■ペイパー・ムーン / 大橋純子 (フィリップス)
大橋純子を書こうとすれば、とにかくサイケおやじにはブッ飛ばされた思い出が先にあります。
それは昭和50(1975)年、某所で行われたプロアマ混在の音楽イベントの事、友人がそれに出るというので、仲間と連れだって会場に行ったサイケおやじの前に、大橋純子は忽然(?)と現れたんですが、結論から言うと、小柄な容姿とは正反対のダイナミックでソウルフルな歌いっぷりは圧巻で、この人は、誰っ!?!?
全く当時としては、心底驚愕する他はありませんでした。
実は率直に言わせていただければ、失礼ながら、その時の彼女のバンドは決して上手くはなかったので、アマチュアだと思ったんですが、それにしてもボーカルが凄すぎて、今にして思えば、だからバンドがターヘに思えたのかもしれません。
つまりバランスが悪かったのでしょうねぇ……。
それでもプログラムに掲載されていた「大橋純子」という名前は、しっかりとサイケおやじに記憶され、しかも彼女は既にLPも出していたプロであった事が判明したのですから、さもありなん!
やっていたのは洋楽のカパーばっかりだった印象ですが、もしも彼女が日本語の歌謡曲を出したら、凄いだろうなぁ~~~、と思っていた後の昭和51(1976)年5月に発売されたのが、本日ご紹介のシングル曲「ペイパー・ムーン」だったというわけです。
あぁ~、まずはアップテンポで強烈にソウルフルなリズムを刻むギターとヘヴィに弾むエレキベースによるイントロだけでアッパーな気分にさせられるんですが、16ビートで煽りまくるドラムスも凄いの一言!
そしてナチュラルに歌い始める大橋純子のボーカルの強靭な瞬発力は、しなやかにして仄かなお色気が滲み、また、当然ながら要所で聴かせるホットなシャウトのブラックフィーリングはスーパーバッド!!
まさに緩急自在なんですが、既に皆様ご推察のとおり、筒美京平の作曲は当時相当に突っ込んでいたフィリー&マイアミソウル系のメロディを用いながら、完全に洋楽モロパクリを脱した、これも見事な昭和歌謡曲でしょう♪♪~♪
もちろん過言ではなく、これを歌いこなせるのは大橋純子だけっ!
まさに歌い込んだら命がけの世界なんですねぇ~~♪
ちなみに程好く下世話な歌詞は松本隆が流石の世界、そしてパックの演奏は松木恒秀(g)、深町純(key,arr)、岡沢章(b)、村上秀一(ds) という名人揃いなのも、納得する他はありません。
う~ん、このカラオケも永久保存は決定ですよっ!
そして以降、「キャッシーの噂」「シンプル・ラブ」「たそがれマイ・ラブ」「サファリ・ナイト」「シルエット・ロマンス」等々の大ヒットを歌いまくり、同時期に確立され始めた「ニューミュージック」と称される、新しい昭和歌謡曲を定着させた功績は忘れられるものではありません。
また、このジャンルの洋楽歌謡としては前野曜子、しばたはつみ、そして朱里エイコ等々の先駆者の活躍が実に大きいわけですが、大橋純子も負けず劣らず、むしろ芸能界どっぷりのイメージが薄かった分だけ、サイケおやじよりも若い世代の皆様には受け入れられ易かった側面もあると思われます。
ただし、当時の所属はヤマハ~北島三郎音楽事務所という現実もありますんで、やはりこれは彼女本来の持ち味のひとつという事なのでしょう。
ということで、まずは大橋純子と「ペイパー・ムーン」の衝撃的(?)な素晴らしさについて、本日は書きたかったのです。
こういう曲と歌手に巡り合えるのですから、音楽趣味は本当に人生を豊かにするものと再認識する次第です。
http://www.youtube.com/watch?v=g5PZ6kedSl0&feature=related
コレなんかも好きですなあ…
http://www.youtube.com/watch?v=g5PZ6kedSl0&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Vsad4W1Wh8g
コピペが上手くいきませんでした。。。
コメント&ご紹介ありがとうございます。
もしかしたら筒美京平は、歌謡曲を書いているという意識じゃ~なかったのかもしれませんねぇ~。
完全に洋楽に入っている気がしています。