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パナマ文書(2) 「日本関連、調査しない」と政府   文科系

2016年04月13日 01時17分04秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 中日新聞12日夕刊一面の常設コラムにまた上智大学教授、中野晃一さんの文章が載った。昨日も書いたパナマ文書がそのテーマである。具体的な数字や証言を織り込んで、例によって日米為政者にはなかなか厳しい文章である。全国に発信するために、全文そのままお伝えしたい。

『  グローバルな寡頭支配   中野晃一
 タックスヘイブン(租税回避地)での法人設立を代行するパナマの法律事務所の内部文書が流出し、ロシア、英国、中国などの支配層の資産隠しが海外メディアをにぎわわせています。プーチンロシア大統領やキャメロン英首相、習近平中国国家主席らは、自国民とよりも支配層同士のほうが利害を共有していることをパナマ文書は暴いています。富と権力が結託する寡頭支配(少数派支配)が、グローバルな規模で展開しているのです。
 今のところ米国や日本での報道が、割と抑制的なのが目立ちます。しかしこれは日米の富裕層が資産隠しをしていないからではありません。パナマの一法律事務所はまさに氷山の一角にすぎず、米国に至っては国内にさえ租税回避の策がふんだんにあります。日本では遠い国の事件のように報道されていますが、すでに日本を拠点とする約四百の企業や人の名前が浮かんでいるわけですから、本当は重大な国内問題です。しかし各国政府が調査を開始する一方で、菅義偉官房長官は、政府として調査する考えはないと開き直っています。
 これは実は、環太平洋連携協定(TPP)問題とも重なります。支配層が国民にうそをつき、隠し、富を巻き上げる。安倍政権というと復古的な愛国心の押しつけが目を引きますが、国境を越えて癒着する政官業エリートの一角を成していることも見落としてはなりません。(上智大教授)』

 日米の敵のような個人の所得隠しよりも、ペーパー会社による大会社の租税逃れこそが肝腎の世界的大問題。こんなことは90年代初めはまだ非合法だったもの。それをその後に強引に合法にしただけだったはずだ。オバマも述べているように、この合法化こそおかしかったのである。この格差社会で、大会社が税を払わなかったら、やせ細るだけの国家財政では民主主義国家としての施策が世界的にどんどん出来なくなってきたはずだ。日本政府が隠しても、日本関係400の団体、個人のことは必ず暴かれると信じている。そして、「自浄能力がない日本」が世界に示されるだけのこと。そうなることを切望する。

コメント (2)
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