路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳・08.01】:不祥事続き防衛省、身内意識の改革が必要

2024-08-06 07:40:30 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【政界地獄耳・08.01】:不祥事続き防衛省、身内意識の改革が必要

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・08.01】:不祥事続き防衛省、身内意識の改革が必要 

 ★不祥事が重なる防衛省にしんぶん赤旗が切り込んだ。今週30日、「南極で海上自衛隊の砕氷船『しらせ』が採取した氷を、自民党の防衛副大臣・鬼木誠が自身の選挙区内で児童や保護者に配っていたことが29日、本紙の取材でわかった。『南極の氷』という入手困難で希少価値の高いものを選挙区内で配ることは、公職選挙法(199条の2)が禁じる『寄付行為』に当たるのではないか」と指摘する。鬼木は防衛省の特定秘密漏洩再発防止委員会の委員長を務めており、鬼木自身も内側の理屈の中で副大臣という役職を選挙活動に利用していたという可能性はないか。

 ★その後の報道で鬼木の選挙区である衆院福岡2区で昨年4月から今月にかけ計5回、「しらせ」が持ち帰った氷を展示する催しを開き、鬼木や秘書が砕いて紙コップに1片ずつ入れ、小学生らに配っていた(共同通信)という。鬼木は「政治利用の意図は一切ない。子どもたちに南極の氷に触れてもらい、自衛隊のことを知ってもらう良い機会だと思った」とし、事務所は「財貨性のある金品ではなく、公選法違反には抵触しないと考える」と説明している。

 ★たかが氷といえども選挙区だけの配布となれば話は別だろう。防衛省は自衛隊への理解が深まるのならばと副大臣の“要求に応じ”て氷が準備された段階で防衛省が公金を使って持ち帰った氷は「財貨性」が生まれるのではないか。ただ選挙区以外でも実施されていればまだしもだ。副大臣や事務所の抗弁が通用するなら、選挙区だけで実施したことの説明はつかない。財貨性がないなら、今後は財貨性のない“何か”の選挙区での供与が考え出されるはずだ。その誤解を持たれないための法整備だが、自民党はそれを少しずつ拡大解釈し、合法性があると国民を慣らしてきた。その絶え間なきアイデアには脱帽するが、そういう時代ではないことにいまだ気付かないことが自民党の病巣でもある。こういう特権意識を廃し、副大臣室や省内が黙認してきたことは、自衛隊への理解を深めるならという身内意識だ。その意識改革も必要だ。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年08月01日  07:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・07.19】:日米韓「2+2」に影落とす海自の秘密漏えい

2024-07-25 07:40:20 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【政界地獄耳・07.19】:日米韓「2+2」に影落とす海自の秘密漏えい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・07.19】:日米韓「2+2」に影落とす海自の秘密漏えい

 ★昨年3月に日韓秘密軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の完全正常化に伴い、昨年12月には米国経由で北朝鮮のミサイル情報は日米韓で共有された。日米間の「2+2」(外務・防衛担当閣僚会合)は60年の歴史があるが、今では豪・英・独・仏・インドネシア・インドに拡大した。フィリピンとは4月に続き今月もマニラで2+2を開催。我が国は各国との2+2を通じて、物品役務相互提供協定(ACSA)や相手国との合同軍事演習を容易にさせる「円滑化協定」(RAA)の締結などで相互関係を強化しているが、対中包囲網は歴然。

 ★そして6月2日、シンガポールにおいて防衛相・木原稔、米ロイド・オースティン国防長官、韓国申源■(シン・ウォンシク)国防部長官が日米韓防衛相会談を開催。今後は同会談を始め、日米韓参謀総長等会議や日米韓防衛実務者協議を各国ごとに順次開催することを確認した。また3カ国の安全保障協力の枠組みを構築、日米韓ミサイル警報情報リアルタイム共有、ハイレベル政策協議、3カ国訓練及び防衛交流を含む3カ国の安全保障協力の制度化も確認された。これで日米韓安保協力体系フレームワーク(TSCF)が完成。年内の署名締結に進むはずだ。そのための日米韓の2+2がついに今月東京で実現する。

 ★ここで影を落とすのが海上自衛隊の秘密漏えいだ。防衛省は違反や不正があったとして事務次官や自衛隊制服組トップを含め218人を処分、海上幕僚長を交代させた。17日、衆院情報監視審査会は海上自衛隊で特定秘密の漏えいなどの問題で、衆院議長・額賀福志郎を通じて防衛相に対し、情報保全体制の抜本的改善を勧告した。「関係国の信頼を毀損(きそん)し、保全体制の信用を失墜させ、極めて重大な事態を招いた」と厳しく批判、「防衛省が23年1月の勧告を重く受け止めず、真摯(しんし)に取り組んでこなかった証左と言わざるを得ない」とした。何人処分されても他国との軍事機密の共有となれば信頼関係がものをいう。日米韓2+2は信頼回復からとなる。(K)※敬称略、※■はサンズイに是 

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年07月19日  07:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・07.11】:不祥事頻発の海自、陸自、空自、統合幕僚監部、防衛省は大丈夫か

2024-07-18 07:40:10 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【政界地獄耳・07.11】:不祥事頻発の海自、陸自、空自、統合幕僚監部、防衛省は大丈夫か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・07.11】: 不祥事頻発の海自、陸自、空自、統合幕僚監部、防衛省は大丈夫か 

 ★海上自衛隊の不祥事が頻発。それも随分とお粗末で、大臣を含め責任を取らぬ幹部を一掃すべきだ。9日、海上幕僚長・酒井良は会見で「非常に重く責任を痛感している」とし、引責辞任を表明した。海上自衛隊の潜水艦の修理をめぐって川崎重工業が裏金をつくり、少なくとも6年前から十数億円を捻出。飲食代の支払いや、潜水艦の乗組員に提供する金券、家庭用ゲーム機の購入代に使うなどが発覚。防衛省は特別防衛監察を実施した。また、海自の護衛艦「いなづま」の当時の艦長が、特定秘密情報を扱う資格のない隊員1人を特定秘密取扱職員に指名。戦闘指揮所(CIC)で特定秘密情報を取り扱わせていた。ほかにも複数の艦艇や陸自でも特定秘密を資格のない隊員が扱っていたことも分かった。

2023年に竣工した潜水艦「はくげい」。引渡式には多くの防衛省関係者が出席した(写真:川崎重工業)

 ★ほかにも遭難した潜水艦の救助などにあたる海自の複数の隊員が、訓練などで潜水を行った際に支給される手当を、潜水していないにもかかわらず不正に受け取っていたことが発覚。隊員たちは特殊な訓練を受け、潜った深さに応じて1時間当たり最大で1万円を超える手当が支給されることになっているが、不正受給した手当は総額で数千万円だという。また、今年4月に海上自衛隊SH-60K哨戒ヘリ2機が、伊豆諸島沖で夜間訓練中に衝突・墜落し、8人が死亡。乗組員の見張り不十分が原因で、衝突を回避できなかったという報告とともに、2機の指揮官の連携不足も報告された。

 ★海自のみならず、陸自、空自、統合幕僚監部、防衛省は大丈夫なのか。23~27年度の5年間の防衛費を総額約43兆円にしたのは昨今の安全保障の厳しさからだが、不正受給や裏金のオンパレード。厳しいのは内部や身内ではないのか。その一方、23年度予算に計上した防衛費6兆8219億円のうち1300億円程度を使い残していたことも発覚。省内の総点検と国会の閉会中審査を強く望む。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年07月11日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・07.15】:防衛省大量処分/組織のうみを出し尽くせ

2024-07-16 06:01:55 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【社説・07.15】:防衛省大量処分/組織のうみを出し尽くせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・07.15】:防衛省大量処分/組織のうみを出し尽くせ

 防衛省は、安全保障に関わる「特定秘密」のずさんな運用や手当の不正受給、パワハラなど相次ぐ不祥事を受け、過去最大規模となる218人を処分した。岸田政権は防衛力強化を進めるが、その実行を担う組織の倫理観の欠如と緩みは深刻だ。問題点を徹底的に洗い出し、解体的な出直しを図らねばならない。

 特定秘密は2014年施行の特定秘密保護法に基づき、防衛、外交、スパイ防止、テロの4分野で秘匿性の高い情報を政府が指定し、身辺調査による「適性評価」を受けて認められた者だけが扱える。

 防衛省によると、陸海空3自衛隊と統合幕僚監部、情報本部で無資格の隊員による取り扱いや手続きミスがあった。海自が41件と突出し、多数の艦艇で不正が常態化していた。

 

先の国会で、特定秘密を経済安全保障分野に広げ、民間人も適性評価の対象とする法律が成立した。民間に厳しい規律を求めながら足元の不正は放置していたとあっては、国民の信頼失墜は避けられない。

 海自ではほかにも、架空の訓練による潜水手当の不正受給や、食堂で代金を払わない不正飲食が横行していた。多くの隊員が黙認していたという。組織統制の機能不全は明らかで、酒井良海上幕僚長の引責辞任は当然である。

 海自を巡っては、潜水艦の修理契約に絡む受注企業との癒着疑惑まで浮上している。川崎重工業(神戸市中央区)が下請け企業との架空取引で捻出した裏金で乗員に金品などを提供していたことが判明し、木原稔防衛相は特別防衛監察を指示した。

 潜水艦の製造は専門的な知識と経験を要し、川重を含む2社の寡占状態にある。防衛省は川重への過払いはないとしているが便宜供与の経費が契約金額に上乗せされていた可能性はないか、全容解明が急がれる。

 岸田政権は23年度から5年間で防衛費を約43兆円に増額し、財源を増税で賄う方針だ。特定企業との癒着の構造を断ち、膨張する防衛費の積算根拠を明確にしなければ、防衛増税への理解は得られない。

 7月で発足70年を迎えた自衛隊は戦力不保持を掲げた平和憲法との整合性が問われ続けた。専守防衛に徹し、災害派遣などの実績を重ねることで国内外の信頼を得てきた。

 しかし近年は「安保環境の悪化」を理由に、専守防衛を形骸化する政策転換が進む。肥大化する予算と拡大する任務に、人員の確保と育成が追いついていないとも指摘される。

 そのひずみが限界に達しているのではないか。内部調査には限界がある。防衛省は第三者の視点も入れて組織のうみを出し切り、再発防止に取り組むべきだ。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年07月15日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・07.05】:川崎重工と防衛省問題、裏ガネで日本守れるか

2024-07-13 07:40:00 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【政界地獄耳・07.05】:川崎重工と防衛省問題、裏ガネで日本守れるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・07.05】:川崎重工と防衛省問題、裏ガネで日本守れるか 

 ★3日までの報道を総合すると川崎重工業(神戸市)は、海上自衛隊から請け負った潜水艦の修理や検査を行う神戸工場の担当部門と下請け企業との間で架空の取引を行い、捻出した裏ガネを使って商品券や生活用品、ハンマーやロープなどの工具などを購入。また飲食などに流用していたという。裏金は十数億円にのぼる見込みで、ハンマーやロープの規模ではない。今年2月に大阪国税局からの指摘で発覚。少なくとも6年前から続けられていた。同社は約6億円の法人税の修正申告をし、社内に外部の弁護士による特別調査委員会を設置し、調査を開始している。防衛省も調査委員会を設置した。

川崎重工業神戸工場=神戸市中央区

川崎重工業神戸工場=神戸市中央区

 

