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サイケおやじの生活と音楽

カッコ悪いがカッコ良いぜっ、渡哲也

2013-11-04 14:54:00 | 歌謡曲

純愛のブルース c/w 真赤なドラム / 渡哲也 (クラウン)

祝・渡哲也旭日小綬章!

本当におめでとうございます。

もちろん長年の芸能生活、映画やテレビドラマでの活躍もさることながら、じっくり構えた温厚な人柄も大いに評価されるところでしょうが、サイケおやじはもうひとつ、渡哲也の朴訥な歌の世界も好きなんですねぇ~♪

それらは出演映画の中で流れるばかりか、きっちりレコード化され、ご存じ昭和41(1966)年の「東京ながれ者」や昭和48(1973)年のメガヒット「くちなしの花」あたりは説明不要、他にもシブイ作品がどっさりあるんですから、流石銀幕全盛期からのスタアは存在感が違います。

本日掲載したのは、おそらく渡哲也の公式歌手デビュー作と思われるシングル盤で、当然ながら本人主演の日活映画「真紅な海が呼んでる」の主題歌扱いとして、昭和40(1960)年に発売されたものです。

ちなみに件の映画タイトルは、このジャケ写では「~呼んでる」となっていますが、映画関連の資料では「~呼んでるぜ」にされていて、実はサイケおやじは全く問題の作品を観たことがないので、どちらが本当なのか、判断することは出来ません。

しかしこのレコードの関しては、如何にも当時の映画主題歌であり、同時に流行歌謡曲としての体面が濃厚に仕込まれた点において、後追いでも素直に楽しめるはずです。

なによりも、ジャケ写に登場している渡哲也のカッコ良さは別格!

そして肝心のA面曲「純愛のブルース」が作詞:星野哲郎、作曲:叶弦大によるベタベタのムード歌謡でありながら、サウンド面には絶妙のラテン風味やジャズブルース指向の雰囲気の良さ隠し様もなく、渡哲也が十八番の棒読みな節回しにはジャストミートでしょう。

否、と言うよりも、これが期待されながら、未だスタアになりきれていなかった渡哲也の資質の素晴らしさであり、皆様ご存じのとおり、昭和42(1967)年の大傑作「紅の流れ星」で素晴らしい名演を披露する礎は失礼ながら、こういう独得の野暮天フィーリングにあるんじゃ~ないかと思います。

極言すれば、渡哲也というスタアには、粋でスマートな印象よりも、ハードボイルドを地道に歩む姿勢が似合うはずで、そうしたクールで熱い佇まいは、テレビにおける大ヒット作「大都会」や「西部警察」等々の諸シリーズ作で見事に焼きつけられているのですからっ!

その意味でB面収録の「真赤なドラム」がジャズロック風のエレキ歌謡になっているのは最高のカップリングで、そこでの定番リックである「テケテケ」にノリきれていない渡哲也のボーカルスタイルは、掛け値なしで唯一無二ですよ♪♪~♪

だって、もしもこれを橋幸夫が歌っていたら、当たり前過ぎて、ちっとも面白くなかったという推察は容易でしょう。

うむ、A面と同じく星野哲郎&叶弦大の作風もさることながら、重松岩雄のアレンジが極めて秀逸と感じ入ります。

ということで、もちろんサイケおやじは渡哲也には一面識無く、あくまでも映画のスクリーンやテレビ画面だけでの印象しかありませんが、それでも映画館でリアルタイムに鑑賞した初めての本格ヤクザ映画は、渡哲也主演の「大幹部ケリをつけろ(昭和45年・小沢啓一監督)」でした。

そして以降、後追いやリアルタイムで観まくった渡哲也の出演作では、なんと言っても「無頼」シリーズ、さらには日活ニューアクションと今日呼ばれる一連のプログラムピクチャー群にシビれていたのは、言うまでもありません。

当然ながら、そういう任侠~ヤクザ映画には偉大なスタアが大勢登場し、良くも悪くも男の生き様を徹底して我々に教えてくれましたが、個人的には渡哲也の朴訥にして実直、時には本音で見せる存在感に強く共鳴します。

あぁ、渡哲也のような男になりたいっ!

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