米政治週刊誌ニューズウイーク日本語版をこの7月から購読しているが、最新号に非常に、重要な現代社会問題を扱って、力作として初めてというぐらいに勉強になった記事があった。「進撃のYAHOO」という、今号の約4分の1、14ページびっしりの記事である。この内容を最も短く要約すると、なによりもまず、ヤフーとLINEが経営統合をしたという機会を捉えて、「これは『ニュースの未来』にとって良いニュースなのか」という「批判」とも覚しき側面が目に付いた。これは明らかに、中小の新聞など伝統メディアを破壊してきたニュース・プラットホーム・GAFAの功罪が米国において大問題になっていることを問題意識として書かれた記事でもあるようだ。このアメリカにくらべたら、ヤフーが既存新聞社などとより共存する道を歩んでいるらしいことについて、何かあえて日本のあら探しをしているような記事とさえ僕には読めたものだ。と書いてくれば、この記事内容が社会にとっていかに重大な問題を報告しているか、お分かりいただけるだろう。社会にニュースというものを「流す」元となる「そのニュースを集める」のが誰で、どんな価値観や体制で集めるのかという重大問題を含んでいるのである。
さて、この長い長い記事で僕にとって最も面白かったのがこれ、表題のことなのだ。この特集記事を主として書いたノンフィクションライター・石戸諭という人がヤフー本社に面談を申し込んで行われた応答が報告されていて、その中でなによりも、こんな「象徴的」な報告、言葉が目にとまったのである。
『配信メディア(担当者)の1人が言う。「(ヤフー本社の)18階の会議室でヤフーの担当者からデータの説明があるわけです。最近の読まれるキーワードは「小室圭」と「文在寅」です。文在寅と見出しに入れると3倍読まれます、とかね。淡々とデータが示されるんです。そこにあらがえるか。そんなデータがあれば、入れますよね』
これは、ヤフーニュース画面のトップ中のトップ8つの記事に毎日どれを、どういう見出しで載せていくかという編集の選定、「価値判断力」に関わった質疑応答の一部として出てきたものである。
ちなみに、1日5000本のニュースが本社に配信されて来て、その中から作った日々のニュースサイトに月間150億PVを誇る日本最大のニュースサイトがヤフーだから、どんな新聞よりも社会的影響力が大きく、NHKニュースに相当するほどの威力を持っているのだそうだ。よって、ライターも素人でさえなんとかしてヤフーニュースに取り上げられたがるし、プロも含めたここの常連さんなどは大いに自慢になるという日本社会にもなっているのだそうだ。そういうニュース選定の基準、価値判断として出てきた象徴、典型がこれ。「小室圭と文在寅」。
確かに今の「日本」を言い当てているかも知れない。このブログにも「日韓問題」を載せるとアクセスが増えるわけだと、納得させられた。「編集局判断基準が、過去に示されたPVの数」。こういう世界、社会って、誰かに容易く動かされやすい社会にも思えたものだ。
さて、この長い長い記事で僕にとって最も面白かったのがこれ、表題のことなのだ。この特集記事を主として書いたノンフィクションライター・石戸諭という人がヤフー本社に面談を申し込んで行われた応答が報告されていて、その中でなによりも、こんな「象徴的」な報告、言葉が目にとまったのである。
『配信メディア(担当者)の1人が言う。「(ヤフー本社の)18階の会議室でヤフーの担当者からデータの説明があるわけです。最近の読まれるキーワードは「小室圭」と「文在寅」です。文在寅と見出しに入れると3倍読まれます、とかね。淡々とデータが示されるんです。そこにあらがえるか。そんなデータがあれば、入れますよね』
これは、ヤフーニュース画面のトップ中のトップ8つの記事に毎日どれを、どういう見出しで載せていくかという編集の選定、「価値判断力」に関わった質疑応答の一部として出てきたものである。
ちなみに、1日5000本のニュースが本社に配信されて来て、その中から作った日々のニュースサイトに月間150億PVを誇る日本最大のニュースサイトがヤフーだから、どんな新聞よりも社会的影響力が大きく、NHKニュースに相当するほどの威力を持っているのだそうだ。よって、ライターも素人でさえなんとかしてヤフーニュースに取り上げられたがるし、プロも含めたここの常連さんなどは大いに自慢になるという日本社会にもなっているのだそうだ。そういうニュース選定の基準、価値判断として出てきた象徴、典型がこれ。「小室圭と文在寅」。
確かに今の「日本」を言い当てているかも知れない。このブログにも「日韓問題」を載せるとアクセスが増えるわけだと、納得させられた。「編集局判断基準が、過去に示されたPVの数」。こういう世界、社会って、誰かに容易く動かされやすい社会にも思えたものだ。