九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

パナマ文書(3) 日本にとって、米にとって?  文科系

2016年04月14日 05時44分13秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 表題のことで少々。現在までの仮説だが、これはどうもアメリカエスタブリッシュメント筋のリークであるように、僕は思い始めた。つまり、アメリカの敵や、日本、西欧、特にイギリスなどにも被害甚大だが、アメリカの被害は軽微という見通しではないか。敢えて大きな予想をすれば、こんなふうに。世界の大金融業、個人大金持ちやこれを抱えた諸国家が活用・投資などにしばらくアタフタしている間に、アメリカ金融だけがしばらく世界金融道を跋扈する、と。そうして、莫大な累積貿易赤字分などをできるだけ取り返す、と。その上で、世界に拡大した格差、総需要の少なさを、どこかで手直しする相談を始めると。つまり、アメリカ手前勝手な、世界金融制度再編成へのスタート? 大袈裟に言うと、世界金融板9・11なのではないか。
 何よりも先ず、英領ケイマン諸島とかではなく、パナマというのが怪しい。英領では英国首相などは税金逃れは出来ないし、英国に知られたくない国、個人も同じだ。また、例えば、アメリカのパナマ関係個人は、米大富豪上位500人のうちわずか29人とも発表されただけだ。さらにまた、アメリカはこのような租税回避地を自らの州のいくつかにも持っているのである。

 さて、こういうリークをアメリカがしたのであれば、そのアメリカは既に防備充分、その上で打って出たのであろう。が、日本は無防備も良い所、昔風に言うとまるでノーズロースである。例えば、政府統計からこんな数字さえ調べれば誰にでも分かるようだ。日刊ゲンダイが探し出してきた日本の「直接投資・証券投資等残高地域別統計」という数字である。このイギリス領ケイマン諸島における2013年末(日本関連)残高が、約61兆円とあった。これが全て利益隠しとしたら、低くみても約14兆円の税がつく金額だという。そして、この金額が、日本の消費税を1%とした場合の年額の何倍に当たるかという比較があった。2兆円が消費税を1%とした場合の年額だから、実に消費税を7%とした場合の丸丸の年間金額分であるとのこと。

 ケイマンだけでもこのように日本にとって大変なことなのである。パナマ文書に関連してこんなことまでも日本政府は今や、容易に突きつけられるという事態になった。近ごろ日本では聞けなくなった道義的責任を脇に置いて「合法だよ」と国内ではいったんは開き直れても、形式的近代民主主義が日本よりも遙かに進んだ西欧からも、そして心ある日本国民からも、叩き続けられるのではないか。例えばこんな風に。

『これほどまでに強者に甘い「合法だよ」を法制化しておいて、その分を弱者から消費税で取る国って、貴方許せますか?』

『こういう会社に出させる自民党政治献金はいわばまけてやった税の一部とも言える。これを受け取る自民側は政党助成金との二重取り。こんなことをやってきた自民党政治家は、脱税企業のさらに上を行っている訳で、堕落の極み。政党助成金は何のために作ったのか』

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パナマ文書(2) 「日本関連、調査しない」と政府   文科系

2016年04月13日 01時17分04秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 中日新聞12日夕刊一面の常設コラムにまた上智大学教授、中野晃一さんの文章が載った。昨日も書いたパナマ文書がそのテーマである。具体的な数字や証言を織り込んで、例によって日米為政者にはなかなか厳しい文章である。全国に発信するために、全文そのままお伝えしたい。

『  グローバルな寡頭支配   中野晃一
 タックスヘイブン(租税回避地)での法人設立を代行するパナマの法律事務所の内部文書が流出し、ロシア、英国、中国などの支配層の資産隠しが海外メディアをにぎわわせています。プーチンロシア大統領やキャメロン英首相、習近平中国国家主席らは、自国民とよりも支配層同士のほうが利害を共有していることをパナマ文書は暴いています。富と権力が結託する寡頭支配(少数派支配)が、グローバルな規模で展開しているのです。
 今のところ米国や日本での報道が、割と抑制的なのが目立ちます。しかしこれは日米の富裕層が資産隠しをしていないからではありません。パナマの一法律事務所はまさに氷山の一角にすぎず、米国に至っては国内にさえ租税回避の策がふんだんにあります。日本では遠い国の事件のように報道されていますが、すでに日本を拠点とする約四百の企業や人の名前が浮かんでいるわけですから、本当は重大な国内問題です。しかし各国政府が調査を開始する一方で、菅義偉官房長官は、政府として調査する考えはないと開き直っています。
 これは実は、環太平洋連携協定(TPP)問題とも重なります。支配層が国民にうそをつき、隠し、富を巻き上げる。安倍政権というと復古的な愛国心の押しつけが目を引きますが、国境を越えて癒着する政官業エリートの一角を成していることも見落としてはなりません。(上智大教授)』

 日米の敵のような個人の所得隠しよりも、ペーパー会社による大会社の租税逃れこそが肝腎の世界的大問題。こんなことは90年代初めはまだ非合法だったもの。それをその後に強引に合法にしただけだったはずだ。オバマも述べているように、この合法化こそおかしかったのである。この格差社会で、大会社が税を払わなかったら、やせ細るだけの国家財政では民主主義国家としての施策が世界的にどんどん出来なくなってきたはずだ。日本政府が隠しても、日本関係400の団体、個人のことは必ず暴かれると信じている。そして、「自浄能力がない日本」が世界に示されるだけのこと。そうなることを切望する。

