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サイケおやじの生活と音楽

この人だぁ~れ part-165:鶴恵子 ~ これで運気も上向きか ♪

2024-10-23 15:07:54 | 歌謡曲

■何かいいこと c/w エンジェル・ラブ / 鶴恵子 (RCA / ビクター)

掲載したのは、サイケおやじの長年の探索対象になっていた鶴恵子のシングル盤で、それが本日、ひょんな事から入手出来ましたので、速攻でご紹介させていただきます。

主役たる鶴恵子はサイケおやじにとっては「この人」シリーズに分類するしかない、全く子細な履歴が掴めていないアイドルシンガーと言っていいのか、それすらも不明なんですが、ジャケットスリーブ裏に掲載されている簡単なプロフィール紹介によれば――

  1953年2月2日生まれ
  佐賀県佐賀市神原町出身。本名は同じ。

――とされていますから、これが世に出た昭和47(1972)年当時は二十歳前であり、ビクター関連の様々なイベントキャンペーンガールに起用されていた旨が明らかにされ、そこからの歌手デビューだった様です。

で、サイケおやじが掲載のシングル盤を気にしていたのは、収録A面曲「何かいいこと」をオンタイムのラジオで聴いた時からの事でして、う~ん、このメロディって、確かフレンチポップスのカバーだったよなぁ~~、みたいな印象が強く刷り込まれていたからでした。

それは実際、アップテンポで弾むようなリズムと開放感のあるメロディがシンプルでありながら、なかなか心地良い歌謡世界 (^^)

妙にフワフワした鶴恵子の歌いっぷりも、ソフトロック歌謡の王道として、完全にサイケおやじの好みでありました (^^)

しかし、当時は決してヒットしていたとは言い難く、また……、経済的事情もあって、サイケおやじもレコード入手には至らず幾年月……。

それを本日、幸運にも掌中に収めてみれば、諸々の謎(?)が霧散したんですねぇ~~♪

まず、気に入っていたA面曲「何かいいこと」には、「Bel Enfant Noir」というサブタイトルがレコードレーベル面に記載されており、次いで制作クレジットを確認すれば、作詞:千家和也&作曲:ニーナ・シモン!?!

―― なぁ~んていう、全く驚愕の真相がっ!?

だって、ニーナ・シモンって、サイケおやじの認識では自作自演曲も含めたゴスペルジャズを歌う黒人女性シンガーであり、そのアクの強いアルトボイスと「濃い」キャラクター&ルックスには明らかに好き嫌いが別れる存在というか……、完全にアイドル&ポップスの領域から外れていたわけでして……。

しかし、同列に編曲:クリステル・ゲーリックという文字列(?)を発見してみれば、思わず納得させられてしまったんですよ?!?

何故ならば、その「Bel Enfant Noir」という楽曲こそは、1971年にフランスのアイドル系女性シンガーだったクリスティーヌ・ルバイユがヒットさせていた、それこそ我が国でも耳に馴染があるはずの洋楽ポップスであり、そのメロディに千家和也が日本語の歌詞の附した、つまりは和製ポップス的替え歌アイドル歌謡だったんですねぇ~~ (^^)

ちなみに、それが「作曲:ニーナ・シモン」とされているのは、件の「Bel Enfant Noir」がニーナ・シモンとジョナサン・I・ウェルドンによる「To Be Young, Gifted And Black」をフランク・ジェラルドがフレンチポップスに翻案したからで、それを鶴恵子のカバーバージョン「何かいいこと」では、クリステル・ゲーリックのアレンジによる日本語歌詞による新装版にされているというわけですから、結果として原曲の「美しい黒人の子供」とは大きく懸け離れた乙女心の夢と希望を歌う鶴恵子のソフトロックバージョンは別の印象というわけです。

そして、そんなこんなを気にされる皆様には、ぜひともニーナ・シモンの自作自演バージョン「To Be Young, Gifted And Black」を聴いていただきというございます <(_ _)>

う~ん、グルーミィ~なニーナ・シモンの歌が、ここまで変換されるなんて、ちょいと驚かされるかもしれませんよ (^^;

さて、しかしながら、このシングル盤を入手して、もうひとつ嬉しかったのは作詞:千家和也&作編曲:森田公一から提供のB面曲「エンジェル・ラブ」が、それこそ当時の我が国歌謡ポップスの「いいとこ取り」的な、明るく楽しく、そして胸キュンなアイドル歌謡に仕上げられていた事でして、それは実際、アップテンポの弾ける様なリズムアレンジと溌溂としたホーンセクションのお膳立てがあればこそ、決して上手いとは言い難い鶴恵子の飾り気の無い節回しがニクイばかりにジャストミート (^^♪

ちょっぴり過剰気味のボーカルのエコー処理も程好い荒隠しかもしれませんが、楽曲全篇の出来の良さはB面には勿体ないと思うばかりですし、誰かのリメイクバージョンを探したくなる欲求さえもっ!

いゃ~~、流石に当時のアイドル歌謡業界のレベルの高さには感服であります (^^)

ということで、ここ2日ばかり、心身共に辟易させられる事態が続きましたが、このシングル盤ゲットから運気も上向きになると自分に言い聞かせております (^^;

う~ん、正に「何かいいこと」そのものになりますようにっ!


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