すっかり春という日本列島は、完全に異常気象だと思います。
こんな陽気にはボサノバを聴こうとして取り出したのが、これです――
■Temas Brasilenos / Tete Montoliu (Ensayo)
最近の紙ジャケ仕様CD復刻ラッシュには、慣れっこになっていたつもりでしたが、これには驚愕! というかCD国内発売だけでも喜ばしいのです♪
内容は盲目の豪腕ピアニスト=テテ・モントリューがピアノトリオ+1で吹き込んだブラジル音楽集なので、当然、ボサノバがたっぷりなんですが、でも精力絶倫タイプのテテ・モントリューですからねぇ……。実はこのアルバムの存在を知った時には、すぐさま、そんなことが頭をよぎりました。
もちろんオリジナル盤は極めて希少! そしてバブル期の日本に入って来た時には、愕くべき値段で取引されていた高嶺の花でした。それがっ♪
録音は1973年、メンバーはテテ・モントリュー(p)、アルベルト・モラレダ(b)、ミケランジェロ・リザンドラ(ds)、ペドロ・ディアス(per) となっており、メドレー形式で名曲が演奏されていますが、ジャケットに記載されているよりも実際には多くの曲が演奏されていますので、ここに日本語で書いておきます。
A-1 フェリシダージ / 黒いオルフェ / オルフェのサンバ
いきなり快適なビートでノセられてしまいます♪
テテ・モントルーのピアノは素直にテーマを弾いてくれますから和みますが、アドリブパートでは熱気が……! と思った次の瞬間、自分ひとりでテンポを落とし、哀愁のテーマがせつない「黒いオルフェ」がゆったりと流れてくるんですから、たまりません♪ 重心が低いベースの響きも良い感じです。
そして続く「オルフェのサンバ」は、再びスマートなリズム感でテーマを綴りつつ、アドリブパートでは本領発揮のモード節まで入れ込んでの熱血演奏へ! しかしテーマメロディを崩していませんから、やっぱり素敵です♪
A-2 イパネマの娘 / コルコヴァード / ワン・ノート・サンバ
このパートでも、やっているパターンは前と同じです。
軽く演奏される「イパネマの娘」は、オスカー・ピーターソンにクリソツで心地良く、テンポを落としての「コルコヴァード」はメロウな響きが魅力です。そして自由なソロピアノの展開から「ワン・ノート・サンバ」へと続くあたりは、いつしか4ビートになったりして、したたかなジャズ魂が楽しめるのでした♪
A-3 オ・カンガセイロ / バイーア / ブラジル
いきなりフリージャズです! しかし次の瞬間、「オ・カンガセイロ」のメロディが涼しく流れてくるという快感が与えられます。ただし演奏そのものは硬派な仕掛けがあったりして???
それは続く「バイーア」では、バンド全員が結託したミステリアスな解釈に発展しますが、シメの「ブラジル」で広がる悦楽のビートで開放されるという、全くニクイ展開です。やっばりテテ・モントリューは硬派だと思います。
B-1 オサーニャの歌 / ウェイヴ / ソー・ダンス・サンバ
これがまた、硬派なスタートですから油断なりません。
ただし「オサーニャの歌」では原曲が持っている哀愁を、それなりに大切にしていますから、アドリブパートで思いっきりハードなモード節を出すテテ・モントリューにも嫌な感じはありません。まあ、真夏に聴くと、汗ダラダラでしょうけど……。
で、続く「ウェイヴ」は個人的にも大好きな曲なんで、和みたいなぁ、と切望していたら、如何にも正統派ジャズピアニストの佇まいで演奏してくれますから、唸るか泣くかは十人十色としか……。
しかし無伴奏ソロから「ソー・ダンス・サンバ」へ突入していくあたりは、もう完全にジャズですから、何も言わずにノッて聴く他はありません。
B-2 デサフィナード / メディテイション / トリステーザ
ジャズ・ピアニストとしての本音が出たメドレーになっています。
なにしろスタート時点の無伴奏ピアノソロから「デサフィナード」のテーマに入るところ、またそのアドリブパートでは相当に高いテンションが張っていますから! ただし他のメンバーが、ややヌルイ雰囲気で???
これには流石のテテ・モントリューも諦めの境地でしょうか、一転してスローな展開で迫る「メディテイション」が実に良いです。
そしてベースのアルコ弾きに導かれ、歓喜の歌を爆発させる「トリステーザ」が最高です。あぁ、ピアノは打楽器でしたかっ!?
ということでボサノバアルバムにしては、けっこう疲れる演奏集だと思いますが、今時期に聴くにはちょうど良い熱さがあって好ましいです。真夏になったらアブナイですが……。
そして現在、CD復刻中ですが、こういうブツは一端逃すと後々が苦しくなりますので、気になる皆様は速攻でのゲットをオススメ致します。
お陰さまで退院しました。
「キモノ女のソコヂカラ」…豆千代モダンのお店で買いました。ん~確かに…ん~まぁ…感想はいずれまた。(^Q^)/^
さて、私引っ越しました。なかなか片付きません。(;_;)なので、現実逃避に来ました。ブログお読みして「イパネマの娘」や「ブラジル」が聞きたくなって買いにいきました。でもサイケおやじ様が書かれているブツは見つかりませんでした。(;_;)んで、でっかいLP盤を買いました。英語だらけで誰だかさっぱりわかりませんが、両方の曲が入ってるから良いや。(^^)vプレーヤーも赤とベージュのコンパクトなモノを買いました。
LP乗せてみました…
煙が出てきました…(*◆*)さすが西荻窪…骨董の町でした。(;_;)
夜が明けたらちゃんとタワーレコードに行ってCD探してきます。
他にお薦めなボサノバアルバムがあったら教えてください。m(__)m
ではでは。
まずは退院、おめでとうございます。
引越しも、けっこう、エネルギー必要ですよね。
まあ、ゆっくりと片付けて、自分のペースに戻してくださいね。
ボサノバは最近、いろんなオムニバス盤がCDで出ていますから、そこから聴いてはいかがでしょう。
ひとりのミュージシャンのアルバムだと、ハズレとか十人十色の好みがありますからねぇ。
とりあえず、近々、なにかご紹介してみますので、よろしくです。