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「パナマ文書」の輪郭、概要  文科系

2016年04月12日 03時44分37秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 この問題は今後折に触れエントリーを続ける積もりです。今回はその手始め、表題自身のことです。が、その前に、この重要性について思う所を前置きとして少々。

 この問題はここでも何回か扱ってきましたが、現世界諸悪の根源・超格差社会拡大の元凶と観られてきたもの。世界で最も儲けてきた法人、個人などが税を納めない仕組みが許されるならば、以下のような意味でこの世が真っ暗闇になっていくからでしょう。この世界的不況の中では税がさらにどんどん減っていき、教育の機会均等などの「機会の平等」とか、「再チャレンジ」とかの施策がどんどん後退し、あるいは不可能になり、貧富の世襲が広がるばかりになっていくからです。弱者救済・福祉厚生もできません。つまり、民主主義国が骨抜きにされ、名前だけになってしまいます。
 さて、この文書は今後5月に全面公開されることになっています。そして、世界の大金持ちと言うよりも、税金逃れ超大会社を、これらがパナマに作ったペーパー会社をば、世界のあちこちで揺るがしていくことが確実視されています。

 さて、本論、概要です。最も大事なことだけを、最も簡単にまとめてみました。
①中米パナマの或る法律事務所から、1977~2015年までの1150万点以上の金融情報が世界に漏れた。世界の金持ち個人、ペーパー会社などの金融取引情報、その電子メールや文書などである。
②これらの機密情報は、匿名の提供者からドイツのある新聞社に提供されて、この新聞社とワシントンにある「国際調査報道ジャーナリスト連合」とが分析中である。今回4月初めの公開部分は、記者400人近くが参加してまとめたもの。
③日本の会社なども含めて「関係者」とおぼしき人々がしきりに「合法でしょう?」と煙幕を張り始めていますが、オバマ大統領はこう述べているそうです。
『税金逃れはこれまでもG7などで議論してきた。それらが合法であることが最も問題だ』

 そう、為政者にとっては税金が減っていくという問題は、やれることがどんどん少なくなっていくこと。これを防ぐ道は、消費税のような「不人気な大衆課税頼り」しかなくなりますしね。関連して、ペーパーカンパニー以前に、国、自治体による「法人誘致のための、税値下げ競争」というのもありましたっけ。パナマのみならず、こういう「金融」小国は他にもいくつかありましたよね。

(以上のうち①~③部分は、4月8日付の中日新聞記事の最も簡単な要約です)

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公共放棄国家こそ、義務を押しつける  文科系

2016年04月10日 16時16分19秒 | 国内政治・経済・社会問題

 今年はとうとう大学までが、その卒業式、入学式における国旗、国歌のことが問題になった。僕は無政府主義者ではないけど、右翼、保守派の方々の国家崇拝行動、その動機である崇拝感情のことは、いつも笑える。アメリカの軍隊映画に度々出てくる国家、国旗への「最敬礼」というのも同じだ。嘘理由ででっち上げたイラク戦争、その国旗、国歌に国民の尊崇を強制するようなものだろうし、太平洋戦争を聖戦と呼ばせてその先頭に立てた旭日旗への忠誠とともに進軍していったようなもんだ。そういう理屈に笑えるということと同じである。

 ちなみに、公務員、役人が、国民全体に最敬礼する理屈なら、まだ分かるけど、福島処理に見える官僚の不始末や、警察や議員の不祥事の多さやなどを観れば、彼らの公僕精神の方をこそ、逆に叩き直したいほど。だからこそ、彼らのこの「国家尊崇要求」にはさらにさらに笑えるばかりなのだが、この僕なりの原理的理由は、さらに次の通り。

 近代社会契約説によれば、国家って一種の契約書のようなものにすぎない。主人公である国民が、政府に「このようにせよ」と命じた命令。そういう契約書。それをその主人である国民に「尊崇せよ」と誰が命じることができるのか。そんなことは、原理的に成り立つはずがないことなのだ。ましてや、政府や文部大臣などがそんな「尊崇」の音頭を取る権限など原理的に存在しないはずである。したがって、こうなる。そういう理屈を通したい人々って、この得体の知れない「尊崇」があると都合の良い人たち。それでもって何となく国民を押さえて自分らが上に立つようにして、何かその言う事を聞かせたい政治家やその周辺の人たち。国家主義って、こういう人種が人為的に創りたいものなのだろう。
 そんな彼らが、どうして「(憲法には)権利ばかりが書いてあり、義務がない」とかを国民に改めて強調することが出来るのか。自民党憲法草案や、櫻井よしこの論議、その背景思想はここで破綻している。近代国家になっても、日本書紀のような国家(神話的)尊崇が都合がよいと振る舞っているようにしか、僕には見えないのである。甘利にせよ安倍にせよその他誰にせよ、政治家や官僚らの方が余程義務を忘れ、あるいは嘘ばかりついている。それを隠すために、国家尊崇を要求しているようにしか見えない。

