九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

マスコミ報道の歪み(2)現代版大本営報道「韓国ニュース」   文科系

2018年01月23日 12時04分50秒 | 国内政治・経済・社会問題
 朝鮮半島二国の冬期オリンピック開催などを巡って、日本の(朝鮮政治・社会)情勢報道が酷いことになっている。こんな感じに・・・。
『韓国大統領のやり方に、国内反発が凄くって、その支持率も急低下』
 その支持率低下がどんな酷さかと数字を調べると、「就任後二番目に低い66・0%」とあったから驚いた! これで低ければ、安倍などはとっくに辞めていなければならない。あるいは、改めて信を問うて国会解散していなければならないだろう。

 なぜお隣の国の事をこれだけ悪く書けるのか? 戦後大国が作った冷戦構造から人工的に分断された親兄弟や子孫が大いに反目し合いたいとか、ましてや戦争など、元々望むわけなどないはずなのだ。人としてそんな事も分からない振りをするのか? その訳というのが、北の核? この「とんでもない大醜悪事を許しているよう」だから?
 
 北の核は、「(イラク、イラン同様に)ならず者国家」とアメリカがギャーギャー騒いできたから、弱い犬よろしくキャンキャン吠えているだけ。元来、自分からは絶対に撃てない物と、これが普通の大人の理解だろう。なんせ、自分から撃ったらここぞとばかりに、国が潰され、馬鹿首領様はフセイン、カダフィと同じ運命。これは、首領様ばかりではなく、世界の常識に属する判断だ。
 それを国連反対決議だけを錦の御旗、金科玉条にして、アメリカなどがギャーギャー騒いできたから問題になるだけの事だろう。現に、核など持っている国は多いのだし、前大戦末のどさくさにおいて以外には、どこも撃てていない、「どこにも撃たせないで来た」という世界史も70年を超えた。こういう世界史的事実を無視するのでなければ、今のような「朝鮮二国情勢報道」はとうてい書けるものではない。
 新聞、マスコミは何故こんな酷いことを平気でやっているのだろう。すぐに思い出すのが、安倍への忖度という大本営発表である。なんせ、安倍の対朝鮮姿勢は今やアメリカ、トランプよりも遙かに強行なのだ。朝鮮遣り取りを巡る「敵は本能寺」に当たる「最大の国際修正主義勢力」・中国に対する情勢もふくめてそうなのだろう。

 この大本営発表、呆れるばかりである。近ごろの「超長期的上向き景気、続く」とか「名目GDP過去最大」、「40年ぶりの高水準、有効求人倍率」というインチキ宣伝とともに。「過去最大」と言われたGOP549兆円は、1997年という20年前の水準537兆円をやっと今超えたに過ぎないもの。「求人倍率」に至っては、国民1人当たり購買力平価換算GDPで言えば、97年当時の世界3~4位から、30位近くに落ちている現状なのだから、何の高求人率かと反論したい。名目GDPが、他国はどんどん上がっている間に日本は上記のように酷く落ち込んだままだったから、若者労働人口がこれだけ減っていても国民1人当たり購買力など急低下したままということである。

 こうして、フェイクニュースの類と言うしかないのがこれらの政府宣伝数字だから、こんなことを大騒ぎするのはやはり大本営発表と言うべきだ。長期の、より根本的な数字を隠して、短期の、派生的数字変化で誤魔化すという遣り口ばかりなのだ。
 
