでしょう。

まさか、最初っから後世の再発見・再評価を目論んでいたとは思いませんが。

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