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ハリルジャパン(63) 今夜、岡崎、CL出場決定  文科系

2016年04月10日 15時33分39秒 | スポーツ

 今夜9時半からレスター・サンダーランド戦があるが、NHK衛星第一は、この大事なゲームを映してくれないようだ。一日遅れの明日録画でやるらしい。今時、こんな「サッカー及び岡崎への人気妨害工作」とは、一体誰の陰謀なのだろう。以下のように大事なゲームなのに。

 今夜2位のトットナムは5位マンUと戦う。手負いの誇り高いファンハール・マンUも、来期のチャンピオンズリーグ出場権、「4位以内」が懸かっているので、もう必死に立ち向かうはず。これが勝つようなことがあれば、レスターの勝利を織り込めば勝ち点差が10に開く。レスターの相手の方が18位の降格圏にあり、これまで得失点差マイナス19と失点が極めて多いチームだから、得点力があるレスター勝利は極めて可能性が高いのである。そして、勝ち点差10ともなれば、レスターの優勝はもう決まったようなものだ。ゲームの残りはあと、5つ。レスターが3回負けてその間トットナムが全て勝っても、まだ順位が変わらないという事態になる。

 ちなみに、この失点が多いチーム相手に、「岡崎ハットトリック」なんてことにならないかな。明らかに監督の指示もあるようで、最上段に張って抜け出しを狙いつつ相手DFラインを押し下げる役割が多くなった岡崎である。バーディーやマレズでさえがその岡崎をよく見ていて抜け出しに合わせてクロスを送るようになっている。そんなわけで、岡崎は得点の臭いがどんどん高くになっているのである。楽しみ!

 なお今日は、レスターの来期チャンピオンズリーグ出場が決まる日でもある。5位のマンUが負ければレスターの勝敗に拘わらず勝ち点差が16に開いて、5位以下が残り5ゲームではレスターには追いつけなくなるからである。そしたら、「チャンピオンズリーグに岡崎!」と、その雄姿が観られることになる!今夜これが決定する。マンUが勝てばレスターの優勝?、マンUが負ければレスターの来期チャンピオンズリーグ出場と、今夜はそういう夜なのだ。

 日本人FWがヨーロッパチャンピオンズリーグ出場なんて、日本のサッカーファンには夢のような話になる。ちなみに、日本マスコミ界がアジアチャンピオンズリーグの話題性を小さくしているやり方への警鐘になればこの上ない幸いである。アジアチャンピオンズリーグに出ている4チーム、FC東京、浦和、広島、ガンバも、もっともっと頑張れ! 日本及び世界のマスコミ界も、実物文化がバーチャル文化に敗北していくかも知れないという危機感をもっともっと持つべきである。

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政治経済の泥沼化、2学者の意見   文科系

2016年04月09日 13時27分04秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 先日安倍政権が呼んだ世界的経済学者たちのことは、消費税値上げ先送り問題中心で騒がれてきた。が、スティグリッツにしてもクルーグマンにしても、そもそもが世界経済のことから説き起こして、その最大問題が何で、これを安倍政権がどうすべきかを語ったはずなのである。二人に共通した認識は、大事な順にこうである。

①世界の総需要不足こそ、世界長年の根本的な最大問題である。

②法人減税もマイナス金利も、投資や雇用などを促すことはない。よって①には全く、あるいはほとんど、寄与しない。

③消費税値上げも内需を冷やすから、反対である。世界経済にも良くない。

④TPPはいかがわしい貿易協定だ(スティグリッツ)。マイナス金利よりもなによりも、今は財政出動で需要拡大を目指すしかないだろう(クルーグマン)。

 なお、安倍政権が「アベノミクス」の基礎理論と観ていたのはクルーグマン理論。そのご本人自身が、三本の矢の失敗を今回初めて認めたとも言える。これは、極めて重要なことであると考える。

 世界総需要がずっと不足しているので国家予算でどんどん軍事をふやしていくという、特にアメリカを(そして近くにはおそらく中国をも)中心としたそんな形の「需要創造」は不健全この上ない。アメリカ国家の累積債務は8000兆円だし、年間軍事費が6100億ドルという数字が、この不健全さの何よりの証拠だ。思い切ってどこかで歯止めをかけないと、世界諸国が健全な需要に切り替える事さえも不可能になるだろう。つまり、あちこちで戦争が起こり始める。米国の戦争政策、「共産主義との戦い」「テロとの戦い」(この異なった二つは、同じ「本質」を持った戦争と呼べるのだろうか)は、すでにその末路と言えるはずだ。

 スティグリッツは国連に期待しているようだけど、クルーグマンの「国家財政出動頼み」も長く続けられる訳はないのである。
 世界の総需要という小さなパイを世界各国の膨大な経済力で奪い合って、アフリカとか南欧とかの弱い国には失業者が無数、一見強い先進国にも不安定雇用者ばかりという今の「豊かな」世界は、ケインズやマルクスなどから観たら地獄とも見えるはずだ。国連で、世界の総需要を増やすよう話し合い、そのために世界が協力し合って行くしかないと思う。丁度、戦争違法化は国連で取り組むしかないように。こういう世界総需要創造の話し合いに向けても、国連の戦争違法化の歴史を今や無視し始めているアメリカが大きな壁になっているのである。

