昨日に引き続き、弥生の寒波が来襲して大雪になっています。
あぁ、完全なる異常気象!
ということで、本日は――
■Roots And Herbs / Art Blakey & The Jazz Messengers (Blue Note)
アート・ブレイキー、もしくはジャズメッセンジャーズはハードバップ&ファンキーの代表選手とされていますが、やはりジャズの歴史をリアルタイムで刻んできたバンドだけに、時には進みすぎていた演奏も残しています。
特に1960年代前半の音源は、モード手法を大胆に導入していた時期だけに、今日でも古びていない演奏が沢山あります。しかしそれは聴いて楽しいか? と問われて絶句するものが確かにあって、久しくオクラ入りとなるセッションから作られたアルバムがこれです。
その原因は、おそらくウェイン・ショーターという、当時は駆け出しながら、ジャズ界では突出した異能が現場を仕切るように許されたからだと言われていますが、このアルバムは全曲がウェイン・ショーターのオリジナル曲ということで、そのあたりの検証も可能かと思います。
録音は1961年2月と5月、メンバーはリー・モーガン(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ウォルター・デイビス(p)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)、アート・ブレイキー(ds) という黄金期の面々ですが、ピアニストが2人、曲によって交代しているのが面白いところです――
A-1 Ping Pong (1961年2月18日)
モード期のジャズメッセンジャーズを代表する名曲・名演で、実際にライブの演目として頻繁に取上げられています。タイトルどおり「ピンポン、ピンポン」というベースパターンが入るリズミックな曲調が楽しいですねぇ~♪ アート・ブレイキーのリムショットとナイアガラ瀑布も冴えていますから、アドリブパートも大変に充実しています。
まず、ウェイン・ショーターが作者としてのお手本というか、心底、カッコイイ、ミステリアスで力強いモード節を披露すれば、リー・モーガンはそこにハードバップど真ん中の彩りを添えていきます。
そしてボビー・ティモンズまでもが起承転結が些か不明という、モード地獄で苦しみますから、全体の勢いは強烈至極です。
つまり凄いんだけど、分からない部分が強いのでした。
最後のテーマ部分ではリー・モーガンがヤケになったかのような吹奏で憂さ晴らし! するとウェイン・ショーターが同調していくあたりが最高です。
A-2 Roots And Herbs (1961年2月18日)
ここではビアノがウォルター・デイビスの交代して、ハードバッブの剛速球が演じられます。ただし全体がモード手法に毒されているので、ウェイン・ショーターのアドリブからは奇々怪々なフレーズが連発されますから、ファンには痛快の極みでしょう♪
当然、リー・モーガンも負けじと大ハッスル! あまり中身があるアドリブとは思えませんが、ラッパの鳴りは最高です。
そして気になるウォルター・デイビスは正統派ブルース&ファンキーのフレーズで大奮闘! 全く好感が持てます。アート・ブレイキーも、ここでは安心したかのようですね。
A-3 The Back Sliders (1961年5月27日)
ウェイン・ショーター流儀のファンキー曲というか、力強いハードパップでありながら、アドリブパートでは妖気漂う雰囲気になるあたりが、アブナイところです。
なにしろアート・ブレイキー以下のリズム隊がゴスペル感覚なのに、ウェイン・ショーターがモード地獄の中で妙な音ばかり選んでアドリブしていくのですから、強烈なミスマッチ感覚がたまりません。
しかしリー・モーガンは親分の意図を尊重してか、きわめて真っ当なファンキー節を主体にしています。ただし少しずつ新しい世界に接近していくところが♪
ちなみに、ここでのピアニストは再びボビー・ティモンズに交代していますから、お待ちかねのゴスペル大会が嬉しいかぎり♪ アート・ブレイキーの爆裂バックビートが興奮を煽ります。
B-1 United (1961年2月18日)
これもリズミックなリフを主体に組み立てられたモード曲で、アート・ブレイキーのリムショットが楽しさの源になっています。
それはラテン風味があって、ワルツビートも兼ねているという凝ったものですが、こんな難しい曲を楽々とアドリブしていくウェイン・ショーターは、作者というだけの才能に止まらないと思います。
またリー・モーガンも好演ながら、再び参加のウォルター・デイビスのピアノが軽くて良い感じです。
それとアート・ブレイキーが異様に素晴らしく、リムショット主体のオカズの入れ方とかドラムソロでの変化技、十八番のフレーズさえも新しい感覚で行こうという意気込みに溢れた名演だと思います。
B-2 Look At The Birdie (1961年2月18日)
アップテンポで作られたショーター節のテーマが、まず快感です。
そしてここでもアート・ブレイキーが新しい感覚の伴奏を随所で披露して、若いメンバー達を鼓舞するんですから、全員のアドリブパートが冴えわたりです。
まずウェイン・ショーターはテーマメロディの変形フレーズを繰り返しながら、シーツ・オブ・サウンドの亜流のような不思議系に撤していますし、リー・モーガンが独特のタメとツッコミでハードバップの真髄を追求! どうにもとまらない山本リンダ現象です♪
またボビー・ティモンズが小気味良いピアノタッチで迫ってきますから、モードの嫌味なところが消されているのですねぇ~。ラストテーマもカッコイイです。
B-3 Master Mind (1961年2月18日)
これがまた、シンプルにカッコイイというモード曲です。
ジャズメッセンジャーズ版のマイルストーンズという感覚でしょうか、アドリブ先発のリー・モーガンが激烈トランペットで勝負すれば、ウェイン・ショーターは摩訶不思議なフレーズばっかり吹きまくり!
