昨日、孫崎享の講演を聴いてきた。15ページびっしりのレジュメも用意された3時間に及ぶ講演・質疑応答という形で進行されたものだ。が、彼の本を3冊読んでいる僕としては真新しい内容はなかったし、準備不足なのか話もちょっと散漫に感じたものだが、良い話をいくつか聞いた。
孫崎と金子勝慶大教授と堤未果とが、ツイッター仲間だと語ったのである。三者のものを良く読んでくれという注文を付けがてらのことだった。僕がこの3者それぞれをずーっと読んできただけではなく、ここでも何回か紹介してきたというのは、当ブログを検索(右欄外最上段の「検索」「当ブログ内」からは入れます)していただければ明らかなこと。金子は現代世界経済分析内容、その「全世界的な総需要の創造という重要な意味も付与されたグリーンニューディール政策重視」などの姿勢に惹かれ、堤はアメリカ世界戦略を学ぶために、孫崎は言わば戦後政権の対米従属に対する内部告発・批判者として、それぞれ引き寄せられたのだった。彼らの本はいずれも、僕にとって大事なことが学べて、また面白かったのである。
また、孫崎から次の人物の名前が挙がったのにも驚いた。進藤榮一である。その「アジア力の世紀」という好著作を14年5月6、8日などにここで要約・紹介したことがある。孫崎は進藤のこんな興味深い功績を挙げていた。終戦直後の昭和天皇の重大発言を探し出してきたという功績とのこと。
「アメリカが望むなら、今後50年間沖縄をアメリカに渡しても良い」
「民主党は酷い点もあるけど、とにかく野党共闘選挙を!」という言葉が、凄く大きく耳に残っている。今の情勢の下では、次の選挙への多数野党協力が成功しなければ野党(と国民)冬の時代が来ることは間違いない。野党たるもの、後になっていくら当時も力いっぱい戦ったのであると叫んでみても、政党として最も大切な世を変える力が決定的な時までずっと創れなかったという歴史的事実は確かに後世に残るのである。戦前と同じように。同時選挙になっても、選挙協力は最大限に進めるべきである。これができなかった政党は唯我独尊の身の程知らずとも言えて、無能という意味で客観的には国民に大変な害を与えたという誹りを後世免れることはできないだろう。孫崎が最も強調していたこともここだと、聴いた。
この月1ほどの講演シリーズ、10月15日には同日選挙野党共闘に向けての要のお1人、小林節慶大教授が来るので、これも予約してあるが、次回の同日選挙は、本当にどうなるのだろうか。悩ましいところである。