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新聞の片隅に載ったニュースから(227)    大西五郎「

2016年04月08日 09時09分28秒 | Weblog

「視聴者の会」にTBSコメント 「看過できない行為」(16.4.7朝日新聞)

  TBS系の番組を「放送法違反」などと主張してきた「放送法遵守を求める視聴者の会」について、TBSは6日、「見解の相違を理由に弊社番組のスポンサーに圧力をかけるなどと公言していることは、表現の自由、ひいては民主主義に対する重大な挑戦であり、看過できない行為であると言わざるを得ません」とするコメントを出した。

 同会は1日、放送時間に基づく独自調査の結果として、「TBSによる安保法制報道は、局を挙げての重大かつ明確な放送法違反」などとする声明を発表。声明への回答をTBSに求め、回答の内容によっては同局のスポンサーに働きかける国民的な運動の展開を検討するとしていた。

 TBSは「少数派を含めた他様な意見を紹介し、権力に行き過ぎがないかをチェックするという報道機関の使命を認識し、自律的に公平・公正な番組作りを行っております」としている。

 

□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

 

朝日新聞の記事では、「視聴者の会が4月1日に声明を発表し、TBSに回答を求めた」とありましたが、私はそのニュースを聞き逃したり、記事を読み落としたと思い、翌2日の朝日、毎日、中日各紙を読み返してみましたが、そのような記事は見当たりませんでした。

インターネットで各紙の報道記録を見ても、6日のTBSの回答は載っていても、1日の視聴者の会の声明についての記録は産経新聞を除いてありませんでした。そこで視聴者の会のホームページの「活動の記録」を開いたところ、「記者会見を開いて声明を発表した。マスコミも取材にきた。」という記述があり、A4で6頁にわたる声明も載っていました。声明では、TBSの報道を放送法第4条(政治的公平性、多角的論点の提示)に違反していると決めつけ、TBSに対して「放送法に違反していることを認めよ。視聴者、スポンサー企業にどのような責任をとるのか。経営陣は責任をとれ」と迫り、BPO(放送倫理・番組向上機構)に対しても、「TBSの放送法違反の原因を究明し、再発防止の勧告を出すべきである」などと一方的な主張が並んでいます。スポンサー企業に対しても、「TBSが4月8日までに誠意ある回答を寄越さなかった場合には、各企業に調査報告書を送り、スポンサ-企業の判断で適切に判断することを望む(つまりスポンサーを降りろ)」としています。新聞社はこのような一方的な声明の価値を測って、記事にすることを止めたんだと思います。

これまで新聞では放送法遵守を求める視聴者の会の問題点の指摘、キャスターの声明などは報じられました。しかし放送局側の反論などが表明されませんでしたが、やっと出てきました。

「放送法遵守を求める視聴者の会」というのは、上智大学名誉教授の渡辺昇一氏、作曲家のすぎやま こういち氏ら右派の論客が呼びかけ人で、事務局長は文芸評論家の小川栄太郎氏。この人は「安倍晋三総理大臣を求める民間有志の会」の発起人で、「約束の日 安倍晋三氏論」などの著書があり、占領軍によって日本の文化が壊されたと、自分の著作に歴史的仮名遣いを用いています。放送法遵守を求める視聴者の会は安倍派の集まりです。        

                                   大西 五郎

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ハリルジャパン(62) ACLで、浦和レッズとFC東京が大健闘!  文科系

2016年04月07日 10時20分12秒 | スポーツ

 現在6ゲーム中4ゲームまで終わったアジアチャンピオンズリーグのグループ予選が、とても面白いことになっている。強いと思われたガンバ大阪や広島が苦闘中で、FC東京が首位、浦和が強豪揃いの中で2位と健闘している。ガンバなどは1勝もできず、2敗2引き分けの最下位なのである。目立った特徴、傾向を上げてみたい。

 ガンバ最下位は、これまで名を聞かないある中国クラブに2連敗したことによるもので、このチームが恐ろしく強い。上海上港という聞いたこともない名前だが、強いのなんのって対戦2ゲームでガンバの1対4という有様。身体が頑強でデュエルに強いし、シュート技術などもある上に最後までダッシュが続けられると言ったチーム。去年アジアで優勝した広州恒大よりも強いのではないか。ちなみに、テレビ中継でアップされた上海上港の監督を観て、驚いた。スベン・ゴラン・エリクソンと言うスエーデン人で、往年のイタリア各クラブの名監督として名を上げラッチオではセリエA優勝、後にイングランド代表初の外国人監督として日韓W杯、ドイツW杯のイングランドチームを本戦出場に導いた名監督である。 中国は今、世界の名監督が集まっているようだ。現在の中国クラブの強豪・広州恒大の監督は、有名なブラジル人のルイス・フェリッペ・スコラーリ。こちらは元ブラジル代表監督である。

