OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

この人だぁ~れ part-36:安田純子

2021-05-11 17:55:55 | 歌謡曲

50 MOONS (フィフティ・ムーン) c/w 涙はパステル / 安田純子 (ビクター)

我が国芸能界のプロモーション戦略のひとつが所謂「タイアップ」商法であり、例えばCMや各種イベント等々と結びつき、両者の利益になる事を目的とする業界事業ではありますが、だからこそのチャンスの大きさと空振りした場合のリスクが比例してしまう覚悟は求められるはずです。

例えば何かのCMに用いられた楽曲のレコード販売が思惑どおりにならなかった場合など、そのスポンサー企業からレコード会社に対して、相当のプレッシャーがあると云われています。

つまり、そこには必ずしもヒットしたとは言い難い歌や演奏が残されている場合が少なくないわけで、中には全く記憶に残っていない、あるいは知らないレコードが中古屋の片隅に眠っており、そんなブツを恣意的に紹介・販売しようとする店さえもあるんですから、どこまでも奥の細道は続くわけでして…… (^^;

本日掲載のシングル盤も、実はそんな経緯からゲットしてしまった1枚で、結果的に拙ブログでは「この人」シリーズの扱いになってしまったというテイタラク…… (^^;

まず、ジャケ写ポートレートに登場しているのがレコード両面を歌っている安田純子だとしたら、その虚ろな眼差しや呆けた様な面立ちは、なんとも現代のメイドカフェなんかで働くキャスト嬢みたいな印象で、これが発売されたのが昭和58(1983)年7月だった事を回顧してみても、当時のアイドル路線の王道からは、ちょっぴり外れ気味だと思うんですが、いかがなものでしょう。

もちろん、サイケおやじは彼女については何も知らず、テレビ等々でも接した記憶が皆無という事情もあるんですが、肝心の収録A面曲「50 MOONS (フィフティ・ムーン)」は、なんとっ!

NASA25周年記念で開催されたらしい「大スペースシャトル展」のイメージソングという大抜擢タイアップ曲で、それは作詞:三浦徳子&作編曲:後藤次利というクレジットも眩しいミディアムスローのニューミュージック系アイドル歌謡ポップスであり、仄かなボサノバテイストやライトタッチのフュージョンっぽさが全篇から滲み出た秀逸な楽曲ではありますか、惜しむらくは安田純子のボーカルにイマイチ、歌い込みが不足気味と申しましょうか、決してターヘではありませんが、これが河合奈保子だったらなぁ~~云々、そんなこんなの気分にさせられてしまうのは偽りの無いサイケおやじの本音です (^^;

一方、収録B面の「涙はパステル」は、これまた某製薬会社のCMタイアップ曲で、制作スタッフもA面と同じなんですが、こちらは聊か平凡で性急なアイドル歌謡という感じで、個人的には全く惹かれるところがありません……。

肝心のCM本篇も見た記憶がありませんし、なんとなく「幻の」なぁ~んていう「冠」が振り当てられるのが現代の実情かもしれませんねぇ……。

ということで、本日は「勿体無い」とか「ハズレ盤」みたいなご紹介になってしまいましたが、安田純子について何も知らないサイケおやじとしては、正直に感想を述べる他はありません。

失礼・無礼は重々承知しておりますし、皆様からのお叱りも覚悟しておりますが、もしかしたら、こ~ゆ~レコードこそが後年、再発見・再評価の対象になる可能性は大きく、それに期待している気持ちも確かにあるのです。

都合の良い言い訳ではありますが、本当に……、そう思っているのでした。

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この人だぁ~れ part-35:街田祐子

2021-05-10 19:46:06 | 歌謡曲

誘惑SUMMER / 街田祐子 (ビクター)

往年のアメリカンポップスやロケンロールのリバイバルブームは、1970年代初頭から既に顕著な流行になっていたとは言え、それが決定的になったのは、1973年のアメリカ映画「アメリカン・グラフティ(ジョージ・ルーカス監督)」の大ヒットによるところだと思いますし、それが翌年末に我が国で公開されるや、忽ちに若者文化に強い影響を及ぼし、ファッションスタイルや音楽に対する趣味性にも広がってしまったのは説明不要の歴史でしょうか。

