■私は好奇心の強い女 / 水沢夕子 (日本ビクター)
芸能界一般においてコアなファンの存在は確固たるジャンルになっていると思いますが、とりわけ我国では「廃盤アワー」とか「お色気歌謡」等々、昭和50年代後半からの執拗なブーム称揚によって、それは深化するばかり……。
例えば本日ご紹介の水沢夕子は、ちょいと儚げな面立ちとキュートなルックスのアンバランス感が絶妙ですし、数枚出したシングル盤も、それなりに楽曲に恵まれていたんですが、昭和40年代後半から昭和50年代初め頃のリアルタイムでの活動期間中にはブレイクすることなく、残念ながらフェードアウトしています。
ところが近年、前述したようなマニアック症候群の頻発により、その世界では注目度も高くなったんですから、時の流れは偉大です。
中でも掲載したシングル盤A面曲「私は好奇心の強い女」は、昭和48(1973)年6月に発売されたファンキーロックな歌謡曲の隠れ名演として、密かに好事家を喜ばせていたものです。
尤も、ここでサイケおやじは「ファンキーロック」と書いてしまいましたが、そのあたりは実際に曖昧で、ワウワウなリズムギターに呼応するパーカッション、ビシバシのドラムスに蠢くエレキベースというリズム隊に炸裂するホーンセクションが最高に熱いという演奏パートの特徴は、これが当時は最新流行のスタイルでした。
それはブラスロックでもあり、またニューソウルでもありますから、葵まさひこの作編曲が十八番の展開で冴えわたり、とくれば、片桐和子が書いた、なかなか「あばずれ」な歌詞を熱唱する水沢夕子のボーカルもクールにノッています。
いえ いえ あなたはいい人よ
私と暮らすと ダメになる
いゃ~~ぁ、愛した男に好き放題に抱かれ、自分の都合で去っていく女の狡い言い訳が、こんなふうにサビで歌われてしまわれては、たまりませんねぇ~♪
ハスッパなスベ公の純情をしぶとく滲ませた、これぞっ! 歌謡曲保守本流の曲メロも最高だと思います。
ちなみに同時期に発売されていた梶芽衣子の「はぐれ節」は昨日ご紹介致しましたが、似たようなファンキー&フュージョンのビートを用いながら、あまりに隔たった両曲の完成イメージは、この「私は好奇心の強い女」が如何に泥臭い部分を狙ったかにあるような気が致します。
つまり昭和歌謡曲に特有の「下世話さ」が、新しい洋楽ビートで彩られる時、そこには「好きな人には好きとしか言えない」世界が現出し、まさに筆舌に尽くし難い快楽が提供されるのです。
平たく言えば、歌謡曲って、こんなにE~~♪ もんだったのかっ!?!
そこに集約されるんじゃないでしょうか。
既に述べたように、リアルタイムでは売れなかった水沢夕子は何故か、名前だけは今も記憶されている事が多く、当時はかなりマスメディアでの露出も多かったのかもしれません。
実はサイケおやじが彼女を知っている一番の事例が、杉本美樹と池玲子が共演したスケバン人気映画「恐怖女子高・暴行リンチ教室(昭和48年3月・東映・鈴木則文監督)」への出演で、劇中では「美人局のノブエ」として登場し、一緒に悪辣な学校側と対決する姿勢を見せてくれますよ。
特に学校の屋上で杉本美樹の仲間になる場面では、彼女のアップも拝めますし、現在はDVD化されていますので、ご覧くださいませ。
ということで、当時は所謂「ズベ公歌謡」もひとつの流行でありました。
例えば大信田礼子は、その中でも特級にヒット曲も多いわけですし、他にも同系の女優さんとして賀川雪絵や杉本美樹、そして池玲子や須藤リカ等々が強い印象を残すレコードを発売しています。
そして一方、歌手でありながら映画出演もしていた太田美鈴や西来路ひろみ等々が、それに合わせたスベ公節を聞かせてくれたのも、また時代の要請だったように思います。
もちろん水沢夕子が出した、この「私は好奇心の強い女」にしても、前述の「恐怖女子高・暴行リンチ教室」への出演と無関係の企画ではないと思われます。
なによりも、他人事のストーリーを語るような彼女の歌いっぷりが素敵ですよ♪♪~♪
今となっては全てが懐かしく、ちょいと気恥かしい感じも否定出来ないわけですが、時には独り、車を運転する時等々、こうした歌を流しては自分が若かった頃の「昭和」を思い出し、せつない気分になっているのでした。
僕は全編を観た事はないのですが、中学生の頃に映画の特集番組(それとも11PM?)で一部が紹介されたのを観て、かなり興奮したことを覚えています。
10~15年ほど前に地元の古書店で映画パンフ(S.46製)を入手しました。
今、そのパンフを手元に置いて、それを観ながら書いています。
映画はスエーデン映画なんですね。とにかくタイトルにインパクトがありました。
ブログ煮関係のないコメントで、本当に申し訳ないです。(ペコリ)
コメントありがとうございます。
当時の深夜番組で紹介される映画って、やたらに刺激性が煽られるんですよね。
きっと凄いに違いない!?
そんなふうに興奮させられた事は私も度々でした。
件の映画、一応は歴史的名作映画ですよね。
しかし、それは欧米の話で、日本じゃ~、ボカシたっぷりの修正版を私は某上映会で観ています。
でも、若かった当時、率直にわからなかった映画を「わかったフリ」する事も必要でした(自嘲)。なんか、そんな恥ずかしい告白をしなければなりません。
今だったら無修正版もネットで可能なんでしょうかねぇ~。
じっくり鑑賞したい作品ではあります。
若きイルカが歌うややセクシーな歌詞にちょっとドキドキしたものです。
これを聴いたら、シュリークスはお笑いバンドだと思われちゃいますね。
かぐや姫も初期はお笑いソングばっかりだったので、そういうグループかと思っていたら「神田川」の大ヒット。
それがきっかけで買ったLPは、とても程度の高いフォーク・グループでした。
サザン・オール・スターズだって「勝手にシンドバッド」からはじまる数曲はお笑いを含んでいました。
こういうふうに並べると、最初はユーモアがあった方が伸びるのでしょうかねぇ?
フォークルの「帰って来たヨッパライ」もそうですね。
加藤和彦の才能には驚きました。
TB送りました、よろしく。
コメントありがとうございます。
コミックソングは伝統的に廃れることはないと思います。
というか、芸人は呆れられる事で存在感を増していくわけですし、時には顰蹙でも、売れてしまえば結果オーライの世界じゃないでしょうか。
所謂トンデモ系の輝きってのは、今も確立されているはずです。
もちろん、その中から飛びぬけた才能だけが、生き残れるわけですし、加藤和彦は流石だったと思います。