路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・12.19】:エネルギー計画原案 原発回帰は現実的なのか

2024-12-19 07:00:50 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説・12.19】:エネルギー計画原案 原発回帰は現実的なのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.19】:エネルギー計画原案 原発回帰は現実的なのか 

 2011年の東京電力福島第1原発事故で得た教訓を放り出すつもりなのか。

 経済産業省がおととい、3年ぶりに改定するエネルギー基本計画の原案を有識者会議で示した。事故後、明記してきた「可能な限り原発依存度を低減する」との表現を削除した。安易に原発回帰にかじを切らないよう国自ら戒めてきた文言だ。地震多発国のリスクをまたも軽視している。

 原発の建て替えを巡り、廃炉が決まった原発の敷地外でも建設できる方針を示したのも看過できない。事実上、新設容認に踏み込んだ。

 2年前に原発政策を大転換させた際、GX(グリーントランスフォーメーション)基本方針で容認した「廃炉の敷地内」の制限を緩和することになる。九州電力が玄海原発12号機(佐賀県)の廃炉後、川内原発(鹿児島県)の敷地内に建設すると想定した動きである。

 原発の方向性は本来、国民的な議論を十分に踏まえて決めるものだ。原発推進派の委員が大半の有識者会議では、再生可能エネルギーの現状を的確に理解し、原発の負の側面を直視した議論ができるとは思えない。

 この原案の延長上では、将来に禍根を残しかねない。政府は来年2月の閣議決定を目指すというが、議論の在り方を含めて再考すべきだ。

 電力の安定供給を掲げて原発回帰を鮮明にした基本計画原案は、そもそも現実的なのだろうか。40年度の発電量に占める割合は原発が2割程度、再生可能エネルギーは45割程度、火力は34割程度とした。2割程度にするには、既にある36基をほぼ動かす必要があるが、福島の事故後に再稼働できたのは14基に過ぎない。23年度の原発の割合は85%にとどまる。

 再稼働は原子力規制委員会の審査や安全対策を徹底し、地元の同意がなければ進められないのは当然である。時間がかかり、加速は無理だろう。国民の懸念を解消できていないからだ。

 これまで原発はコストが低く、経済性に優れるとしてきたが、冷静に見極めねばならない。経産省による40年の発電コストの試算で、原発は安全対策費が膨らみ、太陽光など再生エネとそう変わらない。しかも近年、建設費は高騰し、始まったばかりの福島第1原発の廃炉費用も見通せない。試算が楽観的過ぎる。

 安全対策を徹底した上での再稼働や、まして建て替えや新設の巨額投資に大手電力会社が耐えられないのが現実だ。政府は建設費を電気料金に上乗せできる制度を視野に入れる。国民負担を増やす政策であり、熟議が要る。

 説明が不十分なまま、原案は再生エネと原子力をともに「最大限活用」すべきだとし、二つの選択肢を同等に追う姿勢を示した。理解し難い。

 今回、最も議論すべきは、気候変動対策の国際的な責任として石炭火力の削減と、脱炭素の王道である再生エネをどう増やすかのビジョンと具体策である。原発に固執するあまり、危機感のない基本計画であってはならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月19日  07:00:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。

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【社説・12.19】:【次期エネ計画】難題先送りの原発回帰だ

2024-12-19 05:05:50 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説・12.19】:【次期エネ計画】難題先送りの原発回帰だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.19】:【次期エネ計画】難題先送りの原発回帰だ

 過酷な原発事故の教訓はどこへ行ったのか。

 経済産業省が中長期的なエネルギー政策の指針「エネルギー基本計画」の原案を示した。2011年の東京電力福島第1原発事故以降に明記してきた「可能な限り原発依存度を低減する」との文言を削除した。原発の建て替えの要件も緩和する。

