今日は暖かな休日でしたねぇ~♪ 昨日の騒動も治まり、早めに赴任地に戻って、これからバンドの練習に行くという、かなり贅沢をしてしまうのです。
で、車の中で聴いていたのが、この復刻CDでした――
■Bennie Green Swings The Blues (Enrica / Blue Moon)
ソニー・クラークをオリジナル盤で集めて一番の難関が、このアルバムじゃないでしょうか?
もちろん我国の他にも再発はされているんですが、どうも音質にイマイチ納得が出来ないのは、私だけでしょうか?
と思い悩んで十数年……。ひょんな事から中古で入手してみたCDが、かなり満足度のあるブツでした。
肝心の内容は、黒くて楽しいモダンジャズをやらせては天下一品のトロンボーン奏者=ベニー・グリーンの快演盤♪ 録音は1959年、メンバーはベニー・グリーン(tb)、ジミー・フォレスト(ts)、ソニー・クラーク(p)、ジョージ・タッカー(b)、ポール・ガスマン(ds) という、思わずニンマリの面々です――
01 Been Walkin'
まずソニー・クラークの粘っこいタッチが堪能できるイントロだけで、大満足の演奏でしょう♪ 続くトロンボーン&テナーサックスによる豊かな響きのテーマ合奏、それに絡んでいくソニー・クラーク♪ と、ここまで聴いただけで、このアルバムは間違い無い! と納得するのがハードバップのファンだと思います。
もちろんアドリブパートの本編も最高! ファンキーで真っ黒なソロの連発にはモダンジャズ黄金期の魅力が満載されています。
ソニー・クラーク最高!
02 Blue Mambo
これまた躍動的なソニー・クラークのイントロに導かれて始る楽しい演奏です。タイトルの「マンボ」の部分はテーマのところだけで、それも擬似スタイルですから、アドリブパートは忽ち激烈な4ビート! まずはジミー・フォレストが力演です。
ところが続くソニー・クラークのパートになると、再びマンボのリズムになって♪♪~♪ しかもベーニー・グリーンが出る瞬間には4ビートに逆戻りし、さらにジミー・フォレストのリフが絡んできますから、グッと熱く盛り上がります。
おまけに最終パートではソニー・クラークが真正4ビートの名演まで聞かせてくれるんですねぇ~~~♪ 3分ちょっとの演奏ですが、中身は濃過ぎます!
03 Love At Last
ソニー・クラークが、またしても魅惑のイントロをつけるスローな演奏で、ベニー・グリーンとジミー・フォレストも完全なるキャバレーモードですから、シビレます♪
う~ん、ジミー・フォレストの太いサブトーンが、実に良いですねぇ~♪ そこはかとないソニー・クラークの泣き節も味わい深いと思います。
04 Penthouse Blues
あぁ、ソニー・クラーク、最高! と痛感させられるアドリブ気味のイントロから、ベニー・グリーンの自然体なブロー、さらに熱っぽいジミー・フォレストと続く快演は、このアルバムを通してのパターンではありますが、これぞモダンジャズの黄金律です。
ソニー・クラークは本当に絶好調で、アドリブソロはもちろんのこと、バッキングも素晴らしいかぎり♪
05 Hop, Skip And Jump
これまた粘っこいソニー・クラークが、もう、たまりません♪ ちょっと重たいビートを出してくるベース&ドラムスとのコンビネーションも絶妙ですし、ホーンの背後で好き放題に煌くアドリブ伴奏も魅力がいっぱい♪
もちろんフロントの2人も快演なんですが、やはりソニー・クラークが一番目立ってしまうのでした。
06 A Bun Dance
ちょっと新しい響きが入ったハードバップなんですが、王道路線は外していません。スピードのついた演奏は痛快ですし、ベニー・グリーンのダーティなオトボケやジミー・フォレストの分かり易いアドリブは快楽的♪ ジャズは決して難しい音楽ではなく、カッコ良いと理解されるはずです。
ちょっとジャズクルセーダーズっぽい感じです。
07 Pennies From Heaven
和みの有名スタンダード曲なんですが、こんな演奏にまで粘っこい味を付けてしまうのが、ソニー・クラークのイントロです。
テーマメロディのアレンジもホンワカと黒っぽく、ブリブリ吹いてヒェ~と泣くジミー・フォレストのプロ意識やホノボノとしたベニー・グリーンには安心感があります。
ソニー・クラークも短いながら、流石の閃きを聞かせてくれます。
08 Change Up Blues
オーラスは急速テンポのハードバップブルース! いきなりアドリブの応酬で始る演奏では、やはりソニー・クラークが素晴らしいと思います。
う~ん、なんとなくJATPみたいなジャムセッションになるとはいえ、やはりこういうスタイルこそがメンバーの個性に合っているんでしょうねぇ~♪ 当に水を得た魚のようなソニー・クラークは絶好調で、十八番のフレーズを弾きまくりです。
ただし途中でテープ編集疑惑あり、早めのフェードアウトがあったりして、つまり演奏が短くされてしまったのが残念です……。
ということで、多分「01」~「04」までがアナログ盤のA面収録かと思いますが、なにしろオリジナル盤を見たことがないので、確証がありません。
もし、そうだとすれば、個人的には前半=A面が好きということになりますが、とにかく全曲で最高のソニー・クラークが楽しめるのは間違いの無いところ!
もちろんベニー・グリーンやジミー・フォレストも本領発揮の大熱演ですから、決してオリジナル盤偏重主義者では無い私でも、ピカピカのブツに出会ったら、全てを投げ打つかもしれません。
それほどに魅力があるアルバムだと、ご理解願えれば幸いです。あぁ、CDで聴ける現在の幸せをかみしめて♪
レス遅れて、申しわけありません。
オリジナル盤の音は聴いたことがありませんが、このBlueMoon盤は、以前に出た日本盤よりも厚みのあるリマスターです。
BlueMoonもスペインの会社らしく、フレッシュサウンド系列なんでしょうか? けっこう質の高い再発をやっています。