あ~ぁ、明日から、また仕事かぁ……。
連休もあまり休めないみたいだし、思えば連休なんて何年もしっかり休んでいないなぁ……。
私の疲れがHPやプログにも感染しているようで、アップ出来ないこともあり……。
ということで、金曜日にアップしょうとしていたのが、この作品です――
■Introducing Kenny Burrell (Blue Note)
黒人ジャズ・ギタリストのケニー・バレルは、けっしてバカテクの人ではありませんが、如何にも都会的なジャズというムードの作り方は、天下一品だと思います。
このアルバムはブルーノート・レーベルと契約して最初の1枚ですが、あえて管楽器を入れない編成が大正解! 洗練された黒っぽさが堪能出来ます。
録音は1956年5月29日、メンバーはケニー・バレル(g)、トミー・フラナガン(p)、ポール・チェンバース(b)、ケニー・クラーク(ds)、そしてキャンディド(per) という編成で、実はキャンデイド以外はデトロイト及びその近郊の出身者で固めていたという、なかなか美しき友情物語が楽しめます――
A-1 This Time The Dream's On Me
あまり知られていなかったスタンダード曲でしたが、晩年のチャーリー・パーカーが十八番としてからはモダンジャズの定番になりました。
ここでの演奏は快適なテンポでケニー・バレルとトミー・フラナガンが気持ちの良いアドリブソロを展開していますが、その要はキャンディドのコンガとケニー・クラークの弾き出すチャカポコ・リズムです。そしてクライマックスでは2人の共同作業によるリズムの競演まで用意されているという、楽しい演奏に仕立てています。
肝心のケニー・バレルの演奏では、時折チラリと挟み込むチョーキングが効いています。
A-2 Fugun 'N Blues
ポール・チェンバースがリードするテーマ設定に、トミー・フラナガンとケニー・バレルがタイトルどおりのフーガ調でブルースを乗せていきますが、ここだけで満足するという密度の濃さがあります。
そしてアドリブパートではケニー・バレル絶好調のフレーズが連発され、ブルースそのものがお洒落に彩られていくのですが、トミー・フラナガンも負けていません。曲展開中には様々な仕掛けがあるのですが、それを物ともしない唯我独尊でソフトなブルース感覚を披露するのですから、当時の常識的感覚で聴くと、これはとても黒人の演奏とは思えません。都会的な洗練の極みとしてのブルースが、ここに記録されています。同じラインの演奏を得意とするMJQも、全く顔色無し♪
A-3 Takeela
高速チャカポコ・リズムで展開されるケニー・バレルのオリジナルは楽しさ満点です。なにしろトミー・フラナガンは絶好調で浮かれたフレーズを弾きちらしますし、続くケニー・バレルは指の縺れもナンのソノ! キャンディドのコンガに煽られて、ひたすらに突進しています。
そして終盤には、お約束のコンガ対ギターという対決がっ!
A-4 Weaver Of Dreams
スタンダードの隠れ名曲が、適度なビートを伴いながら、じっくりと演奏されます。ここではケニー・バレルのコードワークはトミー・フラナガンのそれと衝突することなく、深みを湛えて美しく、もちろんトミー・フラナガンのアドリブソロは繊細美の極致♪ 素晴らしい歌心を聴かせてくれます♪
そしてケニー・バレル! やっぱり素敵です♪ 難しいフレーズを弾かなくともセンスが良ければ許されるという世界を、ぜひ、ご堪能下さい。
B-1 Delilah
いきなりキャンディドのコンガが炸裂して心の準備が出来、ポール・チェンバースが絶妙なイントロを弾き出して、いよいよエキゾチックで黒いムードのテーマが、ハードバップに演奏されていきます。
もちろんバックではキャンディドのコンガが最高のアクセント♪ ですからケニー・バレルも心置きなく洗練された黒っぽさを聴かせてくれます。それは難しいフレーズではありませんが、実はコピーすると雰囲気の出し方に苦労するという、全くセンスが要求されるスタイルなのでした。
B-2 Rhythmorama
愕くなかれ、主役のケニー・バレルが全く登場しないというトラックで、キャンディドとケニー・クラークの打楽器デュオになっています!
ですから最初聴いた時、製作サイドは何を考えているんだか、全く分かりませんでした。しかしこのセッション当時のニューヨークではラテン物がブームでしたし、ブルーノート・レーベルでは、その中の原初的味を含んだ打楽器演奏が、かなり残されています。それはおそらく、当時、急激に広がりつつあった黒人音楽の様々な形態のひとつとしてのジャズの捉え方であったのかもしれません。
と、まあ、いろんな理屈をつけながら聴く他は無いトラックですね……。
B-3 Blues For Skeeter
そして悪い冗談のような前曲が終了して直後から、これ以上無い雰囲気でブルースが真っ黒に演奏されます。あぁ、この瞬間的快感を狙ったんでしょうか、前曲は!? そうだとしたら、本当に上手いです!
う~ん、それにしても、このネバリのビート、醸し出されるジャジーな空気、ブル~~~スな雰囲気は最高です。全く、こちらが期待しているとおりの演奏で、ケニー・バレルも十八番のフレーズを次々に披露してくれるのでした。
ということで、ケニー・バレルと言えば、このアルバムの次にブルーノート・レーベルから出された「Vol.2」の方が人気&傑作盤ということになっていますが、こちらも当然、捨てがたい……。否、むしろ個人的にはこっちが好みですねぇ。
この人はハードバップ真っ最中に脚光を浴びたので、ホーン入りのセッションも数多く残していますが、その魅力の本質はこういう小編成の演奏に、より強く現れていると思います。それは小粋な黒っぽさということで、グリグリ、グイグイ突進する迫力型のギタリストではありませんが、そのブルース感覚は超一流だと思います。
テクニック至上主義の方には、虚心坦懐に聴いて下さいますよう、お願い申し上げます。
これってハンク・モブレーが参加したやつですよね♪
大昔に日本のキングレコードが発掘・発売したセッションでした。
もちろん、迷わずに、そこだけ目当てで件のCDはゲットしてありますよ♪
ところでマイルスのジャック・ジョンソン聴きました。いい歳こいたオヤジがいうのもなんですがカッコ良すぎます。主演がジョン・マクラフリン、優秀助演賞がビリー・コブハムですね。久し振りにロック・ビートでスカットしました。
「ジャックジョンソン」こそ、我が青春のジャズロックという象徴だと!