 事故の被害は今なお続いている。原発回帰に当たって本格的な国会論戦や国民を巻き込んだ議論もなかった。方針転換は容認できない。
 基本計画はおおむね3年ごとに見直されている。今回の改定の焦点は、40年度の電源構成と原発の位置付けだった。
 現行計画は21年に策定された。原発を「重要なベースロード電源」と位置付けつつ「可能な限り依存度を低減する」として、再生可能エネルギーの主力電源化を強調。30年度の原発の電源構成目標を20~22%と設定した。
 一方、次期計画は「優れた安定供給性と技術自給率を有する脱炭素電源」とし、再エネとともに「最大限活用する」との方針を明記。原発の40年度目標は2割程度とした。
 原発の目標割合は現行計画とほぼ変わらない。ただ、23年度の実際の割合は1割に満たない。目標の実現には既存原発の大半を再稼働させる必要があるが、中には老朽化した原発もある。
 そこで、原発の一定規模の維持につながる建て替え方針も盛り込まれた。これまで廃炉が決まった同じ原発の敷地内に限定していたが、同じ電力会社なら別の原発内でも建設できるようにする。
 原発事故以来、原発の依存度低減を掲げていた政府の方針転換となったのは、岸田政権下の22年に決めた「GX(グリーントランスフォーメーション)基本方針」だ。エネルギー安全保障の問題や地球温暖化対策を背景に、60年超の原発の運転を可能にする法改正を実現し、次世代型建設も打ち出した。
 石破茂首相は先の自民党総裁選では「原発をゼロに近づけていく努力は最大限する」と主張していたが、首相就任後はトーンダウン。岸田政権が掲げた最大限の活用を踏襲し、原発の利活用を明言している。連立与党の公明党も「将来的に原発に依存しない社会」と訴えるが、容認に転じた。
 経済界などの要請を受け原発推進の流れが強まる一方、新潟県の東京電力柏崎刈羽原発の再稼働が政府の期待通りに進まないように、地元住民の不信感は根強い。事故から14年近くたつ今も福島原発の廃炉は見通せず、避難生活を余儀なくされている人々がいる。

 さらに使用済み核燃料の問題も抱える。各地の原発で再稼働が進んだ結果、増え続けて保管場所が不足している。高レベル放射性廃棄物の最終処分先の確保も道筋が見えない。

 山積する難題を先送りしたままの原発回帰だ。課題に正面から向き合わなければ、国民の理解を得るのは難しいだろう。

 元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月19日  05:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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【小社会・12.19】:勘繰り

2024-12-19 05:05:40 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【小社会・12.19】:勘繰り

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【小社会・12.19】:勘繰り

  色づいたナンテンの実に誘われて、庭にヒヨドリが訪れるようになった。冬の風物詩だが、食べ方が面白い。たくさん実っているのに、毎日少ししかついばんでいかない。

 調べると、ナンテンのしたたかな戦略だという。ナンテンは野鳥が実を丸のみし、ふんと一緒に種を落としてくれることで生育地が広がる。ところが一気に食べられると、まとまって排出されやすい。

 それよりは数粒ずつ、あちこちに落としてほしい。そこで、一度にたくさんは口にできないように「わざと果肉に苦みと毒を仕込んでいる」(多田多恵子著「身近な植物に発見! 種子たちの知恵」)。

 政府がエネルギー基本計画の改定案を示し、原発回帰に大きく踏み込んだ。これまでは東京電力福島第1原発事故を猛省し、「可能な限り原発依存度を低減する」と掲げてきた。再生可能エネルギーの「最大限の導入」も明記していたのだが。

 いま思うと国民を誘い込むための赤い実だったのだろうか。原発は「重要なベースロード電源」とも記していた。こちらは脱原発の大きな根が張らないように工夫し、原発推進も狙う毒だったのでは。

 そう勘繰りたくもなる。改定案は肝だった「原発依存度を低減する」を削除。原発も再エネも「最大限活用することが重要」とする。福島の復興はまだ道半ばで、原発を巡る国民的な論議も不足している。この新しい政策、丸のみするわけにはいくまい。

 元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【小社会】  2024年12月19日  05:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.19】:エネルギー計画案 「原発低減」削除は問題だ

2024-12-19 04:03:50 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説①・12.19】:エネルギー計画案 「原発低減」削除は問題だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.19】:エネルギー計画案 「原発低減」削除は問題だ

 政府の中長期的指針である新たなエネルギー基本計画で、経済産業省が「可能な限り原発依存度を低減する」との文言を削除する原案を示した。
 
 原発の最大限活用を明記し、岸田文雄政権が昨年決めたGX(グリーントランスフォーメーション)基本方針を踏襲した。
 
 「依存度低減」は2011年の東京電力福島第1原発事故を受け14年計画に盛り込んだ国民との約束だ。3、4年ごとの改定でも受け継いできた。一方的な百八十度転換は許されない。
 脱炭素化や人工知能(AI)時代の電力需要増対応が理由という。目先の電力事情で安易に削除する文言ではない。
 そもそも事故翌年に決めたエネルギー戦略では「30年代に原発稼働ゼロ」を掲げていた。14年計画当時の安倍晋三首相が「ゼロと言える自信はない」として表現を後退させた形だ。
 文言は脱原発に向けた最後のとりでである。石破茂首相は自民党総裁選で「原発ゼロに近づけていく努力を最大限する」と言及していたはずだ。
 閣議決定は来年2月の見通しだが、幅広く国民の声を聞き、与野党伯仲の国会で議論を深め「低減」を復活させるべきだ。

 ■国民論議尽くしたか

 計画策定は進め方自体に問題が多い。5月から経産省の総合資源エネルギー調査会分科会が産業政策として議論してきた。
 経済界や原子力専門家らの委員が目立ち、原発は「大量の電気を安定に供給」するとの前提で方向性を固めていった。
 再生可能エネルギー普及に懐疑的な声も大きく、太陽光や風力発電施設の部品に中国製が多いことが「中国依存になってしまった」との発言も出た。
 ならば半導体のように官民が国産重点化を図れば良い話で、インドでは国内生産に連動させた補助制度も進む。もはや原発拡大のための方便に見える。
 「30年代に原発稼働ゼロ」を決めた民主党政権時のエネルギー戦略では国民の意見聴取や、討論を経て意識の変化を探る「討論型世論調査」を行った。
 討論は「原発ゼロのシナリオはあるのか」「あるとする場合はこの国がどのような社会に変わるか」など本質に迫った。
 短期間の調査で意思決定したことへの批判もある。ただし単なる産業政策の枠を超え、人々の原発への意識に寄り添う議論は欠かせまい。
 計画づくりのあり方を根本から変える必要がある。

 ■低コストには程遠い

 過去の計画で分科会委員を務めたエネルギー政策の第一人者、橘川武郎国際大学長は今回の原案を見て「無意味な計画になってしまった」と話す。
 今回主力化を明記した再エネは電源比率の40年度目標が4~5割と幅があり、3~4割の火力に至っては石炭、天然ガスなど内訳を示していないからだ。
 あいまいな数値では設備投資も二の足を踏む。これで本来目的である脱炭素化が進むのか。
 一方で原発は自国技術でまかなえ、コストも他電源と遜色ないことを強調。敷地内に限り認めていた建て替えの要件緩和や次世代革新炉開発も盛り込む。
 だが経産省の将来試算ですらコストは10年間で1.5倍に増える。工期の長期化でさらに上振れするという専門家もいる。使用済み核燃料の最終処理もいまだめどが立たない。
 再稼働審査中の北海道電力泊原発は安全対策費が5千億円超に膨れ、維持管理費など合計は1兆3千億円に上るとされる。
 新増設は割に合わないためか電力各社は既存原発を延命し、関西電力の高浜1号機は先月に運転50年を超えた。15年後に国内で15基程度が50年を迎える。
 計画原案の原発比率は2割程度と現行計画と同水準。「依存度軽減」削除は老朽原発の廃炉先送りに口実を与えるだけだ。

 ■電力危機を検証せよ

 先端半導体製造を目指すラピダス(東京)が千歳で来年試作ラインを始動し、各地で大型データセンター計画が進む。
 使用電力増が予想され、今回の原案は昨年度に比べ40年度は1.2倍になると見通す。だが予測は不確実性をはらむ。
 電力需要は経済活動に左右され足元では落ち込んでいるのが実態だ。コロナ禍前のピークに比べれば伸び率は圧縮される。電力危機をあおり原発回帰を図る動きに流されてはならぬ。
 需給は技術革新や省エネによっても変わる。NTTはデータを光信号のまま高速で送る「光電融合」技術の開発拠点を千歳につくる方針だ。消費電力を100分の1にする目標である。
 石狩では京セラ子会社が再エネ由来電力のみで稼働するデータセンターを全国で初めて10月に開業した。「再エネによる利益を地域に還元」するという。
 
 再エネ普及を阻む脆弱(ぜいじゃく)な送電網の改良や、不安定さを補う蓄電施設強化も急務である。
 
 福島事故を風化させず、原発に頼らない技術開発こそが日本の国際競争力を高めるはずだ。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月19日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【鹿児島県】:知事は3号機計画凍結を堅持…エネルギー基本計画原案、原子力回帰が鮮明 薩摩川内での新設も「可能」、地元は賛否交錯

2024-12-18 07:03:30 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【鹿児島県:知事は3号機計画凍結を堅持…エネルギー基本計画原案、原子力回帰が鮮明 薩摩川内での新設も「可能」、地元は賛否交錯

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【鹿児島県】:知事は3号機計画凍結を堅持…エネルギー基本計画原案、原子力回帰が鮮明 薩摩川内での新設も「可能」、地元は賛否交錯