 去年アジアで優勝したこのチーム、広州恒大と今回同じグループに入ったのが浦和。そして、これと既に2戦を終えているが、浦和の1勝1引き分けで、合計得点は3対2。1対0で終わった第2戦を観たが凄まじい死闘であって、浦和は本当によく戦った。特に、槙野などDF陣の粘り強さが特筆もの。国同士の闘い、それも最後には世界一クラブまで行ける大会というものは、その強豪同士の闘いは、攻守の最後一瞬が勝敗を決めるとつくづく感じたところである。最後の一歩、最後1センチでも抜け出し、あるいは脚を出すこと。これが勝負を分ける光景がとても多かったのである。「あの脚が出ていなかったら、敵のシュートはポスト直撃ではなく、得点になっていたろうに」と、そんな感じなのである。
 浦和は本当によく堪えた。これがスポーツの醍醐味の一つなのだと、ちょっと感動ものの闘いであった。日本一の浦和ファンには心からスバラシイ!とお伝えしたい。
 東京の首位をくさすつもりはないが、ここの中国の相手は上海上港や広州恒大よりはかなり日本人向きにできているというか、とにかく今風に言えばインテンシティー(厳しさとか、集中度と言うような意味)が少ないように感じたものだった。

 最後になるが、今の中国クラブは日本クラブが苦手としていた韓国クラブと較べても凄く強くなっている。中国と韓国を観ると、アジアはもはや日本一強の地域ではなくなったと思う。優勝の第1候補が上海上港で、あと日本チームと広州恒大が続いているということではないか。もちろん、韓国チームもオーストラリアチームも強くなっている。

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新聞の片隅に載ったニュースから(226)   大西五郎

2016年04月06日 18時54分22秒 | Weblog

愛知教育大 入学式で国歌を斉唱 東海3県国立大法人化後初16.4.5毎日新聞)

 刈谷市の愛知教育大で4日、入学式が行われ、同大入学式で初めて国歌が斉唱された。東海3県の6国立大では、3月23日の同大卒業式での斉唱に続くもので、2004年4月の国立大学法人化以降では初めて。

 式場の講堂ステージには国旗も掲げられた。開式の辞に続き国家が斉唱され、新入生1126人らがCDの伴奏で歌った。

 国旗掲揚と国家斉唱は昨年6月、下村博文・文部科学相(当時)が、国立大学協会の学長会議で入学式と卒業式での実施を要請し、議論を呼んだ。

 新入生の男子学生(18)は「小中高の入学式や卒業式、スポーツ大会開会式で歌ってきたから、違和感はない」と明かした。入学式後、後藤ひとみ学長は「大学独自の判断で決めた。小中高校では学習指導要綱に沿って国歌を斉唱しており、その教員を養成する大学で行わない理由はない」と話した。

 一方、松田正久・同大前学長(68)は「大学の自治を守ってこそ学問の自由や批判精神が保障され、大学の存在価値がある。これで愛教大は戦前の師範学校に逆戻りしたと言わざるを得ない」と批判している。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

 安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を唱え、日本国憲法は占領軍が押し付けたもので、これを否定します。それを請けて昨年6月下村文部科学相が国立大学学長会議に卒業式・入学式での国旗掲揚と国歌斉唱を求めました。これについては「学問の自由を束縛するものだ」などの反論もありましたが、国立大学ではその反応が分れました。記事にあるように愛知教育大学は“理屈をつけながら”文部科学省の指示に従がいました。岐阜大学は3月の卒業式では「君が代」ではなく、愛唱歌の「我等多望の春にして」を送られる者、送る者が一緒に歌いました。

戦争中に学校生活を送った私としては「君が代」を国歌として歌うことに戸惑いを持っています。「我が大君に召されたる 命栄えある朝ぼらけ 讃えて送る一億の歓呼は高く天を衝く いざ征けつはものニッポン男児」(出征兵士を送る歌)を歌い、「天皇陛下のためならば何で命が惜しかろか」と歌わされた世代の私としては、素直に「君が代」を国歌と認め難いのです。

名古屋大学も5日に入学式を行いましたが、国旗の掲揚と国歌斉唱は行わなかったようです。NHKが5日夕方のニュースで「名古屋大学で入学式が行われました」と伝えましたが、国旗と国歌のことには触れませんでした。しかし映像から、講堂の正面には国旗の掲揚はありませんでしたし、国歌斉唱の場面もありませんでした。文部科学省が大学に国旗掲揚・国歌斉唱を提起して問題になっているのですからその点に触れるべきだったと思います。

高市総務相の「偏向した放送をした局の免許を取り消すことがある」という発言以来、放送が萎縮しているのではないかという指摘がされていますが、この入学式報道がそうでないことを願いたいと思います。

                               大西 五郎

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泥沼に沈むのか、GPIF    文科系

2016年04月06日 00時17分33秒 | 国内政治・経済・社会問題

 5日の株式を日経新聞ニュースがこう伝えた。

『 2016/4/5 15:07 日経新聞
 5日の東京株式市場で日経平均株価は6日続落し、前日比390円45銭(2.42%)安の1万5732円82銭で終えた。年初来安値を付けた2月12日(1万4952円)以来、約2カ月ぶり安値を付けた。外国為替市場で1ドル=110円台後半に円高・ドル安が進行し、企業業績への影響を懸念した売りが幅広い銘柄に出た。東証1部の売買代金は概算で2兆2797億円(速報ベース)だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕』

 「6日続落」とか、年初来2番目の安値とか。これでもまだ、GPIF(年金基金の運用事業当局)が懸命に支えているという意味では「人為的高値」なのである。既に損益5兆とか聞くが、これからまだ、GPIF基金からどんどん損益が出ていくことだろう。それでも今はまだ、過去に出した利益の方がかなり多そうなのだが、これからはもうそうも行くまい。つまり、どんどん損が出ていく泥沼からどうやって抜け出せるのか。その成算など、ゼロのはずだ。そもそも、2月12日の激しすぎる下落、安値(14、952円)は当ブログ12日拙稿でも扱ったが、これをどう理解したらよいのだろうか。GPIF自身が何かの思惑で演じたものだったのか、はたまたアメリカのファンド(連合の)空売り画策でも成功したのだろうか?