 ★防衛相の経験もある官房長官・林芳正は4日の会見で、防衛省が隊員の自衛隊員倫理法違反の疑いなどで調査しているとし、「予算の適正な執行に疑念を招く行いがあったとすれば、極めて遺憾だ」とした。川崎重工は海上自衛隊保有の潜水艦25隻のうち、およそ半数の12隻の修理を請け負っている。その修理の契約額は、年間当たり百数十億円。神戸工場にドック入りした潜水艦の乗組員は、工場敷地に隣接する同社の宿泊施設「海友館」に泊まり込み、乗組員も作業に当たる。そこにスキができたのか。それとも慣例だったのか。政治の裏金事件に明け暮れた9カ月だが、これは企業も裏ガネなのか、官庁の随意契約の闇なのか。つまり我が国は政界、産業界、官界。オール裏ガネで回っているということか。

 ★それにしても国税庁が指摘したのが2月。川崎重工が防衛省に報告したのが4月。調査委員会発足が6月。事件発覚が7月。これが安全保障の最前線の実態だと思うと情けなくなる。古い記者ならわかると思うが新聞業界には全舷(ぜんげん)という言葉がある。新聞休刊日に部署ごとに慰安旅行に行く。元々は海軍用語で船員の半数が寄港地に上陸して休暇を取り、半数が艦に残ることを「半舷(上陸)」と呼んだことが転じて全舷となった。この上陸は何と言ったらいいのか。(K)※敬称略 

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年07月05日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.01】:中村哲さん訃報から約4年 「武器」を輸出できるとした政府におぼろげに不安が募る

2024-05-27 08:05:10 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.01】:中村哲さん訃報から約4年 「武器」を輸出できるとした政府におぼろげに不安が募る

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.01】:中村哲さん訃報から約4年 「武器」を輸出できるとした政府におぼろげに不安が募る 

 4月、このコラムは少しボリュームアップする一方、紙面の都合で今後は隔週掲載に。引き続きどうぞよろしく、と言いつつ、さてこの季節、希望に燃えて社会に新たな1歩を踏み出した方も多いことだろう。

 そんなとき、通信社の依頼で朝日新聞乗京真知記者の著書、「中村哲さん殺害事件 実行犯の『遺書』」の書評を書かせていただいた。

中村哲さん殺害事件 実行犯の「遺言」 乗京真知(著/文) - 朝日新聞出版

 ■紹介

 2019年12月、アフガニスタンで起きた人道NGO「ペシャワール会」の中村哲医師の殺害事件。朝日新聞記者や現地助手は、その実行犯を特定。犯行グループの素性や人脈を徹底的に調べ上げ浮かび上がった背後には、国際テロ組織や諜報機関の存在があった。3年半にわたる追跡取材の記録。

 中村さんは医師としてアフガニスタンで活動するとともに、1600本の井戸を掘って緑をよみがえらせ、65万人の生活を支えた。球技場や通りには「ナカムラ」の名がついたものも多く、現地で知らない人はいない。

 20年近く前に1度、中村さんの講演を聞いたが、「3度の食事がとれて家族そろってひとつ屋根の下で暮らせたら、だれもテロリストなんかになりません」という言葉がいまも耳に残っている。

 だが中村さんは2019年12月、現地で数人組に銃撃され、護衛の4人とともに帰らぬ人となった。乗京記者ら取材班は実行犯の男を突き止めたが、直前に殺害されていた。治安が回復しないまま米軍が撤退した現地で、背景を探るのは極めて困難という。

 当時、中村さんの悲報は瞬く間に世界を駆けめぐり、イギリスのBBC電子版は中村さんの信条だった「治安の落ち着かない地域で身を守る最善の方法は、銃を持ち歩くのではなく、だれとでも仲良くなることです」という言葉とともに、その死を悼んだ。

 中村さんの訃報から4年余り。先日、日本政府は、かつて安倍政権が「武器輸出三原則」の武器を「防衛装備品」に、輸出を「移転」と言い換えて骨抜きにした「防衛装備品移転三原則」をさらに改変。日、英、伊3カ国で共同開発する次期戦闘機、つまり武器を、条件つきとはいえ初めて第三国に輸出できるとした。

 果たして私たちの国は国際社会に、どんな歩みを進めていこうとしているのか。おぼろげに不安が募る、春4月である。 

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2024年04月01日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・05.16】:護衛艦空撮のドローン動画解析に1カ月も…不安だらけ防衛省

2024-05-24 07:40:00 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【政界地獄耳・05.16】:護衛艦空撮のドローン動画解析に1カ月も…不安だらけ防衛省

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.16】:護衛艦空撮のドローン動画解析に1カ月も…不安だらけ防衛省 

 ★海上自衛隊の護衛艦「いずも」がドローンで空撮され、3月下旬から中国の動画投稿サイトで公開されていた問題を当初、防衛相・木原稔は4月2日の会見で、あまりにも美しい堂々とした海上自衛隊広報映像のような動画の真偽をいぶかり「悪意をもって加工捏造(ねつぞう)されたものである可能性を含めて現在分析中だ」と発言。一方、海上幕僚長・酒井良は「判断しようがない。不自然な点もあると思うが、完全にフェイクだというほどのエビデンスを持ち合わせていないので、私としては判断しかねる」としたが、大臣はAI(人工知能)による加工を強く示唆した。

護衛艦「いずも」を撮影したドローン動画護衛艦「いずも」を撮影したドローン動画

 ★ところが今月10日になって木原は「我が国防衛重大支障を生じさせかねない。極めて深刻に受け止めている」とドローンでの実写映像だと認め、分析1カ月時間がかかったことを「我が国に対する悪意を持った影響力行使の活動の一環として、加工、捏造の可能性を含め、慎重に分析を行う必要があった」としたが、これが戦時下だったらと誰もが防衛省間抜けぶりにがっかりしたはずだ。また当初からフェイク画像と予断を持ちすぎていたのではないか。世界各国の安全保障関係者から失笑だったはずだ。8日には米海軍横須賀基地に停泊中の原子力空母「ロナルド・レーガン」をドローンで撮影したとみられる動画がXにあがり、防衛省は米軍にも説明を求められそうだ。

 ★14日、参院外交防衛委員会で民主党時代は防衛副大臣、参院外交防衛委員長を歴任した国民民主党幹事長・榛葉賀津也は、この問題に触れ「動画世界さらされ、はっきり言ってなめられた。本当に格好悪い」「さすがに1カ月はかかりすぎだ。丁寧も大事だが迅速にやらないと。これだけ技術が発達した先進国・日本で1カ月とは…危機管理が試されている」と詰め寄ったが、大臣幹部は「事柄性質上控えたい」と塩対応始終した。予算だけはついても防衛省不安ばかりだ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

  元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年05月16日  07:54:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・05.04】:自衛隊の歴史観 戦前回帰の空気を懸念

2024-05-05 05:05:45 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【社説・05.04】:自衛隊の歴史観 戦前回帰の空気を懸念