 経済産業省が17日示したエネルギー基本計画の原案は、再生可能エネルギーとともに原発の最大限活用を鮮明にした。建て替え要件を緩和し九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)での新設を可能にする内容も明記。地元からは賛否の声が上がり、塩田康一知事は公約に掲げる3号機の計画凍結を堅持する考えを示した。<button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">エネルギー基本計画について審議する分科会の委員ら=17日、東京・霞が関の経済産業省</button>

エネルギー基本計画について審議する分科会の委員ら=17日、東京・霞が関の経済産業省(南日本新聞社)

 ■【写真】〈関連〉九州電力川内原子力発電所1号機(左)と2号機=薩摩川内市久見崎町(2023年11月撮影)

 元稿:南日本新聞社 主要ニュース 政治 【経済産業省・地方自治体・鹿児島県・建て替え要件を緩和し九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)での新設を可能にする内容】  2024年12月18日  07:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張②・12.18】:新たなエネ計画 原発積極活用を歓迎する

2024-12-18 05:03:40 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【主張②・12.18】:新たなエネ計画 原発積極活用を歓迎する

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・12.18】:新たなエネ計画 原発積極活用を歓迎する 

 経済産業省は、国の中長期的なエネルギー政策の指針となる新たな「エネルギー基本計画」(エネ基)の原案を有識者会議に示し、原発を最大限活用すると明記した。

 エネ基はおおむね3年ごとに改定される。原発については東京電力福島第1原発事故後の平成26年に策定した計画で「依存度を可能な限り低減する」とし、その後も維持されてきた。原発活用にとって前進となる。

運転開始50年までの管理計画について認可を受けた関西電力の高浜原発2号機(左)=福井県高浜町(本社ヘリから、彦野公太朗撮影)

 電力は日々の暮らしや産業活動に欠かせないエネルギーだ。脱炭素とともに、低廉で安定した電力供給を両立できなければ国力にも影響する。

 ロシアによるウクライナ侵略でエネルギー情勢は一変し、エネルギー安全保障の重要性は一段と高まっている。生成AI(人工知能)の普及などによって、電力需要は今後増大することも見込まれている。

 大量の電力を二酸化炭素を排出することなく、安定的に供給できる原発の活用方針を明確に示したことを歓迎したい。

 新計画では、令和22年度の発電量全体に占める原発の割合を2割程度とし、12年度に20~22%とした現行計画の水準を維持した。原発のリプレース(建て替え)の要件も緩和する。廃炉後の建て替え場所について、同じ電力会社が保有する別の原発の敷地でも認めるという。

 日本では福島第1原発事故後に原発の新増設やリプレースの動きが止まり、関連企業の間で事業からの撤退や廃業の動きが顕在化していた。原発の活用方針が新計画に盛り込まれることで、原発技術の維持につながる効果も期待されよう。

 一方、22年度の再生可能エネルギーの割合は4~5割程度と初めて最大電源に位置づけ、5年度実績の22・9%から約2倍に増やす。5年度に68・6%だった火力発電は3~4割程度とする。脱炭素が求められる中で、妥当な水準と考える。

 問題はこうした電源構成をどうやって実現するかだ。原発は使用済み燃料の最終処分場整備の問題を抱え、天候に左右される再エネを増やせば、電力供給の不安定化は避けられない。火力では脱炭素化も急務だ。

 日本のエネルギー供給体制を強固にするには、課題解決の手段も並行して実行する必要がある。新計画を単なる数字合わせに終わらせてはならない。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年12月18日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・12.18】:エネルギー計画 脱炭素には原発活用が必要だ

2024-12-18 05:00:50 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説②・12.18】:エネルギー計画 脱炭素には原発活用が必要だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.18】:エネルギー計画 脱炭素には原発活用が必要だ

 脱炭素と電力の安定供給を両立させるためには原子力発電を活用していく必要がある。再生可能エネルギーに関する技術革新を進めていくことも不可欠だ。 

 政府は、国のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の原案を発表した。2021年度以来の見直しとなる。24年度中に閣議決定する予定だ。

 原案では、40年度の電源構成目標を初めて提示した。再生エネを4~5割、原子力を2割、火力を3~4割とした。再生エネを最大の電源と位置づけることにより、原発と合わせ、脱炭素電源を6~7割へと高めたい考えだ。