ですから、国産の大衆音楽にしても、昭和30年代に流行った日本語歌詞による洋楽カバー曲が再発見されたり、昭和40年代前半のGSブームを懐かしんだり、さらにはリアルタイムの洋楽のレコードが再発されていった流れに乗っかる状況から、歌謡曲やニューミュージックの分野に、全く同種の味わいを持った楽曲が多数制作されていった事は、今に繋がる猟盤活動を面白くさせている要因でありましょう。

平たく言えば当時、特に昭和55(1980)年には黒人ボーカルグループのファッションスタイルまでやってのけたシャネルズの大ブレイク!

さらに翌年春に発売された大瀧詠一のアルバム「A LONG VACATION = ロンバケ」のメガヒット&ロングセラーにより、そ~したブームが尚更に爆発したのは忘れられるものではなく、アッという間に同種同系のレコードが製作されていったのですが、もちろん、その全てがヒットしたわけではなく、演じた歌手やグループは有象無象……。

そんなこんなのブツが今日ではマニアックな領域に生息する(?)コレクターズアイテムでもあり、ミステリアスな存在感を誇示している場合さえあるのですから、たまりません (^-^;

本日掲載のシングル盤は、正にサイケおやじにとっての好物件と申しましょうか、発売されたのは昭和56(1981)年7月なんですが、ど~ですかっ!?

このジャケ写のイメージだけでもオールディズ趣味が満点じゃ~ありませんかっ!

しかも収録A面曲「誘惑SUMMER」の制作クレジットが作詞作曲:荒木一郎!!

なんですよねぇ~~~!?!

中古ゲットながら、もう……、それだけで嬉しくなってしまうのはサイケおやじだけでしょうか!?

しかし、正直に述べさせていただきますが、楽曲そのものが普通のアイドル歌謡という感じで、失礼ながら歌詞やメロディに冴えがありませんし、井上鑑のアレンジにしても、ちょっぴり中ほどで「らしさ」が出ているだけで、面白みに欠けているんじゃ~ないでしょうか…… (+_+)

また、肝心の主役たる街田祐子のボーカルが如何にもアイドルっぽく、少~しばかりアニメ声なのも、サイケおやじの趣味性には合致していません…… (+_+)

そして当然ながら、街田祐子も「この人」シリーズというわけです。

ただし、このジャケ写スリーブの雰囲気の良さがあればこそ、全ては素晴らしき懐古趣味に帰結するのでした。

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隠れ里より

2021-05-09 20:22:30 | サイケおやじの日常

今や、サイケおやじの出城となったトランクルームで過ごし、ハッと気がつけば……、こんな時間になっていた……(+_+)

拙ブログに集ってくださる皆様、申し訳ございません <(_ _)>

本日は、これにて失礼させていただきます。

あぁ……、楽しい時間は選るのも早いですねぇ……。

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この人だぁ~れ part-34:松本彩

2021-05-08 20:15:44 | 歌謡曲

TOKYOわがまま娘 c/w Party Night / 松本彩 (キングレコード)

本日も「この人」シリーズではありますが、最初から無様な言い訳を弄させていただければ、掲載したシングル盤はサイケおやじの早トチリ&うっかりミスによって、つまりは間違えてゲットしてしまったレコードでして、それは皆様ご推察のとおり、ここでの主役「松本彩」とセクシーアイドルにして女優、さらに近年は文化人の如き活動もやっている「杉本彩」を取り違えてしまったのが、真相です (^^;

こ~なってしまった背景には、これまでも度々述べて来たとおり、サイケおやじが昭和62(1987)年から平成6(1994)年まで異郷の地へ島流しにされ、ようやく帰参が許された同年、それまでのブランクを埋めようと躍起になって中古屋とか古本屋、そして骨董屋を巡り、空白期に出回っていた様々なブツを漁っていた最中の出会いが、ご紹介する「松本彩」のシングル盤だったというわけなんですが、もちろん所期の目的は「杉本彩」でありました。

