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随筆  Jリーグに歴史的強豪誕生(1)    文科系

2019年02月26日 23時29分43秒 | 文芸作品
テレビに、サッカーJリーグ本年度表彰式、今年のMVP受賞者が映っている。二連覇を遂げた川崎フロンターレ・家長昭博三十二歳が、こんな挨拶をする。
『日本を代表するような選手が多いからここに飛び込んできたのですが、多くの刺激をもらえるチームメイトがいて学ぶことがあるクラブに加入して、本当に良かった。皆のおかげで、僕自身も人としても選手としても成長できた。本当に良かったと思えます』

 この家長、十代早くからJリーグ選手育成史屈指の天才と言われながら、芽が出なかったスペインリーグなども含めてここが六チーム目で、それもフロンターレ在籍二年目の選手に過ぎない。こんな彼の言葉に対するに、チームで「長老」と呼ばれている中村憲剛のネット談話もこんな風に報道された。
『加入当初はうちに合わせようという気持ちがありましたが、それよりも自分の間も大事にしてやりたいことをやれ、僕らもそれに合わせる、とやってきて、どんどんアキも良くなっていった。去年の夏以降は苦しい時に突破口を開いたのはアキの左足でしたし、苦しい時に身体を張って時間を作ってくれたのが、アキでした。こんな頼もしい選手はそんなに多くない。数字に直結できるプレーを意識してからすごい怖い選手になった』
チームに来て二年で現代(世界サッカー)の最高、最新のチーム戦術にこれだけ溶け込んで見せ、かつその先頭にも立って、結果を最大限に評価された家長。やはり天才なのだろう。その天才を見せられる場を、三十路を過ぎて初めて得た希有な幸せ!

川崎フロンターレ、歴史に残る強豪が誕生した。その二連覇以上に特筆すべきは、そのゲーム内容である。過去に二連覇チームは四つしか無いが、川崎には、日本史上初の快挙が一つ加わっている。川崎からのMVPが三年連続なのだ。一六年の中村憲剛、一七年の小林悠、そして今年の家長。これが特別に興味深いのは、そのチーム戦術とそのプレーとが群れを抜いて優れているということだ。一一人がぴったり意思一致して高度な組織的動きをしてこそ初めて攻守の成果が上がるサッカーにおいて最高殊勲選手が三年続きで生み出せたのは、そのことを証明している。その傍証として、こんな数字も加えられる。本年のJリーグ優秀選手表彰三〇人に、川崎から実に一〇人が入っているのだ。

 川崎のどこが優れているのか。その最大テーマについて、「長老」の説明を聞こう。
『現代サッカーでは攻撃の選手も積極的に守備をするのが当たり前ですからね。その質をどこまで高められるか。いまや、そういうフェーズ(段階)になっている』
『自分が常にスイッチャー(攻から守への切替役)になること、今年最もやるべきことは、そこだと思っています』
 あるサッカーライターは、このチーム、特に中村の凄みを、こう表現している。
『攻から守への切り替えと球際の厳しさを徹底。そこから敵陣でボールの保持(攻撃)と奪取(守備)を繰り返し、敵を一方的にやり込める最強フロンターレの「核」が形づくられていった』
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ベネズエラで、日本有識者ら緊急声明    文科系

2019年02月26日 08時09分53秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 阿修羅掲示板に、こんな記事が載った。嬉しかったこと! 見ている人は見ているものだということで。イラク戦争前も世界中でこんな動きが強かったが、あーいうことになって、膨大な死者や、兵器の拡散、難民流出が起こった。アメリカ暴力外交がさらに酷くなっている今、ベネズエラ情勢を世界は決して放置してはならない。このニュースの拡散を希望する。


【 ベネズエラ情勢に関する有識者の緊急声明 「ベネズエラのための緊急声明2019」(長周新聞)
投稿者 肝話窮題 日時 2019 年 2 月 25 日

長周新聞 2019年2月25日

 ベネズエラ情勢が緊迫するなかで日本の有識者が「ベネズエラ情勢に関する有識者の緊急声明」を発表し、21日に記者会見をおこなった。「ベネズエラのための緊急声明2019」というホームページを立ち上げ賛同署名を募り、駐日ベネズエラ大使館に届けるという。以下、声明文を紹介する。

◇-----◇-----◇
ベネズエラ情勢に関する有識者の緊急声明
~国際社会に主権と国際規範の尊重を求める~ 2019年2月21日  東京


ベネズエラ情勢が緊迫している。現マドゥーロ政権に反発するグアイドー国会議長が1月23日街頭デモ中に「暫定大統領」に名乗りを上げ、米国とEU諸国がただちにこれを承認するという異常事態が発生した。米国政府は軍事介入も仄めかしてマドゥーロ大統領に退陣を迫っている。世界の主要メディアはこうした事態を、「独裁」に対抗する「野党勢力」、それによる二重権力状況といった構図で伝えている。
 
見かけはそうなっている。だが、すでに干渉によって進められた国内分裂を口実に、一国の政権の転覆が目論まれているということではないのか。米国が主張する「人道支援」は前世紀末のコソボ紛争以来、軍事介入の露払いとなってきた。イラクやその後のシリアへの軍事介入も、結局は中東の広範な地域を無秩序の混迷に陥れ、地域の人びとの生活基盤を根こそぎ奪うことになり、今日の「難民問題」の主要な原因ともなってきた。
 
