■悲恋一号 / 井上望 (ビクター)
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夏が真っ盛りの今だからこそ、本日も「過ぎ去りし夏の思い出」というアイドル歌謡を取り出してみました。
それが井上望が昭和55(1980)年夏にヒットさせた掲載シングル盤A面曲「悲恋一号」でして、儚い夢の恋愛模様を綴った阿久悠の作詞と穏やかで胸キュンのメロディをグッと強い印象に完結させる川口真の作編曲は、歌謡ポップスというよりは、むしろニューミュージックに近い味わいがあるように思います。
特に軽快なウエストコースト風AOR系のリズムに導かれるサビで盛り上げておいた直後のマイナーメロディによる締め括りはニクイばかりですよ♪♪~♪
また、その前段に置かれた歌謡フォーク調のメロディラインも良い感じですし、失礼ながら平均点であろう井上望の歌唱力が、そうした製作スタッフの企図したところをどの程度具象化していたのかは現場の判断であろうとも、サイケおやじは井上望が歌う「悲恋一号」を真夏から初秋にかけての愛聴曲のひとつにしている次第です。
ちなみに井上望はテレビのスカウト番組「スター誕生(日本テレビ)」出身で、確かデビューは昭和54(1979)年、そして「悲恋一号」を歌っていた頃は17歳ぐらいだったと記憶しているんですが、当時のアイドルとしては慣例だった雑誌グラビアでの水着ショット等々で披露するナイスバディは、なかなかサイケおやじの好物でしたねぇ~~♪
告白すれば、実はサイケおやじが井上望をチェックしたのは、そっち方面からでした。
しかし、もちろん本業の歌手としても、大きなヒットは出せなかったんですが、10枚ほど残したシングル盤には秀逸な名曲が多いので、現在でも根強いファンが存在しているにちがいありません。
それと良く知られていることではありますが、井上望はアイドルでありながら、作詞作曲の才能が素晴らしく、自身のレコードよりはアニメやCM関連の歌を多数作っている事を知ったサイケおやじは、その幾つかを聴いて驚いた記憶も鮮明です。
そしてもう一丁、仰天させられたのが、お笑い芸人であり、東京ベンチャーズを率いるギタリストのエド山口と結婚していた事で、それを以前にテレビの「あの人は今」みたいな番組で知ったサイケおやじは、軽い眩暈を感じてしまったですよ。
う~ん、井上望は絶対的に研究と再評価の対象に値する芸能人だと思いますねぇ~~♪
なんだか書いているうちに彼女のCDが欲しくなっているサイケおやじです。
ということで、本日は特段のオチもありませんが、こ~ゆ~アイドル歌謡が量産されていた昭和50年代には殊更執着するマニアも大勢いらっしゃいますから、ぜひとも井上望は現在までの活動を俯瞰したアンソロジーが出されて欲しいと願っているのでした。
夏の暑さは、続く……。