■ワイルド・アクション / The Who (Track / 日本グラモフォン)
日本盤シングルの大きな魅力のひとつが、ピクチャースリーヴの素晴らしさでしょう。
もちろん確かに日本のレコードは全体的に値段が高く、特にサイケおやじが子供の頃は自らの乏しい小遣いに比較して、とてもとても、その歌が好きだからといって、気易く買えるものではありませんでしたからねぇ~、ジャケ写の魅力というのも、実に大きな楽しい要素でありました。
しかし……、それが裏目に出る事だって、少なからずあったわけですよ……、思い込みと言われれば、まあ、それまでなんですけど、本日掲載の1枚は、まさにそれが先行して、肩すかしを極められた傑作でした。
だって、演じているのがザ・フーであり、暴虐のアクションがモロに堪能出来るにちがいない曲タイトル「ワイルド・アクション」に、ド派手なステージショットを使ったジャケ写が鮮烈ですからっ!
しかもこれが発売されたのは昭和47(1972)年2月、という事は例のウッドストックの熱演が映画でも公開され、その勢いがアルバム諸作はもちろん、シングル曲「Summertime Blues」や「無法の世界 / Won't Get Fooled Again」等々を我国でも大ヒットさせていた頃ですから、ザ・フーという稀代のロックバンドの新曲に期待するなというのは、殊更ファンにとっては無理な話です。
そこでサイケおやじはザ・フーの新譜シングルをゲットする心意気に燃えていたところに、レコード屋の店頭で出会ったのが、しつこいようですけど、このジャケ写にして、この曲タイトル!!
当然ながら、それまで全く聴いた事も無かったのに、絶対に凄いはずっ!
そう思うのが、これまたザ・フー信者の素直な気持でありましょう。
ところが速攻で帰宅して、レコードに針を落せば、クリビツテンギョウ~~!?!
ザ・フーをザ・フーに成らしめている爆裂のドラムスも地鳴りのペースも出ず、なんとっ!? 大人しい(?)アコースティックギターの地味なカッティングやピアノに導かれた、いやはやなんとも、曲タイトルとは裏腹の……。
うわっ、これは……、と思った次の瞬間、それでもドラムスが入ってくるあたりから、ボーカルに力が漲ってくるというか、グイノリの曲展開と中間部での十八番のコーラスワークがザ・フーならではの仕掛の妙♪♪~♪
そこであたらためて確認してみると、「ワイルド・アクション」という曲タイトルは完全に「邦題」であって、本当の曲名は「Let's See Action」なんですから、納得する他はありません。
いや、と言うよりも、これはこれでザ・フーでしか演じられない唯一無二のロックであり、似た様な事は当時の他のバンドでもやっていたんですが、お叱りを覚悟で書かせていただければ、これをもしもフェィセズあたりが?
と思っただけで、些か額に汗が滲むでしょう。
流石はザ・フー! それが最終回答であります。
ということで、実は何度でも聴きたくなるほど、魂が高揚させられるのが、この「ワイルド・アクション / Let's See Action」です。
あぁ~、この構成万全の様式美♪♪~♪
最後になりましたが、実は「ワイルド・アクション / Let's See Action」については諸説云々、制作過程には噂ばかりが先行した幻のアルバム「ライフハウス」絡みの音源である事は確かと言われていますが、演奏メンバーが果たしてザ・フーだけでなく、セッションミュージシャンの存在も含めて、どうにもはっきりしません。
そのあたりも含めて、サイケおやじはザ・フーの全盛期を感じる諸々が、ここに聴けると思っているのでした。
コメントありがとうございます。
この裏焼き、誰かに気がついて欲しいなぁ~~、という希望を持っていましたので、最高に嬉しいです。
恐らくはデザインレイアウトが優先の処置だったと思うんですが、日本グラモフォン~ポリドルールは例えばジミヘン等々、やってしまったブツが多いんですよ(笑)。
一応、コレクターズアイテムという事で♪
コメントありがとうございます。
ザ・フーは全盛期に来日しなかったので、未だに誤解されている部分も少なくありません。
一番大きいのは、ザ・フーはワイルド!
という印象で、しかし実際にスタジオレコーディングの音源を聴いて、その美メロ主義やソフト&ハードな構成美に肩すかしの結果が確かにあるんですよ(苦笑)。
例えば「トミー」のアルバムは綺麗な曲が多いですからねぇ~、名盤なのにイメージ違いと思わされたのは、実はサイケおやじも一緒でした。
まあ、そのあたりは好き嫌いの問題もありますが、少なくともキース・ムーン在籍時の演奏は、全部が最高!
その布教(?)に拙プログが何らかのお役にたてれば、望外の喜びであります。
この頃は外タレの事知らない印刷屋のおっちゃん達がいっぱいいたのでしょうね^_^
周りにザ・フーを知っている人自体なかなかいないので(ストーンズ好きは幅広い世代に結構いたりする)フーをリアルに聴いてきている方々のお話は大変貴重です♪
しかしながら、今まで自分が聴いてきた音楽の中で「あっ!このバンドはストーンズの影響だいぶ受けてんなぁ」とか「この曲の前奏はフーのあの曲にめちゃ似てるぅ~♪」
なんて新しい発見もあります。
コメント&ご紹介、感謝です。
当時の邦題は、それだけでイメージが喚起されなければ意味無いよぉ~、てなもんでしたねぇ~♪
それとプロモ系フィルムはテレビで放映するのが基本だったそうですから、過激よりも和みが求められていたそうですよ。
ただしロックバンドであれば、媚びるよりは笑いを狙うが如き姿勢もあって、ストーンズも今となっては可愛い演出が!?
コメント&ご紹介、感謝です。
ザ・フーは基本的にポップスバンドであり、それはビートルズも同じと思いますが、熱血のビートを求めるのは若者の常であり、R&Rの地平を見据えたところに新しさがあったんじゃ~ないでしょうか。
ピート・タウンゼントほどポップな歌を作れるソングライターは稀であり、ザ・フーほど凄い演奏がライブでも可能なバンドはありません。
ぜひとも、深くお楽しみ下さいませ♪
それとフーはオモシロイことするバンドってイメージで
時々ビデオ等で観るプロモとか他の気取ったバンドと違ってカッコ良かったけれど
日本人がそのフィーリングを真似るとお笑い系になってしまいカッコ悪かったんですよね。
サンプル
http://www.youtube.com/watch?v=52cQeFBU2Kw
この曲など、まったくのビートルズ風です。
http://www.youtube.com/watch?v=afam2nIae4o
クチパク・ロケと、当時のキッズの様子が、なぜか微笑ましいです。
コメント感謝です。
「アメイジング・ジャーニィー」は素晴らしいですよねぇ~♪
私も再び鑑賞したくなりました♪
当時の洋楽の邦題は大袈裟なものが少なくないんですが、それもリアルタイムの勢いかと(笑)。
お久しぶりです♪
なんでびっくりしたかというと、今 ザ・フーの「アット・ロンドン・コロシアム 1969」
のライブを観ていて、なぜかふと サイケおやじ様のブログを思い出し、久々にのぞいてみたら今日のブログがザ・フーだなんてU+203C
これって虫の知らせでしょうか!(≧∇≦)
Let's See Action…そういえばフーの中ではなんとな~く聞き流しているような感じの曲でした。
ワイルド アクションて…またすごい題名でよね~♪
ザ・フー自体がワイルドで男臭くてかっこいいんですけど*\(^o^)/*