表題のことで少々。現在までの仮説だが、これはどうもアメリカエスタブリッシュメント筋のリークであるように、僕は思い始めた。つまり、アメリカの敵や、日本、西欧、特にイギリスなどにも被害甚大だが、アメリカの被害は軽微という見通しではないか。敢えて大きな予想をすれば、こんなふうに。世界の大金融業、個人大金持ちやこれを抱えた諸国家が活用・投資などにしばらくアタフタしている間に、アメリカ金融だけがしばらく世界金融道を跋扈する、と。そうして、莫大な累積貿易赤字分などをできるだけ取り返す、と。その上で、世界に拡大した格差、総需要の少なさを、どこかで手直しする相談を始めると。つまり、アメリカ手前勝手な、世界金融制度再編成へのスタート? 大袈裟に言うと、世界金融板9・11なのではないか。
何よりも先ず、英領ケイマン諸島とかではなく、パナマというのが怪しい。英領では英国首相などは税金逃れは出来ないし、英国に知られたくない国、個人も同じだ。また、例えば、アメリカのパナマ関係個人は、米大富豪上位500人のうちわずか29人とも発表されただけだ。さらにまた、アメリカはこのような租税回避地を自らの州のいくつかにも持っているのである。
さて、こういうリークをアメリカがしたのであれば、そのアメリカは既に防備充分、その上で打って出たのであろう。が、日本は無防備も良い所、昔風に言うとまるでノーズロースである。例えば、政府統計からこんな数字さえ調べれば誰にでも分かるようだ。日刊ゲンダイが探し出してきた日本の「直接投資・証券投資等残高地域別統計」という数字である。このイギリス領ケイマン諸島における2013年末(日本関連)残高が、約61兆円とあった。これが全て利益隠しとしたら、低くみても約14兆円の税がつく金額だという。そして、この金額が、日本の消費税を1%とした場合の年額の何倍に当たるかという比較があった。2兆円が消費税を1%とした場合の年額だから、実に消費税を7%とした場合の丸丸の年間金額分であるとのこと。
ケイマンだけでもこのように日本にとって大変なことなのである。パナマ文書に関連してこんなことまでも日本政府は今や、容易に突きつけられるという事態になった。近ごろ日本では聞けなくなった道義的責任を脇に置いて「合法だよ」と国内ではいったんは開き直れても、形式的近代民主主義が日本よりも遙かに進んだ西欧からも、そして心ある日本国民からも、叩き続けられるのではないか。例えばこんな風に。
『これほどまでに強者に甘い「合法だよ」を法制化しておいて、その分を弱者から消費税で取る国って、貴方許せますか?』
『こういう会社に出させる自民党政治献金はいわばまけてやった税の一部とも言える。これを受け取る自民側は政党助成金との二重取り。こんなことをやってきた自民党政治家は、脱税企業のさらに上を行っている訳で、堕落の極み。政党助成金は何のために作ったのか』