なにしろ、「杉本彩」ですからねぇ~~、その日本国内における活躍や人気の程は異郷の地にも伝わって来ていたんですよ (^^♪

そしてサイケおやじとしては、如何にも自分好みの美女がグラビアやイメージビデオの他に歌手としてもレコードやCDを出している情報を得ていたので、殊更「杉本彩」の音楽関連のブツを探索していた中でのミステイクは、ご理解いただけるものと独り言ちて……。

肝心のシングル盤A面収録「TOKYOわがまま娘」に針を落とせば、これがデジタルサウンドにはなっておりますが、基本はラテンフュージョン系の都会派歌謡曲で、作詞:知念オサム&作編曲:小倉博和という制作スタッフの名前にもサイケおやじは馴染みが無かったところに「空白の7年間」を痛感させられたとはいえ、ここでの「松本彩」の歌いっぷりは素晴らしく、しなやかな節回しと溌剌としたボーカルの味わいが闊達な曲調にはジャストミートのホームラン!

あぁ~~、「杉本彩」って、こんな感じで歌っていたのか!?

と、思わず驚嘆してジャケ写を再見してみれば、あれぇ~~、登場している歌手のイメージが全然違っているじゃ~~あ~りませんかぁ~~~!?!

そして、その時になって、初めて歌っているのが「杉本彩」じゃ~なくて、「松本彩」だった事に気が付いたという顛末は、既に皆様がご推察のとおりです (^^;

しかし、これは決して負け惜しみではなく、「松本彩」が歌う「TOKYOわがまま娘」は本当にイイんですよっ!

そこで勢いに乗じてB面収録の「Party Night」に針を落とせば、こちらは作詞作曲:広瀬学、そして編曲:西込加久見から提供された、やはりデジタルサウンドが用いられているものの、全体の雰囲気としては山下達郎っぽさが滲み出たブラコン歌謡と申しましょうか、これまた彼女のボーカルのノリの良さは半端ではありませんよ ♪♪~♪

A面の「TOKYOわがまま娘」も同じなんですが、こっちの「Party Night」においても、微妙な「甘え口調」による節回しとビートの絡ませ方は相当に上手い彼女の歌唱力の証明かと思うばかりです (^^♪

ちなみに、このシングル盤が世に出たのは平成元(1989)年らしく、これは一応アナログ盤ではありますが、当然の様に「サンプル盤」ですし、おそらくは出ているはずのCD現物にも出会った事は無く、また彼女名義の他の音源も探索はしておりますが、やはり発見には至っておりません……。

ということで、間違いとはいえ、「松本彩」という自分好みのボーカリストに出会えたのが所謂「運命のいたずら」だとしたら、この幸せは大切にしなければバチアタリでしょう。

そして皆様にも、この至福を「おすそわけ」したく、この拙文を認めているのでした。

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古都から帰りて

2021-05-07 19:36:14 | Singer Song Writer

古都めぐり / 広谷順子 (ポニーキャニオン)

昨日は京都方面へ急ぎ、赴いたんですが、それというのも、長年行方不明になっていた仕事関係の重要人物の消息が知れ、どうやら京都近郊に住んでいるらしいとの情報が数日前に入り、しつこくメールや電話で連絡していたら、昨日朝に返信のメールがっ!

いゃ~~、久々に嬉しくて、震えましたですねぇ~~、自分でも驚くほどに!?!

詳らかには出来ませんが、件の尋ね人は諸事情から夫や子供と別れ、失踪同然だったという経緯があり、しかし、とても大切な要件に関する権利を持っているので、サイケおやじとしては、ど~しても会っておきたい人物でありましたから、とりあえず昨日は様々な話し合いも結果は上々 (^^♪

