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保安院の大罪(92)「フクシマ」、悪行一覧表(4) 文科系

2012年11月17日 00時22分49秒 | 国内政治・経済・社会問題

3 悪行一覧表のまとめとして

①日本人は信用を重んじる
 フクシマ原発事故を巡る我が国の論争には、細かい実証的な諸論争以前に大きな二つの前提的命題で対立があるように思う。一つは、脱原発がエネルギー不足を招くとか国の経済命運がかかっていると主張する論点。今ひとつは原子力村はどれだけ信用できるのかということだ。なお、この二つは対立関係にある。電力不足が長期にわたり決定的なものならばムラを信用するも何もないのだし、ムラが決定的に信用できないならば石にかじりついてでも日本の高度技術力でもって日本版グリーン・ニューディール政策を成功させねばならない。こういう観点の討論の入り口として初めに、あらためて日本人論を少々述べてみたい。

 日本人は今でも、一般ピープルが世界一時間を守る民族だと、これは例えばJRダイヤに象徴されていること。江戸時代から強固に築かれた社会的信用を大事にするという習慣から来ていると観てきた。サッカー用語でいえば、相手をリスペクトする点において世界一の民族だと思う。日本のサービス業の質の高さもここに淵源があるといわれている。
 さて、原子力村はすっかり社会的信用を無くしたのだ。独占価格で創り出した他人の金で社会に安全神話を形成し、ばらまいてきた。それなのに自らの安全管理については「規制の虜」に示されたように実にルーズだった。例えばこれだけの事故を前にして未だに、津波ではなく地震自身の事故原因程度すら、真面目に調査・公表する態度も見えない。国民へのリスペクトが決定的に欠けていると告発したい。
 そもそも一体、原発存続論者らは、こういう彼らを信用するのか。日本人として、そこのところが全く理解不能である。何度も言ってきたが、特に官僚を中心とした原子力村の信用は地に落ちたのである。こんな彼らに、日本の原子力の明日をもう託せないのだ。
 たった一度起こしても信用ゼロになる過ちというものはあるはずだ。福島事故の悲惨な結果、その事後処理における国民無視の隠蔽や悪あがき、これらの原因としての「規制の虜」問題はそういうものだと言えよう。が、こういう意見への反論者たちは僕と違ってもう一回だけでも彼らにチャンスを与えようと語っているわけだ。それは違うだろう。以上2までに観てきたように、彼らにはこんな疑念さえ湧いて来るのだから。日本版グリーン・ニューディール政策決死隊を成功させ、電力不足を完全に解消できると見通していてさえ、「脱原発は50年不可能」などと言いかねない連中であると。自分らの死活問題として、あるいは、自分らの傷ついたプライドを守るためにも、そんなことをやりかねない連中だと、僕は観ている。以下はその論理的傍証として、以上観てきたこと全ての背景説明の積もりで述べる。

②「社会主義国家」的な経産官僚
 電力会社は、独占価格を政府が決めているに等しい大独占企業である。そして、この大独占企業関連群の膨大な領域に、官僚たちの最も高級な再就職口が無数に散りばめられている。さらに、福島事故後の処理経過が示したものは、こういう原子力ムラが政治家やマスコミに強大な力を行使してきたという事実だった。内閣官房長官の発言さえどうどうと否定してみせる官僚群は、日本有数の新聞の論説幹部にも数々の陰湿な脅迫行為を働くのである。福島県の佐藤栄佐久前知事は、「収賄額0円」で有名になった不可解な(冤罪)事件で退職を余儀なくされた。これは、プルサーマル計画への彼の度重なる注文行動などからだったと、その著作によって断言されている。この点については、本年4月20日~25日の間、5回に分けた拙稿「知事抹殺」要約をご参照されたい。
 さて、これではまるで社会主義体制ではないか。旧ソ連や現代中国の国家ぐるみ企業集団のようなものなのだから。また鳩山と菅両首相の追い落としとか民主党変質とかに示されたように、今のところこの力がどの政党の力よりも強いのだから、原子力村は日本最強の政治集団とも言える。つまり、官僚が全面的に荷担するこの勢力の前には選挙なんて儀式のようなものであって、民主主義などはとっくの昔に撥ね除けられているのである。これは日本当面の諸悪の根源であって、グローバリズムの害悪とか資本主義的諸悪とか何とか言う以前の、苦しい国家予算を恒常的にして超高額にピンハネしているという大問題ではないか。

 国会事故調査委員会は、福島事故を「規制の虜」が呼び込んだものと断罪した。これは、電力会社の原発のあり方を規制する政治の側が逆に規制される企業側の虜になっていた告発されたということなのである。この力が上のようなものであってみれば、一定力を持った全政党を含めて今は日本全体がこの力の虜になっていると断言しても良いのだろう。それは、国民が意識しようと否とにかかわらず客観的にそうなのである。
 

(終わり)
 
コメント (2)
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