コメント (15)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

随筆紹介  ある停年Uターン出世頭のこと    文科系

2018年01月23日 09時52分04秒 | 文芸作品
 ある停年Uターン出世頭のこと   H・Sさんの作品です


 椿町にある温泉施設の喫茶店で高齢の男性が二人で向き合ってモーニングサービスで軽食とコーヒーを食しながらお喋りをしていた。たまたま隣席になった私は大声で喋るおじさん達の会話を聞く羽目になった。そのお喋りを聞きながら男だって結構奥さんの悪口も言い、日常のぼやきごとも話すんだと興味を持った。彼らのお喋りを、うんうんと心の中で相槌を打ちながら聞いた。
 話の中身を紹介するために、ハンチング帽ベスト着用の服装をした男性をAさん、地味な灰色のブルゾン着用の男性をBさんと私が勝手に名付け、聞き取った二人の会話を紹介することにしよう。
 二人は椿町で生まれ、小学校から中学までの同級生で、Aさんは、高校、大学と進み東京の一流企業に勤め、定年後も子会社に勤務、最近、椿町に奥さんと二人で帰って来て、空き家になっていた親の家を手入れして住んでいると言う。Bさんの方は地元椿町で親の後を継ぎ農業をやりながら現在に至っている。どうやら二人は何年かぶりに偶然ここで再会したようだ。長い時間の隔たりはない様子。Aさんのお喋りを、聞き手のBさんは興味深げに耳を傾け聞いている。
「俺はなあー。誰よりも会社勤めは長かったから、相当稼いだつもりだったのに、貯金は一銭もないんだよ。誰がみてもおかしいだろう」とAさん。
「そんな馬鹿な、お前が素寒貧のはずがないだろう。お前は、俺達同級生の中では一番の出世頭のはずだよ。うなるほど金持って郷里に帰って来たと、もっぱらの評判だよ」と納得いかない様子のBさん。
「稼いだのは稼いだが、嫁さんにみんな渡してた。相当残るはずだから、余ったものは老後のために貯金しておけよと、言い渡して任せきりにして安心していた。定年で仕事を辞めた時、家に貯金はいくらあるのだと、嫁さんに聞いたら一銭もありませんと言う。何に使ったんだと不思議に思って聞いたら、これですよと言って見せられたのは、社宅の八畳の部屋いっぱいに置かれた着物、毛皮のコート、外国製のハンドバッグ、宝石類だった。要するに俺の稼ぎは嫁さんが欲しい物を手に入れるために全部使われたわけだ」とAさんがぼやく。
「ヘー、勉強できたけどお前は案外抜け穴だらけの間抜け男だったんだ。金遣いの荒い所帯持ちの悪い嫁さんに長年連れ添い、信用していた。それなのに嫁さんを捨てもせず、引き連れて帰って来た。底の知れんお人よしだ……。わしだったら、とっくの昔に嫁さんを追い出してるよ。まあわしらより、年金は多いはずだから食うことには困らんいだろうけどさ」と、Bさんがあきれ顔でAさんに言い返した。
「俺が放り出したらあいつ行くところないものさ。俺も社宅を引き払ったら行くとこなしだ。東京で十五坪一億円の家など建てる気はなかったから、親の家に帰って来るつもりをしていたよ。引つ越しの大荷物は嫁さんが買い集めた衣類ばかりだったよ。昔、客間だった十畳の部屋は嫁さんが買い集めた衣装で満杯だ。俺はパソコンと四畳半の納戸に押し込められ、家の前の二百八十坪の畑が俺の新しい仕事場だ。そこで育てる花や野菜に毎日癒されているよ」とAさんが近況を話す。
「なんだー。やってる事はわしと変わらんじゃないか。それで安心した。同級生に偉いさんがいると付き合いにくい。わしらにとっては、金遣いの荒いお前の嫁さんは福の神かもしれんわ」と、Bさんが返した。
「女って不思議な生きものだよ。芝居、落語大好きで名古屋の劇場へ出かけ、東京と比べて舞台がお粗末だとこぼしてたのに、歌舞伎役者の顔見世に行ったら飯食い友達見つけて今日もランチに出かけとる。御園座が四月に再オープンすると聞き込んで『私の着物は東京三越の特注だから誰にも負けない。買い込んでいてよかったよ』と毎日引っ張り出して眺めとるよ。誰ひとり友達もいない田舎に来ても、すぐ友達は作る。瞬く間に溶け込んじゃう。女とは逞しい生きものだと、俺は呆れとるよ」とAさん。
「わしも似たようなもんだ。うちの女房もバス旅行で美味いもの食い歩くのが趣味で何人もの旅友を作っとる。わしら二人の年金はみんな女房が管理、わしには二万円の小遣いくれるだけだ。あとは自分が自由に使っとる。わしと旅行に行くのは嫌だ、女同士の方が面白いと、わしは留守の間犬の世話を押し付けられ、面倒見とるよ。女房が留守の間に犬が痩せると、わしの世話の仕方が悪いと叱られとる。女房が使っとる金はわしが働いたから貰えた金だと言いたいが、わしも女房にそれをよう言わん。わしの家に嫁に来たはずの女房は、今では家主、家主であったはずのわしの方が下宿人だ……。ところで、お前、ここで誰かと待ち合わせでもしとるんかのう……」とBさん。
「野菜作りを始めたから、この施設の前にある野菜村に時々来るんだ。俺の作る野菜は売り物になるのかどうか見定めるために来るんだよ」とAさん。
「ふーん。わしは女房が旅行中で飯が作れん。だから朝飯と昼飯をかねた食事がモーニングだ。女房は泊まりで帰ってこないから、野菜村で夜の弁当の調達をしておかないと食いはぐれるから、今から買いにゆくよ」と、Bさんが席を立つ。
「俺も一緒するわ。俺も嫁さんがランチの後お茶して帰ってくると、飯はそこいらにあるもので済ませることになる。嫁さんもそれじゃ可哀そうだ。美味そうな赤飯置いてあるから二つ買い、適当におかずも見繕って買って帰るよ」と、Aさんもレジの方に向った。

 久しぶりに再会した同級生、子供の頃と同じようにあけすけに自分を語りいい顔をしていた。連れ合いのこき下ろしも、生活の中のスパイスか? からりとした男のぼやきが面白かった。


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする