路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:①TPP発効 自由貿易強化へ加盟国拡大を

2018-12-31 06:05:30 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【社説】:①TPP発効 自由貿易強化へ加盟国拡大を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:①TPP発効 自由貿易強化へ加盟国拡大を 

 公正で高度な経済ルールを世界に行き渡らせ、自由貿易体制の強化につなげていきたい。 

 日豪など11か国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)が、手続きを終えた6か国で発効した。

 関税撤廃に加え、貿易や投資、知的財産権などに関するルールが整った。成長著しいアジア太平洋地域でモノや資金の流れが円滑になる意義は大きい。

 日本の消費者や企業は、TPPで多くのメリットを得る。輸入牛肉の関税は、38・5%から27・5%に下がった。16年目で9%になる。カナダへの乗用車輸出は5年目に関税が撤廃される。

 2月には、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)も発効する。TPPとEPAを輸出入拡大の好機とすべく、企業と生産者は、実効性の高い投資計画や販売戦略を練ることが大切になる。

 トランプ米政権は自国第一主義を掲げ、TPPから離脱した。制裁関税を一方的に課すなど、身勝手な振る舞いを続け、自由貿易を蔑ないがしろにすることは許されない。

 参加国が自由貿易の恩恵を享受することは、保護主義政策を進める米国への圧力になるだろう。

 TPPは、経済と軍事の両面で域内の覇権を握ろうとする中国を牽制けんせいする役割も担う。

 協定には、中国を念頭に知的財産権の侵害を防ぐ規定なども盛り込まれた。将来、TPPのルールが国際標準になれば、こうした行為を中国は続けにくくなる。

 世界にTPPルールを広げるには加盟国の拡大が欠かせない。

 11か国は来月、新規加盟について協議を始める。タイや英国などTPPに関心を持つ国は多い。

 日本は米国離脱後のTPP交渉を主導した。加盟交渉でも指導力を発揮することが求められる。

 他の経済圏の構築に力を入れ、自由貿易体制をより強固にすることも日本の重要な課題になる。

 中国やインドが参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の妥結を急ぐべきだ。

 日本は来月にも米国との物品貿易協定(TAG)交渉を始める。米国は農業の市場開放や、通貨安誘導を制限する「為替条項」の導入などで、TPPを上回る成果を上げようとする可能性がある。

 TPPの合意内容は、参加国が長年の交渉の末に至った、ぎりぎりの落とし所だ。TPPを超える譲歩は避けねばならない。

 TAGを同水準の内容にすれば、米国が将来、TPPに復帰する素地を残すことにもなろう。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年12月31日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【TPP】:先行6か国で発効…21世紀型新ルール

2018-12-30 00:01:00 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【TPP】:先行6か国で発効…21世紀型新ルール

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【TPP】:先行6か国で発効…21世紀型新ルール

 日本や豪州など11か国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)が、30日午前0時に発効した。関税の撤廃・削減や投資の自由化、知的財産権の保護などを含む「21世紀型の新ルール」を掲げる経済圏が誕生する。今後の国際標準となることが期待される。 

 11か国は域内人口約5億人、国内総生産(GDP)は約10兆ドル(約1100兆円)で、世界の約13%を占める。

 30日の発効は日本のほかメキシコ、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、豪州の6か国。ベトナムでは1月14日に発効し、ペルー、チリ、ブルネイも近く手続きを終えるとみられる。マレーシアは国内調整が難航している。

 TPPは2010年、米国など8か国で交渉を開始。日本は13年に交渉入りし、16年に12か国で署名した。17年1月にトランプ米大統領が離脱を決めたため、米国を除く11か国で協議をやり直し、今年3月に11か国で署名した。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 経済 【企業・産業・環太平洋経済連携協定(TPP)】  2018年12月30日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【JA会長】:TPP対策を継続要望 「農業への影響は当然ある」

2018-12-24 18:05:30 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【JA会長】:TPP対策を継続要望 「農業への影響は当然ある」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【JA会長】:TPP対策を継続要望 「農業への影響は当然ある」 

 全国農業協同組合中央会(JA全中)の中家徹会長(69)は24日までに共同通信のインタビューに応じ、今月30日に発効する環太平洋連携協定(TPP)で「農業への影響は当然ある」と指摘した上で、政府に継続した対策を要望する考えを示した。

 インタビューに答えるJA全中の中家徹会長

 インタビューに答えるJA全中の中家徹会長

 中家会長は農業の市場開放について「不安はあるが、日本は貿易立国でやむを得ない部分もある」と一定の理解は示した。ただ「農家に負担のかかる部分は万全の対策をしてほしい」と政府に訴えた。

 国はこれまでTPP対策で1兆円近い予算を計上。2018年度の第2次補正予算でも3千億円規模を投じる見込みだ。(共同)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 経済 【企業・産業・全国農業協同組合中央会(JA全中)】  2018年12月24日  18:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【米国】:対日FTAを視野 副大統領、サービス分野も

2018-11-13 18:43:30 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【米国】:対日FTAを視野 副大統領、サービス分野も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【米国】:対日FTAを視野 副大統領、サービス分野も

 来日中のペンス米副大統領は13日、安倍晋三首相との会談後の共同記者発表で、来年始まる日米の新たな貿易交渉について、最終的に包括的な自由貿易協定(FTA)の締結を視野に入れていることを鮮明にした。日本の貿易障壁に不満を示し、物品だけでなくサービス分野の協議も含むと明言した。物品だけの交渉に限定したい日本側との溝は深く、難しい交渉になるのは必至だ。

 会談後、共同記者発表するペンス米副大統領(左)と安倍首相=13日午後、首相官邸

 会談後、共同記者発表するペンス米副大統領(左)と安倍首相=13日午後、首相官邸

 ペンス氏は、日米の貿易交渉が妥結すれば「物品だけでなく、サービスを含む重要分野について規定することになる」と述べた。日本との協定は「インド太平洋のモデルになる」とも語った。(共同)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 経済 【企業・産業・北米・トランプ政権、日米の新たな貿易交渉】  2018年11月13日  18:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【安倍首相】:日米、貿易交渉「双方の利益に」、副大統領と確認

2018-11-13 13:55:30 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【安倍首相】:日米、貿易交渉「双方の利益に」、副大統領と確認

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍首相】:日米、貿易交渉「双方の利益に」、副大統領と確認

 安倍晋三首相は13日、ペンス米副大統領と官邸で会談した。日米の新たな貿易交渉を巡り、双方の利益となるよう貿易、投資を拡大させると確認した。日米が目指す「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携も申し合わせた。朝鮮半島の完全な非核化に向けて、国連安全保障理事会の制裁決議の完全履行が必要だとの認識で一致した。

 会談で握手するペンス米副大統領(左)と安倍首相=13日午前、首相官邸

 会談で握手するペンス米副大統領(左)と安倍首相=13日午前、首相官邸

 会談後、両氏は共同記者発表に臨んだ。首相は「副大統領と綿密な政策の擦り合わせができたのは、日米同盟の強固な絆を示すものだ」と強調した。一方、ペンス氏は「(日米間で)貿易不均衡が長すぎた。米国の製品やサービスに対し障壁があった」と不満も表明した。(共同)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政策・外交・北米・トランプ政権】  2018年11月13日  13:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【直撃インタビュー】:専門家に聞く 日米FTAの行方と暴走するトランプへの対抗策

2018-11-12 07:15:50 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【注目の人 直撃インタビュー】:専門家に聞く 日米FTAの行方と暴走するトランプへの対抗策

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【注目の人 直撃インタビュー】:専門家に聞く 日米FTAの行方と暴走するトランプへの対抗策

 ■注目の人 直撃インタビュー

 9月末の日米首脳会談でトランプ大統領から押し込まれた米国との通商協議が年明けから始まる。安倍政権はTAG(物品貿易協定)交渉だと強弁しているが、自由貿易推進派も反対派も声をそろえている通り、その実態は紛れもないFTA(自由貿易協定)交渉だ。米国第一を掲げ、対日貿易赤字の削減に躍起のトランプはどう攻めてくるのか。防戦一方の日本はまた泣き寝入りさせられるのか。NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表の内田聖子氏に聞いた。

PARC共同代表の内田聖子さん(C)日刊ゲンダイ

     PARC共同代表の内田聖子さん(C)日刊ゲンダイ

 ■「TAG交渉」と強弁するのは安倍政権だけ

 ――日米2国間の貿易協定の協議が来年1月中旬以降に本格化します。

 安倍政権は「2国間のFTAや予備交渉はしない」と国会答弁してきた手前、TAGという用語をひねり出したのでしょうが、FTAを否定しているのは安倍首相、茂木経済再生相、および官邸の一部だけです。ペンス副大統領は「日本との歴史的な2国間のFTA交渉を始める」と明言していますし、日米共同声明の正文(別表参照)を見れば一目瞭然。日米通商交渉を巡っては、外務省が都合の悪い部分をはしょったり、マイルドに翻訳することは珍しくありませんでしたが、文言そのものをすり替えるのは非常に悪質です。

 ――安倍首相は投資やサービスなどのルールを含まないとして「包括的なFTAとは異なる」と言い張りますが、日米共同声明ではいわゆるTAG議論完了後に〈他の貿易・投資の事項も交渉を行う〉と記されています。

 その点からいっても、今後始まる協議はFTA交渉そのもの。小手先のごまかしを続けていては、農業界はもちろん、自動車業界も不信感を抱かざるを得ません。米国内だけでなく、世界のどの国も突然現れたモンスターのようなトランプ大統領の暴走に手を焼き、困り果てています。トランプ大統領は安倍首相に「FTA交渉を始めないのなら、日本から輸出される自動車に25%の高関税をかける」と露骨に脅しをかけた。どの業界もそうした状況に一定の理解を示しているのですから、「日本の国益を考えて自動車への高関税措置発動は回避する必要があると判断した」「その引き換えに日米FTA交渉を始める」と正直に説明する必要がありました。

 ――当面の焦点となる農産品の扱いに関して安倍政権は「TPP以上の譲歩はしない」としていましたが、茂木経済再生相は「全体的に最大の譲歩はTPPだが、(品目ごとの最大は)それぞれ違う」と軌道修正しました。

 対日貿易赤字に占める自動車の割合は約8割に上り、農産品で譲歩をしても赤字削減効果は微々たるもの。日米貿易摩擦は自動車を何とかしない限り、解決できません。米国内の部品調達比率を引き上げたり、工場を移転しても抜本的なものにはなり得ない。極端なことを言えば、米国で日本車を販売しない、あるいは日本車製造をやめるくらいしか選択肢はない。根本的な構造として、消費旺盛で貯蓄が少ない米国の国内事情を変えない限り貿易赤字は解消しません。そこがトランプ大統領の方針の大きな矛盾であり、最大の問題点なんです。

 ――人気取りに振り回されている?

 そんなところだと思います。米中貿易戦争のあおりで、中国が得意先の米国の大豆農家はこの半年で半値以下でしか輸出できなくなった。彼らの不満を和らげるために、日本に農産品のさらなる市場開放を求めるポーズを見せている面もあるでしょう。TPP離脱で関税措置が受けられない米国の農畜産業界は日米FTAを待ち望んでいます。

共同声明の正文を見ればFTAは一目瞭然(C)共同通信社

    共同声明の正文を見ればFTAは一目瞭然(C)共同通信社

 ◆USMCAや米韓FTAにある為替条項、中国排除条項も焦点

  ――物品交渉以外はどうですか。

 日米共同声明には〈他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じるものについても交渉を開始〉というくだりがあります。ポイントは▼TPP交渉時の日米並行協議で取り交わした約束▼TPP離脱後にトランプ政権が日本に突き付けた要求▼NAFTAや米韓FTA再交渉で米国が勝ち取った成果――とみています。並行協議では自動車の非関税措置、保険や食品添加物の規制緩和で合意。トランプ政権独自の要求は、「外国貿易障壁報告書2018」にある〈米国輸出にかかる幅広い日本の障壁を除去することを求めていく〉との記述がベースになるでしょう。具体的には収穫前後で使用される防カビ剤の要件、ポテトチップス用馬鈴薯の輸入解禁。コメ、小麦、豚肉、牛肉の輸入制度。日本郵政や共済などの金融保険サービス、知的財産権分野、医療機器、医薬品分野などが標的です。米国の製薬業界も薬価算定制度などを変えるよう圧力をかけています。

 ――9月末にNAFTAは新協定のUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)として妥結、米韓FTA改正案も大筋合意に至りました。

 米国が勝ち取ったもののひとつは、為替操作禁止条項です。メキシコとカナダは「為替介入を含む競争的な通貨切り下げを自制する」との明記をのまされた。韓国は強制力のない付帯協定の位置付けですが、ウォン安誘導禁止で合意しました。為替条項はもともと米国が欲しがっているアイテムで、ムニューシン財務長官は日本を含むどの国の通商協定にも盛り込むことを目指すとしている。日米交渉でも俎上に載るのは間違いないでしょう。もうひとつ、私がUSMCAで注目しているのが、米国が持ち込んだ中国対策です。

 ――それは、どんな内容ですか。

 中国排除条項と言っていいほどで、従来の通商交渉では見られなかったものです。カナダやメキシコが非市場国との貿易協定締結に動けば、USMCAの枠組みを解消すると脅している。非市場国の定義はあいまいですが、厳しい国内規制で海外投資家に差別的待遇をしているとか、知的財産権を侵害する国を指していて、中国を想定しています。カナダもメキシコも中国と自由に貿易協定を結べなくなるため、主権介入の点でもひどい代物ですが、中国を相当刺激する条項です。日本にも同様の要求をしてくる可能性があり、そうなれば通商交渉という次元を超えて、安全保障に関わる問題につながりかねない火種となりそうです。

 ■茂木大臣はどう攻めるのか

 ――TPP11は12月末に発効。「自由貿易の旗手」を自任する安倍首相は、日欧EPAの来年2月の発効を目指すほか、中国やインドを含む16カ国が参加するRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の妥結を急いでいます。

 トランプ政権はRCEPの妥結を望んでいません。安倍政権がいくら自由貿易推進に動いても、振り返れば米国が睨みを利かせている。日本は年内の「実質的合意」を目標としていますが、交渉は来年も続く。トランプ大統領が「中国が入る貿易協定は許さない」と言い出したら、日本は袋小路に入ってしまう。むしろ入ってしまったと言っていいかもしれません。

 ――一方的な要求を突き付けるトランプ政権に対抗策はありますか。


 トランプ大統領は気に食わないと自動車で揺さぶりをかけ、日本が譲歩を重ねる構図が固まっているのが問題です。日本には、はねのける交渉力も差し出すカードもない。だから、この構図を壊さない限り、日本は米国のATMのままです。米国の要求を丸のみする形で交渉が妥結すれば、さまざまな産業に影響が及び、国内法改正にも追い込まれます。日本が取り得る戦略としては、トランプ大統領が政権を去るまで死に物狂いで協議を引き延ばすしかありません。

 ――臨時国会の大きな論点です。

 茂木経済再生相は「攻めるべきところは攻め、守るべきところは守る」と言っていますが、何をどう攻めるのかを具体的に聞きたいですね。自動車が封じ込まれる中、日本は何を売り込むのか。交渉には攻めと守りのカードがあるはずなのに、日本の対米姿勢は守りに徹しています。交渉スタート前に日本はこれ以上譲れないラインをキッチリ定義し、米国に了承させる手続きも必要です。共同声明のコミットメントは曖昧な上に、非対称です。米国は〈市場アクセスの交渉結果が自動車産業の製造および雇用の増加を目指す〉と具体的な要求を書き込む一方、日本は〈農林水産品で過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限〉にとどまっている。TPP交渉参加前の13年4月に衆参農水委員会は関税撤廃の例外とする聖域5品目(コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、甘味資源作物)を定義し、認められない場合は脱退も辞さないことなどを政府に求める決議をしました。結果的にはなし崩しになりましたが、今回もそうした決議は欠かせない。安倍政権は国会を通じ、国民に具体的な説明と約束をしなければダメでしょう。(聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)

 ▽うちだ・しょうこ

 1970年生まれ。慶大文学部卒。出版社勤務などを経て、01年にアジア太平洋資料センター(PARC)事務局入り。TPPをはじめとする自由貿易・投資協定のウオッチと調査、政府や国際機関への提言活動、市民キャンペーンなどを展開。日本が参加表明前からTPP全体交渉会合にNGOとして参加。共著に「自由貿易は私たちを幸せにするのか?」(コモンズ)など。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月12日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説】:①TPP発効へ 自由貿易守る防波堤にしたい

2018-11-04 06:05:30 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【社説】:①TPP発効へ 自由貿易守る防波堤にしたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:①TPP発効へ 自由貿易守る防波堤にしたい

 公正なルールの下、多くの国々が結びつき、経済活性化の恩恵を享受し合う。こうした自由貿易の理念を世界に広げていくことが重要だ。

 日豪など11か国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)が、12月30日に発効する。必要な6か国の国内手続きが完了した。

 世界の国内総生産(GDP)の1割を超える自由貿易圏が、成長著しいアジア太平洋地域に誕生する。関税撤廃に加え、高水準の貿易・投資ルールも整備される。

 米国は離脱したが、域内の成長を底上げするTPPの意義は大きい。国内調整を急ぎ、年内発効に漕(こ)ぎ着けたことは歓迎できる。

 迅速な発効の背景には、米国と中国を牽制(けんせい)する狙いがある。米国は保護主義政策を強め、中国は不公正な貿易慣行を続けている。

 多くの関税を撤廃する加盟国は域内輸出で米国より優位に立つ。多国間協定のメリットを顕在化させ、保護主義から自由貿易を守る防波堤として機能させたい。

 協定には、中国を念頭に置いた規定も盛り込まれた。知的財産権の侵害や国有企業への過剰な補助金支給などに歯止めをかける。

 TPPルールが国際標準になれば、中国がこうした行為を続けにくくなる効果が得られよう。

 加盟国は年明けに閣僚級の委員会を開き、新たな参加国の受け入れについて協議する。タイや英国など新規加盟を望む国は多い。

 TPPの規模を着実に拡大し、保護主義や不公正貿易の封じ込めにつなげることが欠かせない。

 自由貿易を堅持していくには、他の経済圏作りも大切になる。

 中国を含む東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の早期妥結などを図るべきだ。日本が交渉を主導し、RCEPにおけるルールの水準を、できる限りTPPに近づけることが求められる。

 日本は来年1月にも、米国との物品貿易協定(TAG)締結に向け、新たな通商交渉を始める。米国は、農産品の市場開放などを強く迫ってくる可能性が高い。

 農業の自由化について日本は、TPPなど従来の通商協定で約束した水準にとどめる方針だ。周到に戦略を練る必要がある。理不尽な要求に屈してはならない。

 TPPの発効で安い外国産品の輸入が増えれば、消費者に恩恵が及ぶ。その一方で、国内の農家などは厳しい競争にさらされる。

 痛みを和らげる策を講じつつ、農産品の輸出増や中小企業の海外展開支援など、TPPを好機に変える取り組みも進めるべきだ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年11月04日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【安倍政権】:自動車と為替条項で脅され…「日米貿易戦争」は早くも白旗

2018-10-18 07:15:20 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【安倍政権】:自動車と為替条項で脅され…「日米貿易戦争」は早くも白旗

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍政権】:自動車と為替条項で脅され…「日米貿易戦争」は早くも白旗

 トランプ大統領から仕掛けられた「日米貿易戦争」――。早くも安倍政権が「白旗」を揚げてしまった。年明けにスタートする「日米交渉」について、担当の茂木敏充経済再生担当相が、毎日新聞(15日付)のインタビューで<TPPの水準を超える譲歩>を口にしているのだ。

 9月末に行われた日米首脳会談。共同声明には<農林水産品については、TPPに代表される過去の協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限>と記載され、安倍政権も、過去最大の譲歩であるTPP以上の条件は認めないとしていた。

国民をだまし討ち(C)共同通信社

         国民をだまし討ち(C)共同通信社

 ところが、茂木は「最大限ということは全体としての話」などと平然と語っているのだ。毎日新聞も<日米交渉 一部TPP超え譲歩も>と見出しを打っている。

 あれほど「TPP以上の譲歩はしない」と強調していたのに、日本国民をだまし討ちにした形だ。もし、TPP以上の市場開放を承諾したら、日本の農業は壊滅的な打撃を受ける。

 安倍政権が「白旗」を揚げたのは「自動車への追加関税」と「為替条項」という2つで脅されたからだ。実際、トランプが訴えるように「自動車」に25%の関税をかけられたら、日本の自動車産業は2兆円のコスト増となり、日米FTAに「為替条項」が盛り込まれ、為替が現在の1ドル=112円台から購買力平価である1ドル=99円まで「円高」が進んだら、日本企業は2兆円以上の利益が吹き飛ぶ。

 外交評論家の天木直人氏が言う。

 「そもそもトランプ大統領がTPPから離脱したのは、TPPでは満足せず、それ以上のモノを求めたからです。日本にTPP以上の譲歩を求めるのは、目に見えていました。アメリカは日本の急所が“自動車”と“為替”だと見抜いています。事あるごとに、この2つで脅してくるでしょう。本番は11月の中間選挙が終わった後です。もし、負けたら、2年後の大統領選で勝利するためには成果を上げる必要があり、日本に無理難題を押しつけてくるでしょう。日本が“自動車”と“為替”を守るためにやれることは、農業犠牲にすることと兵器大量買うことくらいです。それでも足りなかったら、トランプ大統領は“円高”にするよう迫ってくるはずです」

 どこが「外交安倍」なのか。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月18日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【安倍政権】:日米通商協定に為替条項 アベノミクスはいよいよ完全崩壊

2018-10-16 07:15:50 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【安倍政権】:日米通商協定に為替条項 アベノミクスはいよいよ完全崩壊

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍政権】:日米通商協定に為替条項 アベノミクスはいよいよ完全崩壊

 「日米首脳会談や共同声明でも為替の話は入っていない」――。14日のNHKの「日曜討論」で、茂木経済再生担当相の表情は厳しかった。茂木大臣が慌てていたのもムリはない。米国のムニューシン財務長官が日米間で結ぶ新たな通商協定に、「為替条項」の導入を求める意向を示唆したからだ。

 ■円高、株安、増税のトリプルパンチ

 ムニューシンが「為替条項」に踏み込んだのは、13日にインドネシア・バリ島で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議後の会見の場だ。

 「為替条項」は、自国の輸出企業などに有利な通貨安誘導を禁じるのが目的で、9月末に妥結した「米・メキシコ・カナダ協定」(USMCA)でも「為替条項」が導入された。ムニューシンは、このUSMCAをモデルにした条項を、年明けにも本格化する日本との関税交渉で提案し、新協定に盛り込む考えを示したのだ。

売国奴…(左は、会見するムニューシン財務長官)/(C)共同通信社

  売国奴…(左は、会見するムニューシン財務長官)/(C)共同通信社  


 米韓FTA(自由貿易協定)の改正案にも、通貨安の誘導禁止が付属文書に盛り込まれており、米国が日本にも同様の対応を迫る可能性が高い。

 米国はすでに中国やドイツ、韓国、スイスなどと一緒に日本を「為替監視対象国」に指定している。昨年1月に「通貨安で我々を出し抜いている」と日本を名指しで批判したトランプ大統領のことだ。何が何でも新協定に「為替条項」をねじ込もうとするだろう。日本が拒否すれば、為替操作国に認定し、再び自動車関税の引き上げをチラつかせるかもしれない。

 日本が「為替条項」を受け入れれば、どうなるのか。恐らく「アベノミクス」は崩壊に向かってまっしぐらだ。

 2013年4月から、「異次元緩和」と称して市場をカネでジャブジャブにしてきた黒田日銀。安倍首相が自画自賛している「アベノミクス」による輸出企業の収益拡大は結局、カネ余りの円安効果によって生み出された「虚実」に過ぎない。

 米国が「為替条項」をタテに日銀の「異次元緩和」を“狙い撃ち”してくれば、あっという間に「円高・株安」に陥るだろう。アベノミクスの実態を痛烈に批判した「アベノミクスによろしく」(集英社インターナショナル新書)の著者で、弁護士の明石順平氏はこう言う。

 「(日米交渉開始前であり)断定的なことは言えませんが、円安の理由のひとつは間違いなく、アベノミクスですから、(為替条項は)終わりの始まりを意味すると言っていい。日本側に為替条項をにおわせるだけでも、牽制する意味はあるでしょう。株価も相当、影響を受けると思います」

 来年10月には消費税増税もある。

 円高・株安・増税のトリプルパンチで日本経済はメタメタだ。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【安倍首相】:16日に欧州へ出発 自由貿易体制強化へ連携

2018-10-15 18:26:30 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【安倍首相】:16日に欧州へ出発 自由貿易体制強化へ連携

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍首相】:16日に欧州へ出発 自由貿易体制強化へ連携

 安倍晋三首相は16日、スペインとフランス、ベルギーの欧州3カ国歴訪に出発する。スペインで同日夕(日本時間17日未明)にサンチェス首相、フランスでは17日午後(同17日夜)にマクロン大統領と会談。18、19両日はベルギーでアジア欧州会議(ASEM)首脳会議に出席し、自由貿易体制の強化や北朝鮮の非核化に向けた連携を図る。

 ASEMは欧州とアジアの計51カ国・2機関が参加。首脳会議で安倍首相は、保護主義的な政策を強めるトランプ米政権を念頭に、ルールに基づく自由で公正な経済秩序の構築を呼び掛ける。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)の推進も訴える。(共同)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政策・外交・スペインとフランス、ベルギーの欧州3カ国歴訪】  2018年10月15日  18:26:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【RCEP】:11月妥結へ「大詰め段階」 閣僚会合で経産相

2018-10-13 19:16:30 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【東アジア地域包括的経済連携(RCEP)】:11月妥結へ「大詰め段階」 閣僚会合で経産相

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東アジア地域包括的経済連携(RCEP)】:11月妥結へ「大詰め段階」 閣僚会合で経産相

 【シンガポール共同】日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の閣僚会合が13日、シンガポールで閉幕した。世耕弘成経済産業相は記者会見で、11月の首脳会合での実質妥結に向けて「いよいよ大詰めの段階に入った」との認識を示した。

 東アジア地域包括的経済連携の閣僚会合で、記念写真に納まる閣僚ら=13日、シンガポール(ASEAN事務局提供・共同)

 東アジア地域包括的経済連携の閣僚会合で、記念写真に納まる閣僚ら=13日、シンガポール(ASEAN事務局提供・共同)

 閣僚会合が公表した共同声明は、関税や投資分野を含む「市場アクセス」に関して「交渉の強化を歓迎する」として、一定の前進があったことを評価した。ただ「さらなる改善の必要性」も指摘しており、依然として各国間で意見の隔たりがあることを示した。

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 経済 【企業・産業】 2018年10月13日  19:16:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【外務省】:今度は日米共同声明で改ざん “トンデモ造語”TAGでFTA隠し

2018-10-12 07:14:20 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【外務省】:今度は日米共同声明で改ざん “トンデモ造語”TAGでFTA隠し

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外務省】:今度は日米共同声明で改ざん “トンデモ造語”TAGでFTA隠し

 財務省の決裁文書改ざんに続き、今度は外務省が外交文書を“捏造”だ。

 問題となっているのは、先月26日の日米首脳会談で発表された日米共同声明。米国との新たな貿易交渉について、外務省の和訳には、「日米物品貿易協定(TAG)」と記されているが、英文にはTAGなどとひと言も書かれていないのだ。



 タチの悪いことに、外務省は最近まで、声明の和訳が「正式」な文書であると言い張っていた。しかし、在日米大使館ホームページに載っている共同声明の和訳には、「下記日本語文書参考のための仮翻訳で、正文英文です」との注意書きがある。

 外務省に和訳と英文のどちらが正式な文書か問い合わせると、「正文は英文だけです」(北米局北米第2課)とアッサリ認めた。つまり、外交文書として有効なのは英文のみ。安倍政権は、和訳にしかないTAGという造語が、あたかも「正文」であるかのような発表をして、国民をまんまと欺いたのである。

ペンス副大統領も巻き込まれ…(大使館HPにはバッチリ「正文は英文」と)/(C)ロイター=共同

 ペンス副大統領も巻き込まれ…(大使館HPにはバッチリ「正文は英文」と)/(C)ロイター=共同

 ■選挙に不利な材料にはしたくない

 そもそも、外交文書の文言を捏造してまで安倍首相は何を隠そうとしたのか。元経産官僚の古賀茂明氏がこう指摘する。

 「日本の農業関係者はFTA(自由貿易協定)が厳しい自由化や関税の引き下げにつながると信じています。FTA交渉開始となると、日本の敗北だと言われ、来年の統一地方選や参院選で不利な材料になる。だから、安倍さんは、先月26日の会見でTAGは、『包括的なFTAとは全く異なる』と強弁しました。ところが、日米共同声明を素直に訳すと、事実上FTAの交渉だと言われます。そこで、共同声明の正文は英語だけで日本語版は政府が勝手に作ったものに過ぎないことを隠し、『TAG』という言葉を捏造した。安倍政権と外務省が一体で演じる『猿芝居』に愚かな観客のマスコミがだまされたということです」

 10日になって、国民民主と共産が「TAGは捏造」だと反発。野党に今月下旬召集の臨時国会で格好の追及ネタを提供したが、捏造に関わったのは安倍政権だけにとどまらない。

 ナント、ペンス米副大統領が今月4日に「日本とのFTA交渉を始める」と発言したのに、米ホワイトハウスFTAではない言葉に置き換えて公式文書に残していたのだ。「FTAではなくTAG」とする安倍政権に配慮したようだが、米国捏造グルになってもらった見返りに、安倍政権どれだけムシリ取られるのか。

 改ざん隠蔽捏造――。こんな異常な犯罪行為を平気でやってのける政権が、あと3年も続いたら世も末だ。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月11日  14:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説】:①新NAFTA 禍根残した米国の恫喝外交

2018-10-08 06:05:10 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【社説】:①新NAFTA 禍根残した米国の恫喝外交

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:①新NAFTA 禍根残した米国の恫喝外交

 制裁措置を振りかざして、自国の要求を強引にのませる。こうした米国の身勝手な振る舞いがさらに勢いづかないか。

 これからの通商交渉に禍根を残す決着である。

 米国とカナダ、メキシコが、北米自由貿易協定(NAFTA)を見直すことで合意した。

 新協定では、焦点だった自動車分野で、関税をゼロにする条件を厳しくする。域内の部品調達率を62・5%から75%に上げる。

 協議が決裂し、北米の自由貿易体制が崩壊すれば、貿易停滞や市場の混乱を招くリスクがあった。今回の合意で、最悪の事態を避けられたことは歓迎できよう。

 問題は、米国が輸入車への制裁関税をちらつかせ、強引に譲歩を引き出した点だ。米国の生産や雇用を増やすため、相手国を統制する管理貿易の色彩が強まった。

 新協定には、事実上の数量規制を導入する。カナダとメキシコから米国に輸出する乗用車が、一定の台数を超えると、ゼロ関税から高関税に切り替える。

 為替条項も設ける。各国は、為替介入を含め、輸出促進を狙った通貨切り下げを自制する。

 カナダとメキシコは協定の見直しに反対していたが、一転して妥協した。基幹産業の自動車への制裁は回避したかったのだろう。

 米国が今回の合意に味をしめ、他の国との協議で、同様の高圧的な態度をとらないか心配だ。

 日米は来年にも、物品貿易協定(TAG)の締結に向け、新たな通商交渉を始める。9月の首脳会談では、日本車への制裁を棚上げすることで合意した。

 だが、米国が交渉内容に不満を抱いて、再び制裁を持ち出す懸念は拭えない。数量規制や為替条項を迫ってくる恐れもある。

 これまでも米国は、時に恫喝(どうかつ)的な手法で通商交渉に臨んできたが、トランプ政権の姿勢は度が過ぎてはいないか。国際ルールに反し、自由貿易を脅かしている。為替条項をのめば、日本は通貨・金融政策の手を縛られかねない。

 まずは保護主義の弊害を粘り強く説くことが大切だ。理不尽な要求は毅然(きぜん)としてはねつけ、国益を守り抜く必要がある。

 日本の自動車メーカーは、対米輸出の拠点としてカナダとメキシコに進出し、安い労働力などのメリットを享受してきた。新協定が発効すれば、生産コストが上昇し、経営環境は厳しくなろう。

 各メーカーには、部品供給網や投資計画の見直しなど、経営戦略の再構築が求められる。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年10月06日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【天下の逆襲】: “やってる感”で糊塗も限界 成果ゼロで惨めな「安倍外交」

2018-10-05 07:12:30 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【金子勝の「天下の逆襲」】: “やってる感”で糊塗も限界 成果ゼロで惨めな「安倍外交」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金子勝の「天下の逆襲」】: “やってる感”で糊塗も限界 成果ゼロで惨めな「安倍外交」

