OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ザ・フーの、これがベストのベスト盤

2010-10-02 16:37:53 | The Who

Meaty, Beaty, Big & Bouncy / The Who (Track)

2人っきりになっても活動を継続中のザ・フーは、今や最もベスト盤を多種多様に発売したバンドじゃなかろうか……?

と、サイケおやじはザ・フーが少年時代から大好きだった所為もあって、複雑な心境を隠せません。そして結局は、そういうブツが出る度に、僅かな新曲やミックス&エディット違い、あるいは別テイクなんかのエサに釣られて買ってしまうんですから、情けないと言われれば、全くそのとおりです。

しかし1970年代には契約の問題から、ザ・フーの特に初期の音源は入手が難しい事もあり、けっこう重宝したファンも多いんじゃないでしょうか。

例えば本日ご紹介のアルバムは1972年頃に出たベスト盤なんですが、明らかに意図的としか思えない別バージョンが押し込まれていたりして、侮れません。

 A-1 I Can't Explain
 A-2 The Kids Are Alright (US Short Version) ▲
 A-3 Happy Jack
 A-4 I Can't See For Miles / 恋のマジック・アイ
 A-5 Pictures Of Lily / リリーのおもかげ

 A-6 My Generation
 A-7 The Seeker
 B-1 Anyway, Anyhow, Anywhere

 B-2 Pinball Wizard / ピンボールの魔術師
 B-3 A Legal Matter

 B-4 Boris The Spider / ボリスのくも野郎
 B-5 Magic Bus (alternate take) ▲
 B-6 Substitute / 恋のヒンチ・ヒッター
 B-7 I'm A Boy (alternate take)

  ●モノラルミックス
  ▲疑似ステレオバージョン  

上記した収録演目は、まさに1970年までのザ・フーを代表する名曲名演ばかりで、それはシングルA面扱いでヒットした13曲に加え、特にアルバム収録ながら、やはりザ・フーには欠かせない「ボリスのくも野郎」を入れたという優れもの♪♪~♪

ただしアルバム全体がステレオ仕様ということで、この時点でモノラルミックスしか存在しない曲に関しては、当然ながら疑似ステレオバージョンが中途半端に用いられているのは賛否両論でした。

それらについては▲印を付けておきましたが、「I Can't Explain」や「My Generation」等々が、きっちりとモノラルミックスで収められているのですから、一般的には納得出来ないと思います。

しかし天の邪鬼なサイケおやじは、そういう疑似ステレオ効果で発生するエコーの雰囲気が、如何にも当時のロックらしい味わいとして嫌いではありません。

まあ、それはそれとして、このアルバムの大きなウリは「Magic Bus」と「I'm A Boy」の初出バージョンでしょう。

まず「Magic Bus」は1968年10月に発売されたシングル曲なんですが、ここに収録されたのはエンディングがフェードアウトしていませんし、ボーカルも異なっています。そしてこの終盤のパートが、なかなか心地良いんですねぇ~♪

一方、「I'm A Boy」は1966年夏に発売されたシングルバージョンとは完全に異なる別テイク! 全体にちょいとスローなテンポで演じられており、中間部のホルン(?)が妙な気分にさせてくれるという味わいは???でしょうか。ちなみにブートではイントロがカットされたバージョンやリアルステレオミックスも出回っています。

ということで、サイケおやじにとっては、完全に件の2曲を目当てにゲットしたアルバムなんですが、これが今となってはザ・フーの最高のベスト盤じゃなかろうか? と思うばかりです。

もちろん、ここには「Summertime Blues」も「無法の世界 / Won't Get Fooled Again」も、また「The Real Me」も「Love Reign O'er Me」も、そして当然「Long Live Rock」さえも入っていませんが、しかしザ・フーがロック全盛期を伸し上がっていった軌跡の中で、それはポップでワイルドな個性が抜群だった1960年代の活躍を濃縮して楽しめるアルバムに仕上がっています。

またジャケットデザインが実に秀逸で、ロジャー・ダルトリー(vo)、ピート・タウンゼンド(g)、ジョン・エントウィッスル(b)、キース・ムー(ds) という最強4人組の子供時代と思しき少年モデルを使ったあたりは、上手いですねぇ。そして、よくもまあ、これだけ雰囲気が似ているメンバーを集めたもんだと思いますが、おそらくはザ・フーの4人は、典型的なイギリス人の顔立ちなのかもしれませし、各人が揃って鼻が大きいという個性は、そのまんまバンドのイメージに直結していましたですね。

その意味で、裏ジャケットは現物を見てのお楽しみになっています。

いゃ~、やっぱりザ・フーは良いですねぇ~♪

と、秋の日にシミジミ思うサイケおやじでした。

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2 コメント

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ザ・フーとストーンズ (サイケおやじ)
2010-10-10 16:10:06
☆hakataya様
コメント、ありがとうございます。

ザ・フーが我が国で人気が出たのは、ウッドストックでの熱演が知れてからでしょう。特に映画の影響が大きかったのです。
ただし、それ以前にも、「トミー」は評判になっていましたし、「リーズ」のライブ盤からカットされた「Summertime Blues」の大ヒットも追い撃ちになりましたですね。

キースのアクションについては、初期の映像からして、腕の振りがピートよりも小さいです(笑)。しかしカッコ良さは最高でしたから、如何にも拡大解釈が好きなピートらしいパクリ(?)だと思いますねぇ~♪

FENに関しては、私も高校時代から英語の勉強を兼ねて聴いていましたが、ヒットしている曲が日本国内と違うことに驚いた記憶もありました。
ちなみに放送で一番最初に理解出来たのが、天気予報でしたね(笑)。

博多の音楽状況は本当に今でも興味深い事が多く、タイムマシンがあったなら、サンハウスの全盛時代に接したいと願っています。
それと鮎川誠には、ストーンズに入って欲しいと密かに願っているのですが、そうするとロン・ウッドはベースにコンバート!? それがサイケおやじ的ストーンズの今日的な姿ですよ。

これからも、よろしくお願い致します。
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who's who (hakataya)
2010-10-09 17:49:28
The Whoは気が緩んでると、もしかしたら、一番好きなバンドと答えてしまうかもしれませんね(笑い。

私は当時小学生だったので後で地元バンドのSun HouseやThe Mods,陣内孝則率いるThe Rokers等がアマチュア時代コピーでやってたのがきっかけで、

ブリティッシュバンドにのめりこんでしまいましたが、、昭和40年代日本国内ではThe Whoと言うバンドはほとんど話題にならなかったそうですね。   しかしながら、

鮎川誠氏曰く当時博多にはFENと言う米軍の極東放送が1972年まであって、ラジオにかじりついてキンクスやフー、ストーンズを聞きまくってたそうです。

なにぶん小学生だった私には宝の持ち腐れでした。残念!!

最近見たThe WHOのDVDの中でピートが例のウインドミルピッキングについて語ってましたが、

実は最初にやったのはストーンズのキースで、それをステージの袖で見ていたピートが真似し始めたらしいんですよ。

そのうちキースは風車ピッキングをやらなくなり、それをやり続けたピートの十八番みたいになって、

ある時ピートがキースに「君がやった風車ピッキングめちゃカッコイイんでこれからもやっていいかい?」と尋ねたらしいんですが、

キースは目を丸くして
「はぁ?」と言ったらしいんですが、キースらしいですね、自分がやり始めたことすら忘れてるんですからね(笑っちゃいます。

70年代中頃の博多の音楽シーンと言うとチューリップ、甲斐バンド、井上陽水などフォークと言うイメージが強いんですが、

私はブリティッシュロックに影響されたSun House,The Mods、友人の一人が初期参加してたThe Rockersの影響がマックスで、今日に至ってます。

不思議なものでこの頃覚えたThe Kids are alrightの歌詞など今でもそらで歌えますが、

最近、人の名前すら覚えられない程物覚えが低下してます(情けない!

とにかく60年代の英国のロックとは一生腐れ縁が続きそうです!!

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