「民主化」や「人道支援」やの名の下での主権侵害が、ベネズエラの社会的亀裂を助長し増幅している。それは明らかに国際法違反であり国連憲章にも背馳している。ベネズエラへの「支援」は同国の自立を支える方向でなされるべきである。
 
この状況には既視感がある。1973年9月のチリのクーデターである。「裏庭」たる南米に社会主義の浸透を許さないとする米国は、チリの軍部を使嗾してアジェンデ政権を転覆し、その後20年にわたってチリ社会をピノチェト将軍の暗黒支配のもとに置くことになった。米国はその強権下に市場開放論者たちを送り込み、チリ社会を改造して新自由主義経済圏に組み込んだのである。
 
ベネズエラでは1999年に積年の「親米」体制からの自立を目指すチャベス政権が成立した。チャベス大統領は、欧米の石油メジャーの統制下にあった石油資源を国民に役立てるべきものとして、その収益で貧民層の生活改善に着手、無料医療制度を作り、土地を収用して農地改革を進めるなど、民衆基盤の社会改革を推進した。その政策に富裕層や既得権層は反発し、米国は彼らの「自由」が奪われているとして、チャベスを「独裁」だと批判し、2002年には財界人を押し立てた軍のクーデターを演出した。だがこれは、「チャベスを返せ」と呼号して首都の街頭を埋めた大群衆の前に、わずか2日で失敗に終わった。それでもこのとき、欧米メディアは「反政府デモの弾圧」(後で捏造と分かった)を批判したのが思い起こされる。
 
ここ数年の石油価格の下落と、米国や英国が主導する経済封鎖措置や既得権層の妨害活動のため、ベネズエラでは経済社会的困難が深刻化している。マドゥーロ政権はその対策に苦慮し、政府批判や反政府暴力の激化を抑えるため、ときに「強権的」手法に訴えざるを得なくなっている。米国は制裁を重ねてこの状況に追い打ちをかけ、過激な野党勢力に肩入れし「支援」を口実に介入しようとしている。だが、国際社会を巻き込むこの「支援介入」の下に透けて見えるのは、南米に「反米」政権の存在を許さないという、モンロー主義以来の合州国の一貫した勢力圏意志である。
 
対立はベネズエラ国内にあるが、それを根底で規定する対立はベネズエラと米国の間にある。チャベス路線(ボリバル主義)と米国の経済支配との対立である。数々の干渉と軍事介入が焦点化されるのはそのためだ。それを「独裁に抗する市民」といった構図にして国際世論を誘導するのはこの間の米国の常套手段であり、とりわけフェイク・ニュースがまかり通る時代を体現するトランプ米大統領の下、南米でこの手法があからさまに使われている。そのスローガンは「アメリカ・ファースト」ではなかったか。国際社会、とりわけそこで情報提供するメディアは、安易な図式に従うことなく、何が起きているのかを歴史的な事情を踏まえて評価すべきだろう。さもなければ、いま再び世界の一角に不幸と荒廃を招き寄せることになるだろう。
 
わたしたちは、本声明をもって日本の市民と政府、とりわけメディア関係者に以下を呼びかける。
 
▼ベネズエラの事態を注視し、独立国の主権の尊重と内政不干渉という国際規範に則った対応を求める。
▼国際社会は、ベネズエラが対話によって国内分断を克服するための支援をすることを求める。
(メキシコ、ウルグアイ、カリブ海諸国、アフリカ連合等の国々の仲介の姿勢を支持する)
▼ベネズエラの困難と分断を生み出している大国による経済封鎖・制裁の解除を求める。
▼メディア機関が大国の「語り」を検証しつつ事実に基づいた報道をすることを求める。


呼びかけ人
 伊高浩昭(ラテンアメリカ研究)
 市田良彦(社会思想・神戸大学)
 印鑰智哉(食・農アドバイザー)
 岡部廣治(ラテンアメリカ現代史・元津田塾大学教授)
 小倉英敬(ラテンアメリカ現代史・神奈川大学)
*勝俣誠(国際政治経済学・明治学院大学名誉教授)
 清宮美稚子(『世界』前編集長)
 黒沢惟昭(教育学・元東京学芸大学)
 後藤政子(ラテンアメリカ現代史・神奈川大学名誉教授)
*桜井均(元NHKプロデューサー)
*新藤通弘(ラテンアメリカ研究)
 高原孝生(国際政治学・明治学院大学教授)
 田中靖宏(AALA:日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会代表理事)
 中山智香子(経済思想、東京外国語大学)
 中野真紀子(デモクラシー・ナウ・ジャパン)
*西谷修(思想史、立教大学)
 乗松聡子(ピース・フィロゾフィーセンター)
 松村真澄(ピースボート国際部・ラテンアメリカ担当)
 武者小路公秀(元国連大学副学長)
 臺 宏士(元毎日新聞・ジャーナリスト)
 森広泰平(アジア記者クラブ代表委員)
 八木啓代(ラテン歌手、作家、ジャーナリスト)
 山田厚史(デモクラシー・タイムズ)
 吉岡達也(ピースボート共同代表)
 吉原功(社会学・明治学院大学名誉教授)
 六本木栄二(在南米ジャーナリスト・メディアコーディネーター) 

26名 *印は世話人

※以下で賛同署名を募っています。駐日ベネズエラ大使館に届けます。】
コメント (5)
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