以前よりも、穏やかな面立ちの女性らしさが滲み出ていた事にも、安心させられた次第です。

ということで、そんなこんなから本日掲載したのは、広谷順子が昭和54(1979)年に出したシングル盤A面曲「古都めぐり」のご紹介です。

あぁ~~、これがサイケおやじにとっては、ハナからケツまで好みのツボを刺激されちまう大好きな名曲名唱で、制作クレジットは作詞:竜真知子&作曲:広谷順子、そして編曲:松任谷正隆となっていますから、まさにニューミュージックがド真ん中の仕上がりは言うまでもありませんが、幾分歌謡曲テイストが強い歌詞の世界に程好い泣きメロを附した広谷順子は流石の実力ですし、ミディアムアップの曲調を力強く、そして優しさを忘れずにアレンジした松任谷正隆も実に素晴らしい仕事だと思いますねぇ~~♪

また、それを確実に演じているカラオケパートのセッションプレイヤーとレコーディングスタッフの力量も最高ですよ (^^♪

とかにく、ぜひとも皆様には聴いていただきたいのが、広谷順子の「古都めぐり」です。

実は今朝から、このシングル盤をサイケおやじは自宅で何回もリピートしていたもんですから、周囲からは呆れられしまったんですが、広谷順子の歌唱から伝わってくるハートウォームな胸キュン感には、何度聴いてもシビレさせられます (^^♪

う~ん、失踪当時の彼女の心情って、こんなだったのかなぁ……。

等々、余計なお世話に傾いてしまうのも、サイケおやじの偽りの無い気持ちであります。

時勢で当分は無理とは知りつつも、何時か……、おやじバンドの活動が再開出来るのならば、この「古都めぐり」をやってみたい気持ちが固まっているのでした。

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こんな気分は久々だっ!

2021-05-06 19:26:20 | サイケおやじの日常

煮詰まっていた仕事が、珍しくも好転!?!

そこで、この機を逃すまいと関西の某所へ赴きました。

こんな世情だから、あんまり移動はしたくありませんでしたが、行くしかないっ!

そんな気力が久々に沸き上がっての行動は、やはり気分が良いです (^^♪

祝杯は自粛して、達成感に独りで浸っております。

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甘い罠なら捕まりたい

2021-05-05 17:59:31 | 歌謡曲

甘い罠 / ザ・シュークリーム (日本コロムビア)

掲載したのは昭和47(1972)年8月に発売された、ザ・シュークリーム名義としてはラストシングルと思われれる1枚で、ジャケ写イメージ的にも彼女達「らしさ」の薄い、なんとも普通のガールグループのレコードみたいになっているのは肩すかし……。

しかし、作詞:千家和也&作曲:加瀬邦彦、そして編曲:田辺信一が提供のA面曲「甘い罠」は、当時の洋楽最先端でもあったバブルガム系ソフトロックな歌謡ポップスであり、その楽しさは極上なんですねぇ~~♪

カラオケパートの完成度も高く、ドライヴするベースに煽られる様に節回すブレイクのリードのボーカルパートは勉強不足では判別出来ませんが、確かテレビ等々の実演の場ではイッコ、あるいは他のメンバー持ち回りで歌っていた記憶がありますので、なかなかステージ映えする楽曲でありました。

あぁ~~、このアップテンポで楽しい雰囲気って、セクシーなお姉さま達がやってくれてこその嬉しさは格別で、こ~ゆ~味わいって、最近の集団アイドルからは決して発散されない高揚感でありましょう (^^♪

もちろん、なぁ~んていうのは、年寄りの独り善がりなんですけどねぇ~~ (^^;

ということで、自粛要請がありながら、それなりにザワザワした連休も今日で終わり、明日からは平常の生活に戻さなければならないはずが、やっぱりコロナ禍があっては各方面での規制は……。

特に、いよいよ我が国でも本格的に始まったワクチン接種は、予約段階から既にトラブル続出というテイタラクで、先が思いやられますねぇ…… (+_+)

そんなこんなで、だからこその享楽も少しは許容されるのでしょうか……?