 ただし、23年度の実績では、電力の約69%は火力に依存し、再生エネは約23%、原子力は8・5%にとどまっている。

 40年度の電力需要は、生成AI(人工知能)の普及により、1~2割増えると予想され、電力の供給量を増やすことが必須だ。

 目標どおりの電源構成を実現するハードルは高く、官民を挙げて、脱炭素の取り組みを一段と強化していかねばならない。

 今回、大きな転換を図ったのが原発の位置づけである。

 東日本大震災後、基本計画に明記してきた「可能な限り依存度を低減する」との文言を削った。その上で、再生エネとともに原発を「最大限活用する」と記した。

 岸田前政権は、23年に原発を積極的に活用する方針へと 舵 かじ を切った。今回の原案では、原発を建て替える際の要件も緩和した。

 廃炉を決めた原発の敷地内に限っている建て替えを、他の原発の敷地でも行えるようにする。原発の運転期間は原則40年で、電力供給力を維持するためだ。

 将来も原発を活用する方針を明記することで、電力会社は建て替えの計画を立てやすくなろう。

 一方、再生エネの柱であるパネル型の太陽光発電は、適地が少なくなっている。さらなる拡大を図るには、ビルの壁面などに設置できるペロブスカイト太陽電池の開発を急ぐことが重要だ。

 日本は、温室効果ガスの排出量を50年に実質ゼロとする国際公約を掲げ、中間目標として35年度に13年度比で60%減とする案を示した。新たな基本計画は、その政府目標の裏付けとなるものだ。

 世界的に異常気象が頻発し、脱炭素の重要性は増している。ロシアのウクライナ侵略を受け、エネルギー安全保障も切実な課題だ。基本計画は、そうした観点から考えていくことも大切になろう。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月18日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.17】:島根原発再稼働 住民避難の体制十分か

2024-12-18 04:03:30 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説①・12.17】:島根原発再稼働 住民避難の体制十分か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.17】:島根原発再稼働 住民避難の体制十分か

 中国電力島根原発2号機(松江市)が再稼働した。全国で唯一、県庁所在地に立地する原発であり、市の中心部から10キロほどしか離れていない。避難計画の策定が義務付けられる30キロ圏内には約45万人が住む。
 
 地震に原発事故が重なる複合災害時に、これだけの数の住民が安全かつ速やかに避難できるのか、不安は消えない。
 
 2021年には水戸地裁が避難計画の不備を理由に、30キロ圏内に約90万人が住む日本原子力発電東海第2原発の運転差し止めを命じる判決を言い渡した。
 どの原発でも過酷な事故が起きれば地域の混乱は必至だが、人口が密集しているところの原発ではなおさらだろう。
 避難経路として想定する道路が使えず、建物の損壊で屋内退避も危ぶまれる事態は、1月の能登半島地震で現実となった。
 島根県は避難道路の整備や原発対応職員の人件費などについて、政府の支援を求めている。
 中国電と政府は地元と真摯(しんし)に向き合う必要がある。電力の安定供給の名の下に住民の不安を置き去りにしてはならない。
 10月に県が実施した原子力防災訓練では、複合災害時の道路の寸断に備えて船の利用が想定された地区の避難が、しけのため車での移動となった。
 海路や空路での避難ができなければ屋内退避が原則だ。
 ただ原発周辺の海沿いや山あいの小集落は孤立状態になりやすく、屋内退避が可能でも支援の手が届かない恐れがある。
 県は全国に先駆けて12年11月に広域避難計画を策定し、訓練と見直しを重ねてきた。それでも安全に避難できるかどうか危うい現実を、政府と中国電は直視すべきではないか。
 特に心配されているのが自力での避難が困難な「要支援者」への対応だ。30キロ圏内に約5万7千人いるとされる。
 病院や社会福祉施設を対象に先月行われた訓練では、参加した関係者から現場の人手不足に関する強い懸念が相次いだ。
 県は他の自治体から支援を仰ぐ方針だが、人手不足はどこも共通しており限界があろう。
 再稼働に向けた安全審査が大詰めを迎えている北海道電力泊原発3号機の周辺自治体にとっても、避難は重い課題だ。
 
 東北電力女川原発の運転差し止め訴訟では、仙台高裁が住民側の控訴を棄却したものの、避難計画に重大な過誤があれば差し止めが認められるとした。
 
 避難計画策定を自治体に任せきりにせず、計画の実効性向上に積極的に関与し、支援していくことが政府の責務である。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月17日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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《クローズアップ・12.18》:エネ基本計画改定案 原発推進、吹いた「神風」

2024-12-18 02:01:00 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

《クローズアップ・12.18》:エネ基本計画改定案 原発推進、吹いた「神風」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《クローズアップ・12.18》:エネ基本計画改定案 原発推進、吹いた「神風」

 2011年の東京電力福島第1原発事故以降、政府が掲げてきた「原発依存度を可能な限り低減させる」方針が、17日に示されたエネルギー基本計画(エネ基)の改定案で削除された。

総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会=東京都千代田区の経済産業省で17日午後1時1分、高田奈実撮影

総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会=東京都千代田区の経済産業省で17日午後1時1分、高田奈実撮影

 「原発に依存しない社会」を掲げる公明党が容認した影響が大きい。

 原発推進へ踏み込んだ一方で、40年度は再生可能エネルギーが最大電源に位置づけられた。

  だが、大幅拡大への課題は山積している。、

 ■この記事は、有料記事です。残り3018文字(全文3195文字)

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 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【クローズアップ】  2024年12月18日  02:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政府】:「エネ基」から原発依存度低減を削除へ 公明党はなぜ折れた?

2024-12-17 08:00:00 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【政府】:「エネ基」から原発依存度低減を削除へ 公明党はなぜ折れた?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政府】:「エネ基」から原発依存度低減を削除へ 公明党はなぜ折れた? 

 2011年の東京電力福島第1原発事故以降、政府が掲げてきた「原発依存度を可能な限り低減させる」方針が、24年度内に閣議決定されるエネルギー基本計画(エネ基)の改定で削除される。これまでのエネ基では「原発に依存しない社会」を掲げる公明党への配慮から残されたままだった文言だ。なぜ公明党は折れたのか。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2024/12/16/20241216k0000m020250000p/9.webp?2" type="image/webp" />石破茂首相(中央右)に提言書を手渡す、公明党総合エネルギー対策本部の赤羽一嘉本部長(同左)。右端は同党の竹谷とし子代表代行=首相官邸で2024年12月13日午後7時11分、渡部直樹撮影</picture>

石破茂首相(中央右)に提言書を手渡す、公明党総合エネルギー対策本部の赤羽一嘉本部長(同左)。右端は同党の竹谷とし子代表代行=首相官邸で2024年12月13日午後7時11分、渡部直樹撮影

 「依存度低減(の表現)がなくなったところで、将来的に原発が減っていくのに変わりはない。党の方針は変わっていない」。経済産業省がエネ基の改定案を提示する17日の審議会の約1週間前、公明が「依存度低減」の削除を認める方針を決めた直後、党幹部はこう釈明した。

 実際、原発事故以降、原発の再稼働は進んでおらず、新増設のハードルはさらに高い。「依存度低減」の表記がなくなったところで「原発の新増設なんてできるわけがない」(公明幹部)として、党の方針と矛盾はないという説明だ。

 これまで公明は、原発政策を進めようとする政府に対し、慎重な立場を取ってきた。前回改定があった21年のエネ基でも、公明などへの配慮から原発の「建て替え」の明記が見送られた経緯がある。今回のエネ基で原発の扱いがどうなるかは「あちら(公明)さん次第」(自民党幹部)だった。

 ◆転換点となった「岸田GX」

 「突破口」となったのが、ウクライナ危機などを背景にエネルギー安全保障のリスクなどが叫ばれるようになった22年に岸田文雄前首相が打ち出した、脱炭素社会を目指す「…、

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 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 経済 【金融・財政・エネルギー基本計画】  2024年12月17日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【エネルギー基本計画】:政府審議会 メンバーは原発推進派ばかり?

2024-12-17 06:10:50 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【エネルギー基本計画】:政府審議会 メンバーは原発推進派ばかり?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【エネルギー基本計画】:政府審議会 メンバーは原発推進派ばかり? 

 国の中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」(エネ基)の改定に向けた作業が山場を迎えている。政府が「原子力の最大限活用」にかじを切り、エネ基で原発の位置づけをどうするかが注目されるなか、議論する国の審議会メンバーはどんな意見を述べているのか。審議会を取材すると「原発推進」に寄った委員の発言が目立つ。

  • エネルギー基本計画の改定に向けた議論を開始した総合資源エネルギー調査会基本政策分科会。出席した委員(左列)に対して経済産業省資源エネルギー庁の官僚らが資料の説明などをした後に各委員が意見を述べる=東京都千代田区で2024年5月15日午後3時31分、高田奈実撮影

エネルギー基本計画の改定に向けた議論を開始した総合資源エネルギー調査会基本政策分科会。出席した委員(左列)に対して経済産業省資源エネルギー庁の官僚らが資料の説明などをした後に各委員が意見を述べる=東京都千代田区で2024年5月15日午後3時31分、高田奈実撮影

 ◆「新増設は必須」相次ぐ

 エネ基の改定に向けた議論が行われている審議会は、法律に基づき設置された経済産業相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会(会長・隅修三東京海上日動火災保険相談役)だ。会議の様子は動画で生配信され、後日見返したり、議事録で委員の発言などを確認したりすることもできる。

 分科会長の隅氏を含めてメンバーは16人。財界の幹部や原子力の専門家、原発立地自治体の首長に加え、消費者団体や学者、シンクタンクなど多岐にわたる。

 現在議論されているエネ基は、5月から今月にかけ、12回の審議会が開催され、さまざまな観点からエネルギー政策について議論を深めてきた。

 7月8日に開かれた審議会では、原発などの脱炭素電源の現状と課題がテーマだった。委員が次々と意見を述べたが、原発に関する発言で目立つのは「新増設は必須」との意見だった。

 「供給がうまくいかなければ、需要は海外へ行ってしまう。安定電源としての原子力の再稼働・新増設は必須になるだろう」(澤田純・NTT会長)、「原子力については再稼働のみならず、リプレース・新増設に向けた政策の具体化が必須」(橋本英二・日本製鉄会長兼最高経営責任者)、「脱炭素電源の拡大については、まずは原子力の活用がカギになる。新設基数も含めて必要…、

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 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 経済 【金融・財政・エネルギー基本計画】  2024年12月17日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【国内の原発】:全国の状況を地図で見てみよう 2024年12月まとめ 主な差し止め訴訟一覧も 進む「原発回帰」

2024-12-16 06:10:50 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【国内の原発】:全国の状況を地図で見てみよう 2024年12月まとめ 主な差し止め訴訟一覧も 進む「原発回帰」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【国内の原発】:全国の状況を地図で見てみよう 2024年12月まとめ 主な差し止め訴訟一覧も 進む「原発回帰」 

 東日本大震災で被災した東北電力女川原発2号機(宮城県)と、国内の原発で唯一県庁所在地に立地する中国電力島根原発2号機(松江市)が再稼働した。一方、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)について、原子力規制委員会は新規制基準に適合しないとして再稼働を認めないと決定した。
 国内の原発が新基準下で...

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 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社会 【話題・原発全般・エネルギー問題】  2024年12月16日  06:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。
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【社説・12.16】:エネルギー計画 原発推進の結論ありきか

2024-12-16 06:05:50 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説・12.16】:エネルギー計画 原発推進の結論ありきか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.16】:エネルギー計画 原発推進の結論ありきか 

 国のエネルギー基本計画の改定作業が大詰めを迎えた。焦点は2040年度の電源構成と原発の位置付けである。原発の積極活用に回帰する結論ありきの改定では、国民の納得は得られない。

 東京電力福島第1原発事故の反省から「可能な限り原発依存度を低減する」がこれまでの政府方針だった。改定案は、これを削除する方向で最終調整している。

 基本計画を話し合う経済産業省の有識者会議は原発推進派の委員が多数を占め、最初から原発の積極活用を求める意見が相次いだ。

 その論拠とされたのは、生成人工知能(AI)の普及やデータセンターの増加、半導体工場新設などによる電力需要の急増だった。

 電力広域的運営推進機関によると、国内の電力需要は24年度から増加へ転じる見通しだ。増加基調は約20年ぶりだが、ペースは緩やかで、当面は深刻な電力不足が懸念される状況ではない。

 その先はどうか。50年度に向けて電力需要が急増する予測が有識者会議で示された。長期予測は不確実性が高い。供給力を確保するためにも継続的な検証が不可欠だ。

 改定案には原発の建て替え推進策が盛り込まれる可能性もある。岸田文雄前政権が、22年12月の「GX(グリーントランスフォーメーション)基本方針」で原発の最大限活用を打ち出したためだ。脱原発からの方針転換が一層鮮明になる。

 原発は建設を決めてから稼働までに約20年かかり、40年度には間に合わない。太陽光や洋上風力などの再生可能エネルギーの導入拡大を後押しする方が実効的だ。

 エネルギー安全保障の観点からも、純国産である再生可能エネの推進が望ましい。

 半導体工場の新設と原発推進を結び付ける主張には違和感がある。

 業界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県進出では、豊富な水資源と安定した電力供給が評価された。第2工場に続き第3工場を誘致する動きもある。

 TSMCは再生可能エネの利用100%を目指す企業グループ「RE100」のメンバーだ。このグループに名を連ねる米IT大手アップルは取引先に対し、使用電力を全て再生可能エネに切り替えるよう働きかけている。