 いずれにしても、シェールバブルが弾けたことだけは確かなのであって、今はそのソフトランディングを目指している真っ最中であるというのは、全く変わりないこと。だからもう一度、訝る。GPIFは、どんどん損が出ていく泥沼からどうやって抜け出せるのか。こんな大株主が大損を避けることが出来るとしたら、一般投資家に大損させることになるのだろうし。そうしたら、個人資産が多い日本は、その運用景気も含めて、まさに地獄だ。日米ともに不安定雇用が多いのに、さらにこれが増えていくのか、それとも失業者が南欧並みになっていくのか。供給サイド経済がどん底まで行き詰まったということだけは確かだろうから、国連レベルで余程の反省をしないと人類の未来自身がお先真っ暗になってきたと言える。

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的確至極の、アベ政権批判    文科系      

2016年04月05日 18時48分11秒 | 国内政治・経済・社会問題

 中日新聞夕刊一面「紙つぶて」は、数人の識者が順に書いていくコラム。本日夕刊は上智大学教授、中野晃一さんとありました。政治学関係の方らしいです。今の安倍政権をよく観測、記憶した結果を短く表現して、これ以上のものは望めないという的確さに驚きました。
 例によって、この新聞内容を全国に発信したいと思います。
 東京で民主主義伸張を願う方々は、姉妹新聞である東京新聞に換えるのがよいと確信しています。
 なお僕は、中日新聞とは何の縁もゆかりもない者。今でもこの新聞の文化面などについては、古くさいという意味で質が低いといつも読んでいるところです。野球記事が多すぎてサッカー記事はグランパスばかりだし、若い人がほとんど観ていない歌舞伎の紹介などを押しつけるかの姿勢にも辟易としてきました。僕は特に「文化の世襲制って、一体何なんだ!」と腹が立つという人物ですから。また、宗教面を置くなら、「無宗教理論」とかそういう随筆なども載せないと不公平だろうと腹を立てている人でもありますし。スポーツも含めた文化にも民主主義を標榜するのなら、「その文化を活動している人、鑑賞している人」の多さをこそ尊重すべきだろうと観てきたものです。軽登山、ランニング、大小のサッカー教室などの人口を改めて調べてみたらどうだろうと、改めてお勧めしたい気持ちです。

 だが、なんと言っても、全国紙政治部は、今の政権下ではどんどんアベに取り込まれているのですよね。そんな意味で、安倍が嫌いなら、全国紙は止めるべきだ。抽象的なアベ批判はあっても、政治の本当のこと、判断に必要な資料が分からないようにされていくと確信しています。以下にご紹介するこのコラム末尾も、そういう全国紙批判で結ばれているという、この見事さ!


『  争点隠し   中野晃一
 この政権は選挙に勝ちさえすれば、何をやってもいいと考えるているので、やる気もないことを約束したり、逆に、やらないとうそをついたりすることも平気なようです。争点隠しに熱心で、正面から民意を問う謙虚さはみじんもありません。
 特権階級と化した世襲政治家たちと、彼らにこびへつらう取や巻きが、今の自民党の主流です。広範な国民の支持を得ようなどとは考えず、野党を分断し、有権者に嫌気や無力感を与え、低投票率となれば、一人区(小選挙区)の魔法で圧勝できるとタカをくくっています。そのためには野党の政策の上っ面を盗むゴマカシが有効です。
 二〇一二年十二月に政権復帰した選挙の際は、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加反対、脱原発依存などをいけしゃあしゃあと掲げる一方、特定秘密保護法を制定するとはひと言も公約に書かなかった自民党です。二年程度で2%と言っていた物価目標の達成もいまだにめどが立ちません。 
 野党共闘が整ってくる中、アベノミクスの失敗、格差の広がり、スキャンダルが次々と明るみに出始めると、その場しのぎの争点隠しが始まりました。辺野古の工事中断、同一労働同一貸金、保育所の待機児童対策、給付型奨学金、消費税増税の先送りなど、まじめに政策を作る気はありません。報道は、単に大本営発表をなぞるのではなく有権者のための調査や検証を。 (上智大教授) 』

 

 