為政者どもの煮え切らない態度には、ウンザリさせられるばかりですから、サイケおやじとしては、お気楽に好きな音楽や映画等々に耽溺させていただく所存であります。

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彼女と指切り

2021-05-04 19:59:16 | Singer Song Writer

指切り / 伊藤美奈子  (CBSソニー)

掲載したのは伊藤美奈子の2ndシングルで、発売されたのは昭和59(1984)年3月だったんですが、この時は同じく公式デビュー2作目のアルバム「誘魚灯」も発売され、このシングル盤A面収録の「指切り」も入れられてはいるものの、こっちは堂々のシングルバージョンというのが嬉しいところでしょうか (^^♪

と言うのも、基本的には、ほとんど同じバージョンではありますが、具体的にはアルバムに収録されたトラックは間奏が少し長く、前曲とクロスフェードして始まるので、この「指切り」だけをカセットにダビングする作業が難しいという実情がありましたからねぇ~~、スッキリと曲頭からスタートするシングルバージョンは有難かったのであります (^^;

で、肝心の楽曲「指切り」は作詞:田口俊&作曲:伊藤美奈子、そしてアレンジとプロデュースを松任谷正隆が担当したラテンフュージョン系のAOR歌謡で、伊藤美奈子が、そこはかとない刹那の節回しで歌ってくれるキャッチーな仕上がりは上々だと思うんですが、結果的にヒットしたとは言い難いのは、この頃のシンガーソングライターやニューミュージック系のボーカリストはシングル盤よりはアルバムで勝負していた傾向があり、あくまでもアルバムを売るための手段のひとつがシングルヒットでしたからねぇ、その良し悪しが一概には決められるものではありません。

ただ、個人的には好きな歌であり、伊藤美奈子への偏愛が強くなった1曲でもあります。

また、ここで要注意(?)なのが作詞家として参加している田口俊の存在でしょうか。

皆様ご存知のとおり、田口俊はアイドル歌謡ポップスからニューミュージック、そして演歌や日本のロック系バンドにまで幅広く作品を提供し、制作現場ではプロデュースも担当する才人ではありますが、この伊藤美奈子のアルバム制作当時はローレライと名乗るバンドのメンバーとしてボーカルとギターの座にあったんですが、グループ内では作詞&作曲に加え、既にアレンジも手掛けていたと記憶しています。

ということで、機会があれば伊藤美奈子の諸作品は皆様にもお楽しみいただきたいと思うんですが、一時的にCD化されてた復刻盤は今、ど~なっているのでしょう?

以前も書きましたが、こ~ゆ~埋もれ気味のレコードこそ、何時でも手軽に聴ける様になっていて欲しいものです。

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アニメ映画のエロス歌謡

2021-05-03 19:18:10 | Movie

哀しみのベラドンナ / 橘まゆみ (CineDisc / キャニオン)

アニメ作品はテレビや映画で安定的な業績が期待出来る「打ち出の小槌」ですから、エロスに満ちた劇場用本篇が作られたとて不思議ではないのですが、それが必ずしも成功するとは限らないところに芸術と興行の曖昧なバランスがあるすれば、昭和48(1973)年6月に封切られた「虫プロ」制作による「哀しみのベラドンナ(山本暎一監督)」は、それこそ真っ先に思い出される作品かもしれません。

というか、結果的に、この「哀しみのベラドンナ」は大コケし、その頃既に経営が悪化していた「虫プロ」が倒産する大きな要因となったのですから、尚更と云うしかありません……。

ご存知のとおり、手塚治虫が社長を務めていた「虫プロ」は同系アニメ作品として、「千夜一夜物語」「クレオパトラ」という劇場公開した2本の大人向けアニメ作品をヒットさせていましたので、さらにエロスに傾いた「哀しみのベラドンナ」を製作した意図は納得出来るんですが、前述したとおり、「虫プロ」の経営不振から手塚治虫が社長を退任していた事で基本的に「哀しみのベラドンナ」の制作には関わっておらず、だからでしょうか、殊更「クレオパトラ」で成功していた娯楽性の高いポルノチックな面白さが後退し、むしろ耽美的なエロスが描かれていたのは、ど~にも香りが高いわけで…… (^^;

ちなみに原作はフランスの歴史文学作家らしいジュール・ミシュレの「魔女」という事になっていますが、サイケおやじは全く読んだ事が無かったので、その深い面白さが理解出来なかったのかもしれません (^^;

