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シリア、田中宇の情勢論  文科系

2017年04月09日 09時54分55秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 本日付の標記の議論を抜粋する。対してすぐに名無し君がやってきたようなこういう批判が出うるだろうから、あらかじめ牽制しておく。
「田中はダメだ」と論者を貶めて文章全体を批判できたと済ますようなことは無意味であるから、論議内容自身に触れること。「日本のマスコミは全部ダメだから」と語ってあるマスコミの「実証関係」議論を正当に否定できたような気になるのと同じ論法である。
 元共同通信記者で、国際ニュースを今でも集めるのを仕事としている人物であって、こんな経歴もある。『マイクロソフト社に誘われMSN事業部へ。MSNニュースの配信業務に従事、コラムサイト『MSNジャーナル』を立ち上げた』と。


『 トランプは4月4日以来「化学兵器で子どもたちを殺したアサドが許せない。武力で転覆してやる」と息巻いている。だが実のところ、米軍がアサドを殺すことは不可能だ。アサドは、ロシア軍に守られている。米軍は今回、ミサイル発射前にロシアに通告し、ロシアは防御や対抗手段をとらずミサイル攻撃を批判しつつも看過した。だが、次に米国がシリア軍の施設をミサイル攻撃するなら、ロシアはもっと強い態度に出て、防御や対抗手段をとる。米軍機が勝手にシリア領空に入ってきたら、露軍が迎撃するかもしれない。米露の戦闘は、一歩間違うと人類破滅の核戦争になる。米軍の上層部は、ロシアを敵視するだけで、ロシアと戦争する気がない。シリア上空はロシア軍が抑えている。米軍は、そこに入って行かない。トランプはアサドを倒せない。
(中略)
 露政府によると、アルカイダは、村に貯蔵した化学兵器(塩素系?)を、イラクのモスルなどで戦うISに売っていた。同様の化学兵器は昨秋、アルカイダが占領するアレッポでも使われ、シリア政府軍に濡れ衣が着せられた。またアルカイダは2013年にも、シリア南部で化学兵器(サリン?)を散布して住民を殺し、米マスコミなどがそれをシリア政府軍の犯行だと喧伝していた。アルカイダに化学兵器の原料や製造技能を与えたのは、米国とトルコの諜報機関だ。13年に濡れ衣をかけられたシリア政府はその後、国連決議を受けて化学兵器を全廃し、その後も国際的に監視されている。廃棄を手掛けたのは米軍だ。シリア軍は化学兵器を持っていない。
(中略)
 ネオコンやネオリベラルといった政治側の人々は、無責任に無茶苦茶な戦争をやりたがるが、軍人は、失敗するとわかっている戦争をやりたがらない。だからトランプは、NSC議長や国防長官といった地位に、マクマスターやマチスといった軍人を就かせている。戦争できない、どうしよう、と騒いでいるうちに、4月4日の化学兵器事件の真相が国連などの調査で暴露されていき、アサド政権は悪くないという話になる。ロシアと戦争したくない軍人たちが、アサド政権を濡れ衣から救う可能性が、すでに指摘されている。おそらくマスゴミは従来の濡れ衣戦争と同様、この真相をほとんど報じないだろう(マスゴミは全部つぶれた方が良いと言ったバノンは正しい)。しかし、外交官や軍人といった関係者たちは、濡れ衣を認めざるを得なくなる。米国の信用が低下し、トランプが正攻法でやった場合と似た結果になる。』


 田中氏は、トランプ政権内部に早くも分裂が起こっていると指摘している。従来の最高側近バノンが一歩退いて、娘婿のクシュナーや軍人が表に出てきたと。トランプ政権の最近のいくつかの急変はここから起こっていると指摘している。何の準備もなく大統領になっただけのトランプがそれだけ、アメリカ政治力学の現実を学び始めたということなのだろう。


 昨日まで1週間の累計アクセス数は、1、451。これは、昨年12月11~17日の1、749以来のものでした。悲しい出来事が起こると人は社会を見つめ、学ぼうとしだす。喜んで良いのか、悲しむべきなのか。このブログの場合、多分両方必要なのだと、そう思うことにした。
コメント (9)
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