 9月26日の日米首脳会談で、安倍首相はトランプ大統領から農産品を含むすべての関税について2国間交渉入りに押し込まれた。安倍は「FTA(自由貿易協定)とは全く異なる」と強弁し、限定的なTAG(物品貿易協定)だと主張する。

国際社会で限りなく存在感が薄い(ガラ空きの安倍首相の国連演説)/(C)共同通信社

 国際社会で限りなく存在感が薄い(ガラ空きの安倍首相の国連演説)/(C)共同通信社

 だが、共同声明には「他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果が生じ得るものについても、交渉を開始する」「他の貿易・投資の事項についても交渉を行う」とある。どうみてもFTA交渉と変わらない。AP通信やロイター通信をはじめとする海外メディアは〈安倍首相がFTAを受け入れた〉〈トランプ大統領は大喜び〉などと報じている。にもかかわらず、NHKをはじめ大手メディアは安倍の主張を垂れ流しているだけだ。

 必死で糊塗するのはなぜか。安倍がトランプを翻意させTPP(環太平洋経済連携協定)に引き戻すと繰り返し、2国間交渉入りを断固否定してきたからだ。

 焦点の自動車についても「交渉中の高関税発動を回避すると確認された」と手柄のように伝えられているが、交渉中なら当たり前のことだ。肝心の共同声明には自動車に高関税をかけないとはどこにも書かれていない。農産品の市場開放に関してもTPP並みの水準で合意したかのようだが、トランプにしてみれば、TPP以上の果実を手に入れなければTPPを離脱した意味がない。自動車とてんびんにかけられ、間違いなくギリギリと詰められるだろう。

 安倍は国際社会で限りなく存在感が薄い。日ロ首脳会談ではプーチン大統領から2時間半も待ちぼうけを食らい、東方経済フォーラムの全体会合で「年内に無条件の平和条約締結」をブチ上げられた。国連総会における安倍の一般討論演説は昨年同様に会場はガラガラ。おまけに演説中に、「背後」を「せいご」と読み違える始末。大手メディアが喧伝する「外交の安倍」とやらは一体どこへ行ったのか。

 安倍政権は外交も内政もほぼ成果ゼロなのに、メディアによる“やってる感”キャンペーンはあまりにひどい。大手メディアが真実を伝えなければ「国益」が大きく損なわれるところまできた。国民もそのことに気付かなければいけない。

 ◆金子 勝 慶応義塾大学経済学部教授

金子勝

 1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 博士課程単位取得修了。 法政大学経済学部教授を経て。2000年10月より現職。TBS「サンデーモーニング」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。『資本主義の克服 「共有論」で社会を変える』集英社新書(2015年3月)など著書多数。新聞、雑誌にも多数寄稿している。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【外交】:カモネギだった安倍訪米 日米通商交渉の恐るべき二枚舌 

2018-10-02 07:14:40 | 【TTP、BRICS、RCEP協定、IPEF、FTA、APEC、EPA他】

【外交】:カモネギだった安倍訪米 日米通商交渉の恐るべき二枚舌

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外交】:カモネギだった安倍訪米 日米通商交渉の恐るべき二枚舌

 屈辱的な“カモネギ”訪米だ。26日(現地)の日米首脳会談で、安倍首相がトランプ大統領の圧力に屈し、農産品を含む全ての関税の2国間交渉にひきずり込まれた。

 25%もの輸入自動車への高関税措置の発動という法外な要求から逃れるため、日本の農業を犠牲に差し出す――。合意内容は、米国第一主義を振りかざすトランプの理不尽なドーカツに震え上がった売国外交の極みだ。会談冒頭のやりとりが、安倍の対米隷属ポチ外交を象徴していた。



「交渉は満足できる結論が得られると確信している。もしそうならなかったら……」

 トランプは言葉を止めると、強硬措置をにおわせるように安倍の顔をのぞき込んだ。安倍は苦笑を浮かべるのが、やっと。ああ、情けない。

 会談後、“茶坊主”の西村康稔官房副長官は「今回が8回目の首脳会談、電話会談は26回やっている」と安倍とトランプの親密さをアピールしたが、友情の成れの果てがトランプに足をすくわれた外交敗北である。

 さらにトランプは26日の国連総会を締めくくる会見で、「私が『日本は我々の思いを受け入れなければならない。巨額の貿易赤字は嫌だ』と言うと、日本はすごい量の防衛装備品を買うことになった」と暴露。首脳会談で合意した共同声明には一言も触れられていない武器購入の“密約”までバラされてしまった。

 しょせん、安倍の「親密外交」なんて妄想に過ぎない。

 もはや看過できないほどの米国隷従ポチ外交だが、問題はそれをゴマカす姑息な詭弁。国民を欺く恐るべき二枚舌である。


           トランプの言いなり(C)共同通信社

 ■国民を愚弄する典型的な詐欺師の手口

 今回の日米合意について、安倍は「包括的なFTA(自由貿易協定)とは全く異なる」と説明。「TAG」(日米物品貿易協定)なる新語まで作って弁解しているが、トランプは「我々はFTA交渉開始で合意した。これは日本がこれまで拒否していたものだ」と明言。AP通信もロイターもワシントン・ポストも「日米FTA交渉入りに合意」と報じている。