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随筆紹介 「世代交代」  文科系

2016年04月04日 03時33分41秒 | 文芸作品

   世代交代    M・Aさんの作品  

 すでに桜が咲き始め、先日も浜名湖の公園で見ることができた。
 だが、今年早々に父が亡くなり、あれやこれやと雑用があって毎日忙しく、体調も思わしくない。こうなると、口を開けば愚痴ばかり。文章を書いても同じことなので、どうも書けなくなる。昨年も欝々とした春だったが、今年はさらにもの憂い。
 一番の要因は、避けられない老いと病気の現実が周囲にも溢れていることだろう。私が趣味で参加している会の構成員は平均七十代後半となるのだろうか。自然に「生老病死」と向き合わねばならない。私自身も背中の痛みで検査するが、原因がつかめないことに不安がある。
 以前にも春愁三首という『万葉集』の中にある大伴家持の歌を紹介したことがあるが、この一首に尽きる思いである。

  うらうらと照れる春日にひばりあがり
  情(こころ)悲しも ひとりしおもへば (万葉集 巻十九・四二九二)
                  
 そんな中で、下の息子の子遥仁(はると)(十一か月)だけが生きとし生ける者としての生命力と成長、進化を感じさせてくれる。以前同人の方が乳幼児の成長ぶりに、洞察の眼を向けてエッセイを書かれたのもうなずける。
 だが、ときの流れは生命体の新旧入れ替わりを残酷にも強く、人の一生として思い知らされるのだ。父が危篤のとき、父に三人いるひ孫のうち、遥仁だけが見舞ってくれた。私も一緒に病院にいた。医療機器に繋がれて目を閉じたままの父と、生まれて間もない赤子との対照が強烈に焼き付いている。生命体としての人もまた、ときと共に入れ替わっていく。それは、自然の摂理のひとつであるだけ。
 古代の人も、春の桜の季節などに枝を折ってかざしにしたのは、自然の生命力を取り入れて長寿を願ったという。ならば、私も嘆くのではなく、花見にでも行ってみようか。

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孫崎享講演に行ってきた   文科系

2016年04月03日 14時32分32秒 | 国内政治・経済・社会問題

 昨日、孫崎享の講演を聴いてきた。15ページびっしりのレジュメも用意された3時間に及ぶ講演・質疑応答という形で進行されたものだ。が、彼の本を3冊読んでいる僕としては真新しい内容はなかったし、準備不足なのか話もちょっと散漫に感じたものだが、良い話をいくつか聞いた。

 孫崎と金子勝慶大教授と堤未果とが、ツイッター仲間だと語ったのである。三者のものを良く読んでくれという注文を付けがてらのことだった。僕がこの3者それぞれをずーっと読んできただけではなく、ここでも何回か紹介してきたというのは、当ブログを検索(右欄外最上段の「検索」「当ブログ内」からは入れます)していただければ明らかなこと。金子は現代世界経済分析内容、その「全世界的な総需要の創造という重要な意味も付与されたグリーンニューディール政策重視」などの姿勢に惹かれ、堤はアメリカ世界戦略を学ぶために、孫崎は言わば戦後政権の対米従属に対する内部告発・批判者として、それぞれ引き寄せられたのだった。彼らの本はいずれも、僕にとって大事なことが学べて、また面白かったのである。

 また、孫崎から次の人物の名前が挙がったのにも驚いた。進藤榮一である。その「アジア力の世紀」という好著作を14年5月6、8日などにここで要約・紹介したことがある。孫崎は進藤のこんな興味深い功績を挙げていた。終戦直後の昭和天皇の重大発言を探し出してきたという功績とのこと。
「アメリカが望むなら、今後50年間沖縄をアメリカに渡しても良い」 

 「民主党は酷い点もあるけど、とにかく野党共闘選挙を!」という言葉が、凄く大きく耳に残っている。今の情勢の下では、次の選挙への多数野党協力が成功しなければ野党(と国民)冬の時代が来ることは間違いない。野党たるもの、後になっていくら当時も力いっぱい戦ったのであると叫んでみても、政党として最も大切な世を変える力が決定的な時までずっと創れなかったという歴史的事実は確かに後世に残るのである。戦前と同じように。同時選挙になっても、選挙協力は最大限に進めるべきである。これができなかった政党は唯我独尊の身の程知らずとも言えて、無能という意味で客観的には国民に大変な害を与えたという誹りを後世免れることはできないだろう。孫崎が最も強調していたこともここだと、聴いた。

 この月1ほどの講演シリーズ、10月15日には同日選挙野党共闘に向けての要のお1人、小林節慶大教授が来るので、これも予約してあるが、次回の同日選挙は、本当にどうなるのだろうか。悩ましいところである。

 

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ハリルジャパン(61) 岡崎、今夜、衛星第一生中継  文科系

2016年04月03日 12時27分25秒 | スポーツ

 岡崎のレスターが、奇跡の優勝にまた一歩近づいた。2位のトットナムが、昨夜第32節でリバプールと引き分けたのである。勝ち点を1積み上げただけで、62。そして今夜、レスターは吉田麻也のいるサウザンプトンと第32節を闘い、これに勝てば69になる。残るゲームは最終の38節まで、あと6つ。イングランドというよりも、ヨーロッパ全体を大騒ぎさせている歴史に残る奇跡の優勝が、果たして実現するのだろうか。歴史的にほとんど2部リーグ以下に在籍してきたチームが久々に1部に上がって2年目のこの快挙なのである。英国、ヨーロッパ全体にも判官贔屓は多いと見えて、優勝を争うチームの関係者以外はみんなレスターの優勝を待ち望むという熱烈一大パノラマが現出している。