しかし本篇のクレジットロールを確認すると、声優としては仲代達也、長山藍子、山谷初男、高橋昌也、中山千夏、しめぎしがこ等々、実力派の有名俳優が名を連ねておりますし、動画と静止画をミックスさせた映像手法はサイケデリックの残滓とも思えるところがあり、だからこそ賛否両論が渦巻いてしまった感は否めません。

また、佐藤允彦が担当したサウンドトラックや劇伴音楽が幾分勿体ぶったイメージだった気もしています。

さて、そこで本日掲載したのは、その「哀しみのベラドンナ」の主題歌になっていた同名曲をA面に入れたシングル盤で、これが作詞:阿久悠&作曲:小林亜星から提供された、映画本篇よりもエロいフレンチ演歌ポップスなんですよっ!

歌っている橘まゆみは、このアニメ主題歌のために、わざわざオーディションで選ばれたというスクールメイツ出身の新人という触れ込みなんですが、とにかく初っ端からのセクシーな喘ぎ声による節回しが川口真が十八番の欧州系ポップスアレンジによって増幅され、かなりファジーな制作方針が普通だった当時のテレビ歌番組でも、これは放送不可だったと思いますねぇ~~ (^^;

ですから、ラジオの深夜放送では、それなりに流れていた記憶もあるんですよ (^^♪

ちなみにアニメ本篇では、中山千夏が歌った楽曲もあったはずなんですが、レコード化されているのかなぁ~~~?

ということで、最近はコロナ禍の所為もあり、なかなか惹きつけられるエロ映画なんてものは絶滅状態……。もちろんネット配信やVシネ系作品も同様に停滞しているとあれば、ここは往年の「成人向けアニメ」っていう路線も復活するやもしれませんねぇ~~。

そんな期待を込めて、本日は拙文を綴ってしまったというわけです。

失礼致しました <(_ _)>

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藍毓莉の追跡

2021-05-02 17:38:49 | 歌謡曲

私は蝶々 / 藍毓莉 (日本コロムビア)

台湾から我が国へ出稼ぎにやって来て活躍した歌手の中でも、欧陽菲菲の大ブレイクは地元でも相当なインパクトがあったのでしょうか、忽ち彼女のフォロワーが来日してのレコードデビューは当然の流れであり、昭和49(1974)年春に本日掲載のシングル盤を出した藍毓莉(ラン・イーリー)は、その中でも「丸っきり」の存在でありました。

なにしろ、これは皆様に聴いていただければ納得されるはずなんですが、作詞:阿久悠&作曲:井上忠夫が提供したA面収録「私は蝶々」は、欧陽菲菲が昭和47(1972)年に大ヒットさせた「恋の追跡」を強烈に意識したプラロック歌謡であり、川口真のアレンジもニューソウルなワウワウギターとかツッコミ鋭いブラスのリフを恣意的に用いた確信犯!?

と決め付けてしまえばミもフタもありませんが、決して否定出来るものでは無く、そもそも藍毓莉(ラン・イーリー)の歌いっぷり、そしてブレスや日本語での節回しが、欧陽菲菲にクリソツなんですねえ~~!!?!

過言ではなく、もはや双子の姉妹曲っていう感じですよ (^^♪

ですから、結果的にブレイクしたとは言い難いのは事実だったんですが、ある意味では好事家の琴線に触れてしまう事も確かですし、単純に面白がって、後年中古で現物を探しまくったサイケおやじにしても、気持ちはひとつ!

ということで、彼女の場合は芸名が「藍毓莉」と表記され、日本人には馴染みの無い漢字だった事から、「ラン・イーリー」という歌手が瞬時に印象付けられなかった様にも思います。

しかし掲載のジャケ写ポートレートからも彼女の美人度数の高さは皆様にも納得していただけるはずでしょうし、実際に当時、数度テレビで接した印象でも、華やかな雰囲気は女優顔負けだったと記憶しております。

残念ながら、藍毓莉(ラン・イーリー)名義のレコードは、これっきりしか持っていませんし、他に見かけたブツもありませんので、探索を続けて幾年月……。

もしも今後、台湾に出掛ける機会があれば、じっくりと彼女のレコードを探したい気持ちが再燃しているのでした。

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