「TAGなんて稚拙な言葉のゴマカシ。普通の神経の持ち主なら恥ずかしくて言えません」と怒り心頭なのは、東大大学院教授の鈴木宣弘氏(農政)だ。こう続ける。

「日本のメディアは『事実上のFTA』『FTAに発展も』と回りくどい報じ方ですが、今回の合意は紛れもないFTAです。日米共同声明は『TAG』と『他の重要分野(サービスを含む)で早期に交渉結果を出しうるもの』について『交渉を開始する』と明記し、これは特定の国・地域間で関税撤廃やサービス貿易の自由化を目指すFTAそのもの。FTAをTAGと言い張るのは、見え透いた嘘です。安倍政権はFTA交渉を拒否してきただけに、ゴマカすしかないのでしょうが、稚拙な屁理屈で国民をだませるという思い上がった感覚が恐ろしい。政権の言葉の破壊は国の崩壊につながります。姑息な詭弁を無批判でタレ流し、ハッキリと『FTA』と報じないメディアも国民を欺く共犯者です」

 今や官邸は経産省出身の役人に支配されている。恥知らずの詭弁も経産省あがりの連中が進言したのだろう。しかも経産省は自動車産業を所管し、何を犠牲にしても業界の利益と自分たちの利権を守る。トランプに自動車関税を「人質」に取られ、農産品を「いけにえ」に差し出したことは容易に想像がつく。

「国民の生命に直結する農業を米国に売り渡しながら、詭弁を弄するのは典型的なペテンの手口。国家的な詐欺です」(経済アナリスト・菊池英博氏)

 この政権には嘘と隠蔽とゴマカシが付きものとはいえ、国民を欺く安倍の態度には良識のかけらもない。

 
 自動車利権を守るため食が犠牲に(ケネディ前駐日大使と田植えをする昭恵夫人)/(C)共同通信社

 ◆経済主権売り渡しが戦後外交の総決算なのか

 安倍の二枚舌は、農業票欲しさの悪巧みでもある。国内の生産者には「FTAに押し切られたら、TPP以上に市場開放を迫られる」との警戒感が強い。来年に統一地方選と参院選を控え、トランプの圧力に屈して農業票を失うのは痛い。そんな薄汚い自己保身で詭弁を弄しているわけだが、その場しのぎのインチキは通用しない。

 大マスコミは首脳会談で「交渉中は米国が輸入車への高関税を日本車に適用しないこと、日本の農産品はTPPの水準までしか関税を引き下げないことを確認した」と伝え、さも安倍の外交成果のように報じたが、実際は玉虫色だ。

 自動車の高関税措置について、声明には「共同声明の精神に反する行動をとらない」とあるのみ。逆に交渉が決裂したら即、米国は一方的な高関税措置を発動すると脅されているのに等しい。

 農産品の自由化水準も共同声明では日本政府の立場を「尊重する」としただけ。何ら確約は得られていない。そもそもTPPが不十分だからこそ離脱して、日本に2国間交渉を求めたトランプに、TPP水準を期待するだけムダ。安倍が有形無形の圧力をかけられ、TPP以上の譲歩を迫られるのは明白だ。前出の鈴木宣弘氏が言う。

「その上、日本が農産品を差し出しても、米国の自動車業界が儲かるわけではありません。米国の自動車業界が納得するまで、トランプ政権の圧力は続くのです。安倍首相が2国間交渉に引きずり込まれたことで、この国は無限の譲歩を迫られる“アリ地獄”に陥ってしまった。大体、トランプ政権の自動車関税の引き上げに『日本だけには適用しないで』と懇願するのは、差別的な関税措置の容認という明確な国際法(WTO)違反。フランスのように真っ向から国際法違反だからやめろと主張しなければ、延々と自動車を『人質』に取られ、足元を見られる。さらなる要求を突きつけられるのがオチです」

 ■円安継続と引き換えに無理難題をのまされる

 大マスコミは、安倍のインチキ外交成果をタレ流している場合ではない。共同声明に「米国の自動車産業の製造及び雇用の増加を目指す」と明記され、トランプは「勝利宣言」。これだけ屈辱的なカモネギ訪米の真相を伝えるべきだ。

 恐らく日米FTA交渉は米韓FTAと同じ道をたどる。2012年3月に発効した米韓FTAは、韓国だけ「ISDS」(投資家と国家の紛争解決)条項などを片務的に負わされた。今年5月にはISDS条項に基づき、サムスングループ内の合併案件に不満を覚えた米投資会社エリオットは、韓国政府に6億7000万ドル(約757億円)の損害賠償を求めた。

 それでもトランプは韓国との貿易不均衡に不満タラタラで、今年に入りFTA再交渉を開始。交渉不調時の在韓米軍撤退まで示唆し、今月24日に米国基準に適合した車の輸入枠倍増や、通貨安誘導を防ぐ為替条項など不平等な内容を韓国にのませたのだ。

「自国民の安全を担保する自動車の基準を米国に委ね、自国の通貨政策決定に制限を設けられるとは経済主権の損失ですが、安倍政権も同じ轍を踏みかねません。安倍政権の円安誘導がトランプ政権の交渉ターゲット。自動車への高関税措置の発動をチラつかせているのも『円安で儲けた自動車輸出の利益を米国に吐き出せ』という意思の表れです。トランプ政権は韓国に為替条項をのませたことに味をしめ、日本にも円安是正を強引に迫るのでしょうが、異次元緩和の円安誘導はアベノミクスの生命線。安倍政権は円安誘導の継続と引き換えに、トランプ政権に無理難題を押しつけられ、譲歩の連続となりそうです」(菊池英博氏=前出)

 安倍は総裁選で「今こそ戦後日本外交の総決算を成し遂げる」と豪語した。その答えが、経済主権を身ぐるみトランプに売り渡す日米通商交渉とは恐れ入る。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年09月29日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする