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琉球新報より  らくせき

2017年02月13日 10時46分13秒 | Weblog
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会がテレビの選挙報道について初めて意見書を出した。選挙報道に求められることは出演者数や露出時間などの「量的公平性」ではなく、事実と適切な評論による「質」だとした。

 異例の意見書を出した背景には「公平性」を巡る政治の攻勢から報道の自由を守り、放送局に奮起を促す狙いがあるとみられる。
 第2次安倍政権発足後、報道への圧力は露骨になってきた。自民党は2014年の衆院選で、在京テレビ局に文書を出し、出演者の発言回数や時間、街頭インタビューにまで「公平中立」を要請した。さらに高市早苗総務相は16年2月、政治的な公平性を欠くと判断した場合、電波停止を命じる可能性に言及した。同時期に、政権に批判的な発言をしたテレビキャスターの降板も相次いだ。
 15年6月には自民党若手議員による勉強会で国会議員から「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番だ」などの発言が出た。
 政権の強気の姿勢に、放送局側の萎縮はないだろうか。
 国外では「偽ニュース」が影響を及ぼしたと言われる米大統領選や、誤りを事実と言い張る「オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)」の現象が起きている。
 意見書を公表した検証委員会の川端和治委員長が「“事実もどき”が氾濫する時代に事実かどうかを判定できるのはメディアだ」と述べたのは重い指摘だ。
 検証委員会は東京ローカルの東京MXテレビが1月2日に放送した番組「ニュース女子」の審議も始めている。
 この番組は米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民を「テロリスト」「過激派デモの武闘派集団」と決めつけた。ヘイトスピーチ(憎悪表現)や差別に反対する団体の共同代表の辛淑玉(シンスゴ)さんを名指しで批判した。内容には明らかな誤りや、人権侵害がある。
 BPOはNHKと民放連により設置された第三者機関で、あくまで放送業界が自律的に質の向上を図ることを促す組織だ。
 報道が公平か、倫理を逸脱していないかを判断するのは視聴者である。権力が報道に介入することは許されない。視聴者の声を基に放送局は自主的に質を向上させてほしい。

とくにNHKは。らくせき
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『問題は英国ではない、EUなのだ』 書評②  文科系

2017年02月13日 08時13分50秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
この本の目次はこうなっている。
『 「日本の読者へ 新たな歴史的転換をどう見るか?」
1 なぜ英国はEU離脱を選んだのか?
2 「グローバリゼーション・ファティーグ」と英国の「目覚め」
3 トッドの歴史の方法・・・「予言」はいかにして可能なのか?
4 人口学から見た2030年の世界
5 中国の未来を「予言」する・・・幻想の大国を恐れるな
6 パリ同時多発テロについて・・・世界の敵はイスラム恐怖症だ
7 宗教的危機とヨーロッパの近代史・・・自己解説「シャルリとは誰か?」 』

 さて、この7本それぞれが独立した、インタビューとか講演とかをまとめて紹介したものであって、全体としてまとまった著作というわけではない。また、重複も多く、要約は至難だ。いろいろ考えて、こんな要約をすることにした。最初にはじめにを要約し、上の目次で1~2回までを一つ、次にトッドの一風変わった「方法論」ということで3~4回めを一つ、最後5~7回目を四つ目として、都合4回にわたってここにまとめていくつもりだ。

 さて、今回ははじめにだけを要約する。

 第二次大戦後三つの歴史的時期があった。80年までが経済成長・消費社会期、その後2010年までが英米先導の経済グローバリゼーション期、そして2010年からはグローバリゼーションの終わりの始まりである。これを導いた英米がすでにそうなっている。それが英国のEU離脱であり、米国では例えば白人死亡率の上昇が起こっているという資料などがあげられる。

 これは「グローバリゼーション疲労」から先進国がばらばらになっていく過程を示しており、ユーロも間違いなく崩れて、不一致も多くなり、ばらばらになっていく。
 英仏の出生率は安定しているが、高齢化ドイツは移民で、同じく日本は移民ではなくロボットで補う方向だし、中国経済は内向き米とユーロ崩壊から続かなくなるだろう。

 これらの国それぞれの未来予想は難しい。経済よりもネオリベラリズム思想がこれまで前に出過ぎて来たことによって、社会科学、歴史思考が荒廃しているからである。なお、経済主義は知的ニヒリズムの一つの形態である。ちなみに、現下世界史の以上のような新たな転換は、経済転換である前に、家族、人口、宗教、教育などの転換になるだろう。

(あと3回続きます)
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