 そんな今夜また、NHK衛星第1で11時から、レスター・サウザンプトン戦が生中継されることになった。この観戦に僕が被り付きだと知っているお婿さんが「一緒に観よう!」と1週間前から申し出てくれた。嬉しかった! 二人でワインを傾けながらの観戦になる。   

 さて、この快挙とともに岡崎の話題が日本スポーツマスコミにもこれでもかとばかりに躍り出てきた。代表のシリア戦でも代表100ゲーム達成記念とかでキャプテンマークを付けたし、ハリルも岡崎をベタ褒めだし、長年の岡崎「追っかけ」としてはもうウハウハだ。

 ところで、先日のアフガニスタン戦で、こんな「見所」があった。ツートップを張り合った金崎は、同じ神戸滝川第2高校サッカー部1年生として3年生の岡崎と同時在籍期間があったのだ。それかあらぬか、凄く息が合っているように見えた。前で鋭く猛烈に突っ込んでいくアグレッシブな金崎と、一歩引いてボールを繋いだり抜け出したりと駆け引きに励んでいる岡崎。目を見張るようなコンビに見えたのは気のせいではない。と、この二人に触れ始めたのは、或るとても興味深いエピソードを語るため。

 岡崎と金崎の滝川高校監督が「二人はとても似ている」と語ったものを読んだ。この結論だけなら、僕にはエッという感じしかない。同じように闘志を燃やしていても、これを内に秘めた岡崎と「ギラギラ」と発散する金崎とで、何が似ているのか。見るからにスピードもあって運動神経の塊に見える金崎と、もとは鈍足に加えて「不器用」な岡崎。この二人が実は、「課題発見能力」と「課題解消能力」とが高校在学時代から取り分け目立っていたのだそうだ。当たり前すぎる後者はともかく、僕は前者に目を見張り、すぐに納得。どんな学問研究に於いても、こういう最大の格言が一つあると聞いてきたからである。「問題、課題を自分に対して正しく提起できれば、もう解決は見えたも同じことだ」

 プロになってからすぐに、プロ最底辺選手から全日本クラスへという急激な上達を示して行った二人。その原因がここにあったのかという思いだった。清水入団時は6番目だかのFWだった岡崎。神戸の高校から九州は大分まで下って行った金崎。「鳴り物入り」入団選手とは全然違うこの二人が今やナショナル・チームの、しかも、近年の代表としては珍しい2トップを張ったのである。こんな二つのサクセスストーリーが、同じ高校と、そこの監督の「課題発見能力」解説とに帰結したというのが、僕にも凄く面白かった。

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随筆紹介 「大正の育メン」   文科系

2016年04月02日 09時08分47秒 | 文芸作品

 「大正の育メン」  M・Aさんの作品です 

 小正月過ぎて、この冬一番の寒波襲来との気象予報をニュースで聞いた深夜だった。父が亡くなり、早朝急いで実家に着いた頃はまだ冷たい雨だった。日頃使ってない仏間は、暖房があっても底冷えがする。
 二日の通夜を経て葬儀となった日は、名古屋で九センチの積雪。葬儀場は近くなので私の家族は歩いて行けたが、埼玉の姪や東京から来た甥はほとんど葬儀に間に合わず、親族中心のわずかな人で送ることになった。

 施設で四年以上過ごした認知症の父は、老衰で享年九十一歳だったので、六十六歳で亡くなった母のことを思えば大往生だと思う。
 だが、これから色々と始まる。葬儀に伴う事務処理はなんとか終わっても、認知症だった父の後見人で喪主を務めた弟に、経済的基盤が少ないのである。もちろん、家や賃貸住宅の収入などはあるが、ほとんどが父名義のものなのだ。ある程度は借り入れで相続減税対策もしたが、父の認知症から年月が経ち、遺言もなくて父名義のままで逝ってしまった。つまり、終活がなかった。
 考えてみると、六十代後半の私も、身体の機能や気力、記憶が極端に衰えていることは自覚していても、いざというと父と少しも変わらず終活も何もしていないのに気づく。

 それにしても、ほとんど病気もせずに長寿で往生した父のことを改めて考えると、大正生まれなのに育メンだったことに気付いた。核家族で母は趣味も多く、旅行にも出かけて留守が多かったけど、父はその母を評価していた。
 幼いとき、私と妹を風呂に入れるのも、夜間屋外のトイレに連れて行くのも父だった。母が旅などで不在のときは、「味噌汁できたし、洗濯ものも干したぞ」と起こしに来た父。今の時代でこそ育メンは当たり前だが、大正生まれの父はすでに育メンだった。なので、母が亡くなっても、日常生活は困らなかった。
 ともすれば母と比べて、趣味も少なくて平々凡々と暮らしてきた人だと思ってきたが、子煩悩で家族思いの人であった。初孫である長男の送迎を往復二時間以上かけて年に何度してくれたことだろう。市の水道局で働き、私たち子ども三人が大学を卒業する頃、「わしゃ、幸せだよ」と満面の笑みを浮かべて他人に話せるなんて……。
 私にそうした感謝の気持ちはあるのか。趣味三昧でいつも忙しがって疲れている人生のどこに、父の人生と比較できるものがあるというのだろうか。価値観の違いだろう。

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