 名だたる企業群は原発ではなく、再生可能エネを求めている。

 政府は発電時に二酸化炭素を出さない再生可能エネと原発、脱炭素型火力を組み合わせ50年の脱炭素社会実現を目指す方針だ。

 原発は危険な放射性廃棄物を生み、巨大事故のリスクがある。安全対策で建設費がかさみ、米国では電力料金が大幅に上昇した例もある。

 何より、危険や不安を感じる国民がいることを忘れてはならない。政府は国民の声にもっと耳を傾けるべきだ。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月16日  06:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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《憂楽帳・12.13》:楽しみながら備える

2024-12-13 13:12:30 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

《憂楽帳・12.13》:楽しみながら備える

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《憂楽帳・12.13》:楽しみながら備える

 先日、大容量の「ポータブル電源」を約5万円で買った。

 満充電にしておけば照明器具や扇風機、電気毛布などが長時間使えるほか、スマートフォンは50回以上充電できる。

 アウトドアで活躍してくれそうで、今後、旅行やちょっとしたお出かけに持参するのが楽しみだ。

 思い切って購入したのは、今夏のゲリラ豪雨がきっかけとなった。よく利用する東京都内の駅周辺や道路が冠水する被害に遭い、…

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 元稿:毎日新聞社 東京夕刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【憂楽帳】  2024年12月13日  13:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.13】:【四国大規模停電】:再発防止策の徹底を

2024-12-13 05:05:50 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説・12.13】:【四国大規模停電】:再発防止策の徹底を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.13】:【四国大規模停電】:再発防止策の徹底を

 異例の大規模停電は人為的なミスによるものだった。電気が最も重要なライフラインの一つであることは論をまたない。失態を教訓とし、再発防止策の徹底が求められる。

 四国4県で最大約36万5千戸に影響が出た11月9日の大規模停電について、四国電力送配電が原因や再発防止策をまとめた報告書を経済産業省に提出した。原因に、四国―本州間の送電線を共同運用する関西電力送配電との連携ミスを挙げ、操作手順の見直しや会社同士の連携強化などに取り組むとした。

 四国で一斉に起こった停電としては過去最大規模で、低圧契約口数全体の1割以上に及んだことになる。しかも、災害時でなく平時の発生だった。親会社の四国電力を含め、ライフラインを担う事業者としての存在を問われかねない事態だと重く受け止める必要がある。
 停電は午後8時20分ごろ発生。高知県内の停電戸数も、西部や中部の10市町村で計7万9500戸に上った。早いところは5分ほどで復旧したが、幡多地域を中心に1時間近く続いた場所もあった。
 四国電力送配電によると、四国と本州を結ぶ送電線は、瀬戸大橋を通る2回線と徳島―和歌山間の2回線がある。当日は、瀬戸大橋の送電線で起こったトラブルの復旧作業に伴って、徳島―和歌山間を流れる電力の制御装置を停止する必要が生じ、四電側が関西電力送配電に操作を依頼した。
 その際、両社の担当者間で作業手順に認識のずれがあり、適切な操作が行われなかった。これに起因して本州向けに大量の電力が流れ続け、四国の電力の需給バランスを維持するための機能が作動して、停電が発生したという。
 停電時間は長くて1時間半ほどだったが、さまざまな生活基盤に影響が出た。
 各地で道路の信号が消え、警察が交通整理に当たる場面が見られた。高知龍馬空港では滑走路の誘導灯が消えるなどした。商店ではキャッシュレスの決済システムが使えなくなった。徳島県では、暗い室内で転倒して2人がけがをした。
 土曜日の夜、平時の停電に、住民は不意を突かれたことだろう。物理的な不自由さはもちろん、いつ復旧するか見通せないことが精神的な負担にもなった。
 過ごしやすい季節で良かったが、真夏や真冬の発生なら空調に支障が出るなどして命に関わるケースがあったかもしれない。

 四国電力送配電は報告書で、「想定外の操作に対する対応力」や「両社のコミュニケーション」「制御装置に関する知識」の不十分さを認め、誤認を防ぐための文書の記載内容の見直し、運用者のレベル向上のための教育内容の改善、合同訓練の実施など改善策を挙げた。

 ミスを防ぐシステムづくりはもちろん、それが着実に運用される姿勢が重要だ。今回の事案に限らない。電力の安定供給を担う事業者として意識の徹底が求められる。

 元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月13日  05:00:00  これは2自で判断下さい。

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