OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

開いていたシビルの部屋

2019-10-06 17:43:24 | Soundtrack
シビルの部屋 / 斉藤麻美 (ワーナーパイオニア)

日本映画には「成人」とか「ピンク」と称されるジャンルがあり、それは説明不要、セックスや女の裸、エロスと背徳、さらには過激な暴力的描写を含んだ強制性交、つまりは強姦、あるいは野外セックスやSM等々、とにかくギラギラした男の欲望を満たす事を標榜した作品が、特に昭和の時代には堂々と街中の映画館で上映されていました。

もちろん、そのものズバリの映像なんかは無く、なるべくそこが見えないながらもギリギリを描くのが監督以下製作スタッフの力量の証明でもあったんですが、それが素晴らしすぎるほどに過激な内容は当局の取り締まりの対象になっていた事は言わずもがな、上映中止や関係者の逮捕~裁判沙汰が常に芸能ニュースばかりか、社会的事件として扱われていたのはサイケおやじと同世代の皆様であれば、あぁ~、あれかっ!?!

しかも、それは日本映画ばかりじゃ~なくて、海外製作作品ともなれば実情は尚更に様々で、現実的には既にポルノ解禁となっていた国の作品であっても、そこには所謂ボカシを入れなければ、我が国での上映は不可能でしたから、所謂「洋ピン」と称されたフイルムは、何の繋がりも無い複数の作品を強引に編集したものにテキトーなエロいタイトルをつけて公開されていた、もはや「映画」とは呼びたくないものまであっんですよっ!

でもねぇ~~、それでも当時の野郎どもは見たかったんですよ、ジンガイ女のヌードやマグワイの動画をねっ!

しかし、そんな状況に風穴を開けたというか、同じ人間であれば、「女」だって「男」同様に性的衝動がある以上、そ~した映画に興味は無いとは決して言えないはずという信念的常識から宣伝公開され、見事に大ヒットしたのが「エマニエル夫人」というのは穿った定説かもしれませんが、確かに映し出された映像には美しさがあり、所謂ソフトポルノとして、一般の洋画と同じ感覚とまでは行かなくとも、女性だって堂々と鑑賞出来る免罪符が交付された事は確かです。

で、以降フランス製作の同系の映画が期待どおりに輸入され、それなりにヒットした中にあって、昭和52(1977)年秋に公開された「シビルの部屋」は原作が前述「エマニエル夫人」を書いたエマニエル・アルサンであり、しかも彼女の自伝的作品とまで宣伝されたのですから、忽ち話題沸騰!

しかも、その内容は確かに我が国におけるJK世代の美少女がヌードやセックス等々を綺麗な映像美の中で魅せる(?)という物語で、現代で云うところの「ロリータポルノ」でしたからねぇ~~~。

ストーリー展開のきっちりした分かり易さもあって、思春期の曖昧な希望とか、ユーモアや人間関係の不条理を巧みに混ぜながら、白人美女のセクシー場面が、そこにあるってもんですよ♪♪~♪

そ~いえば当時、「ヤング・エマニアル」とか云々、そんなキャッチコピーもあったと記憶しているんですが、そんなこんなで見事に映画は大ヒット!

関連作品とか、便乗映画も公開される騒ぎ(?)になったんですが、本日ご紹介のシングル盤もそのひとつというか、一応は日本公開に合わせた主題歌扱いとはいえ、実際にはイメージソングでしょうか? 映画本篇をリアルタイムで鑑賞したサイケおやじにしても、実は全く記憶にないんですよ……。

しかし、それから数年後、例によって中古屋で猟盤活動をしていたサイケおやじの触手に引っかかったのが掲載のシングル盤でして、正直発作的にゲットしたわけですが、針を落としてみると、これがなんとっ!

ロリータボイスのボサノバ歌謡!?!

歌っている斉藤麻美につていも知っている事は何も無く、しかしジャケ写のアンニュイなポートレートが、ちょいと思わせぶりな和風の面立ちというのも、実は歌声には必ずしも合致しないと思うんですが、それはそれとして作詞&作曲:森雪之丞、編曲:青木望が作り出したのは、件の映画そのものの様でもあり、特段の思惑も無いニューミュージック歌謡としても、なかなかイケていると思いますねぇ~~♪

ただし、サイケおやじにはロリ趣味が無いので、映画本篇も冷静(?)に観られたような気がしますし、このシングル曲「シビルの部屋」にしても、本日聴いてみたら、ど~にもアニメ声に思えたんですから、いやはやはなんとも……。

でも……、愛好者には最高のプレゼントかもしれませんよ。

そ~いえば思い出したんですが、映画「シビルの部屋」は昭和50年代末頃にテレビでも放送されたんですよっ!

その時もかなり話題になって、 主演女優のアン・ザカリアスのインタビューも放送されたような朧げな記憶がありますが、ど~だったかなぁ……。

ということで、本日は特段のオチもありませんが、本篇「シビルの部屋」はDVD化されていますし、輸入版ならば「ボカシ無し」のバージョンも入手出来ますが、過大な期待は禁物です。

最後になりましたが、劇中に登場する従兄弟は早い話が完全にシビルに遊ばれたというか、一応は最初のセックス相手ではありますが、精液を搾り取られたり、彼女の本命のダシに使われる役柄には、なんとも同情してしまいましたよ。

まあ、そんなこんなも映画の楽しさのひとつ……、なんでしょうねぇ~~♪
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