あぁ、こんなんライブで聴かされたら、観客は戸惑いの嵐に投げ込まれる感じでしょう。ボビー・ティモンズでさえもファンキー節を捨て、ひたすらにモード地獄を彷徨っていきますからねぇ……。
ということで、ウェイン・ショーターのファンならば納得の名曲揃いだと思いますが、ファンキー&ハードバップを期待していると、間違いなくハズレます。
ただしアドリブの密度は以上に高く、濃い演奏ばっかりなんですねぇ。はっきり言って、疲れます。
またアート・ブレイキーの張り切りと頑張りが強烈な印象で、全くのド迫力!
それゆえにリアルタイムでの発売は見送られたのが理解出来ます。なんと発売されたのは、1970年頃でした。
現在はボーナストラック付きのCDとして復刻されていますが、おそらくジャズメッセンジャースの諸作中では人気が無いベストテンに入る可能性を秘めていますので、ご注意願います。
暖かくされて、お元気でお仕事を乗り切って、バンド活動と春の雪を楽しまれて下さい。(^^)v
先日やっとサイケおやじ様が書かれてらしたJ.コルトレーンを買いました。「レフト・アローン」…昔から聞き慣れたメロディでしたが、初めてタイトル知りました。歌っていたのはマイルス・ディヴィスって書いてあるんですが…この人ってピアノ弾く人じゃなくて歌手?ですか?ピアノも弾くの?でしょうか?うぅぅっ…どっちでも良いのかも知れませんが、きっ、気になる…泣っ!でも、私の耳に残っているのはこの人の声。気になって…すみません。m(__)m
そういえば映画「耳に残るは君の歌」で流れていたのは「暗い日曜日」でしたね。なんか逆再生するとどうにかなっちゃうとかいう謂われのある歌でしたっけ?乱歩の「怪談入門」にも出てましたね。サウンドフィリアなサイケおやじ様なら、もっと色んな事をご存じかも…ですね。
アドリブを楽しむまでは…なかなかソコまではいってなくて。でもサイケおやじ様の解説を参考に楽しみたい一枚だなぁと思いました。でもサイケおやじ様の取り上げるのは名盤らしくて…でも探すのも楽しいこの頃です。o(^-^)o
ではでは。
桑田佳祐の事ですね。
バンド名はThe Amazing Art of Angels。アクトアゲインストエイズ(AAA)のイベントの為だけに組まれたバンドです。
メンバーで私が知っているのは、ドラムの村上”ポンタ”秀一とピアノの島健くらいです。(^o^;
全27曲を桑田佳祐が一人で語り付きで歌いきるライブDVDです。オムニバスなので、私には丁度良いアルバムだったです。邪道だけど。(^^)vあのスターダストも入ってます。収録作品は…
As Time Goes By
It's Only A Paper Moon
Blue Moon
My Funny Valentine
Round Midnight
Mack The Knife
Lullaby Of Birdland
Misty
Cheek To Cheek
You'd Be So Nice To Come Home To
Smoke Gets In Your Eyes
Star Dust
Night And Day
Lover,Come Back To Me!
Satin Doll
Puttin' On The Ritz
Hello, Dolly!
Play A Simple Melody
L-O-V-E
I Could Have Danced All Night
Dream
Pretend
Santa Claus Is Comin' To Town
White Christmas
Take The‘A’Train
Unforgettable
ってカンジで、全部聴いた事あるよっていう、初心者には嬉しい一枚でした。俳優のオグちゃん事、小倉久寛さんのサックスも見物でした。(^^)v
今日はアントニオ・カルロス・ジョビンのWAVE探しに行きます。o(^-^)o
ではでは。
コメントありがとうございます。
ところで、コルトレーンは、何のアルバムを買ったんでしょうか?
レフトアローンとかマイルスの歌とか、ちょっと私には???なんですよ……。
ところで、桑田の夷撫悶汰なんですが、当時は評論家の先生やコアなジャズファンからボロクソだったんですよ。まあ、妬みに近いと思います。
楽しければ、それで良いのがジャズなんですよ♪
それとジョビンのウェイブは、ぜひとも聴いてみて下さいませ。
またのコメントを楽しみにしております♪
ありませんでしたぁ~(;○;)やっぱ名盤なのですね。でも、通り向かいの高島屋タイムズスクエアにも入ってるので、って思いながら階段降りてたら…コケました。片足むこう脛サックリ切れました。帰ってきましたぁ~(T◆T)
コルトレーンのCDのタイトルはですねぇ…「魅惑のジャズを貴方に―コルトレーン」って書いてあります。なんか…コレって…もしかして…バッタモノ?…(T◆T)夷撫悶汰もハズレだったみたいですね…(T_T)
もうWAVEの事以外は考えない事にします。凹みます…
明日ユナイテッドシネマとしまえんで「ハッピーフィート」が先行上映されるので、それ観て元気出してまた、探しに行きます。子供多いだろうなぁ…(;_;)
ではでは。
まずは、足の傷をしっかり治しまょうね。
ジャズは聴く、映画は観るが基本です。個人の体験と感性の積み重ねというか、自分が気に入っていれば、それでOKの世界だと思うんですよ。
夷撫悶汰だって、山下達郎が嫉妬したような発言しているほどに、素敵な世界なんですよ。
なんか山下達郎は先をこされて、企画を捨てたような感じでした……。
それはそれとして、ジャズをオムニバス盤で聴くのも良いと思います。
私の頃は、そういうアルバムはあんまり出ていなくて、ジャズ喫茶で雑多に聴いた中から、好きな演奏を見つけていたんですよ。
とにかく、聴く、です。
映画では、劇場版「鉄人28号」を、私は楽しみにしています。