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・05.04】:自衛隊の歴史観 戦前回帰の空気を懸念 

 自衛隊員の歴史観が疑われるような問題が相次いでいる。
 
 昨年5月に海上自衛隊練習艦隊司令部の司令官らが、今年1月には陸上幕僚副長らが、相次いで靖国神社を集団で参拝した。
 3月には、靖国神社の新しい宮司に元海将が就任することが発表された。4月には陸上自衛隊の普通科連隊が公式X(旧ツイッター)で「大東亜戦争」という言葉を使って活動報告を投稿した。
 自衛隊は戦後、平和憲法の下で発足した。先の戦争を美化する歴史観や、旧軍の伝統とは断絶することが大前提だ。
 集団参拝は、国と宗教を切り離す憲法の政教分離に抵触しかねない極めて問題ある行動である。戦前回帰のような言動は、厳に慎むべきだ。
 陸自の陸上幕僚副長ら数十人が集団参拝した問題では、移動に公用車を使い、担当部署が実施計画を作成していた。
 防衛省は公用車の使用が不適切として計9人を処分したが、休暇中だったことなどから、部隊参拝を禁じた事務次官通達違反ではない私的参拝だったと結論づけた。
 だが、事前に行政文書である実施計画まで作っていたのに、組織的な参拝ではないと言い切るのは無理がある。身内に甘いお手盛りの処分と言うほかない。
 昨年5月の海自幹部らの集団参拝についても、防衛省は、私的参拝だとして問題視しなかった。
 靖国神社は戦前、国家神道の中核をなす陸海軍の所管機関だった。現在は東京裁判のA級戦犯を合祀(ごうし)している。
 政教分離は、国民の信教の自由を保障するためにも重要な原則であることを肝に銘じるべきだ。
 大東亜戦争の呼称は、日米開戦直後、当時の政府が決定した。アジアの解放と新秩序建設との喧伝(けんでん)に使われたものだ。
 戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が使用を禁じ、今は政府も一般に公文書では使っていない。
 歴史的経緯を踏まえず、当時の呼称を無条件に使うのは、先の戦争の肯定と受け取られかねない。侵略戦争や植民地支配への反省を忘れてはならない。
 一連の言動に対し、自衛隊の最高指揮権を持つ岸田文雄首相は、何ら危機感を示す発言をしていない。木原稔防衛相も「誤解を招くような行動は避けなければならない」と述べるだけだ。
 文民統制は民主政治の原則である。首相は、憲法に基づき毅然(きぜん)とした姿勢を示さねばならない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月04日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ラサール石井 東憤西笑・04.11】:自衛隊がXで「大東亜戦争」と投稿…すべてを曖昧にしたまま戦後をやり過ごしてきた日本人の“疵”

2024-05-02 07:14:20 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【ラサール石井 東憤西笑・04.11】:自衛隊がXで「大東亜戦争」と投稿…すべてを曖昧にしたまま戦後をやり過ごしてきた日本人の“疵”

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ラサール石井 東憤西笑・04.11】:自衛隊がXで「大東亜戦争」と投稿…すべてを曖昧にしたまま戦後をやり過ごしてきた日本人の“疵”

 陸上自衛隊大宮駐屯地の第32普通科連隊が、X(旧ツイッター)の部隊の公式アカウントで戦没者追悼式を紹介する投稿に「大東亜戦争」という用語を使った(一部で騒がれ、「他意はない」としてすぐに削除変更された)。

 「大東亜戦争」は開戦から4日後に東條英機内閣が戦争の呼称をこう閣議決定したもので、アジアの欧米列強植民地をその支配から独立させ、大日本帝国・満州国・中華民国を中心とする国家連合を実現させるものであるとされた。

<picture>「東京裁判」に東条英機元首相らA級戦犯被告らが出廷した=1946(昭和21)年5月3日(C)共同通信社</picture>

 「東京裁判」に東条英機元首相らA級戦犯被告らが出廷した=1946(昭和21)年5月3日(C)共同通信社

 後に資源を求めて「南進」し、東南アジア、オセアニアまで広がる「大東亜共栄圏」をつくるのが戦争の大義名分となった。

 しかしこれは、実際には欧米と同じ植民地を増やすための侵略戦争を美化する隠れみのではないか、とも言われ、戦後GHQから使用を禁止された。

 現在慣例的に公文書では使われなくなったが、「単に戦闘の地理的範囲を示すだけ」という意見や「いやいや実際あの戦争のおかげで、東南アジア諸国の独立が早まったではないか」とする説などあり、日本が主権を取り戻した時点で「大東亜戦争」と呼ぶべきだ、いやアジアの大日本帝国化を進め、日本語による皇民化教育や神社造営などしていたではないか、いやそれは自虐史観だ、など今も論争が続いている。

 自衛隊内では普通に使われていた?

 おそらく自衛隊内では普通に使われていて、しかもさほど大きな意味はなかったのであろう。だからすぐ削除できたのだ。

 その是非を今は問わないが、要するに「先の戦争」などと書くように、「あの戦争」をはっきりと呼称する名前が戦後79年経っても、ないのが現状である。

 それは日本人が全てを曖昧なままやり過ごしてきたからではないか。

 現在、井上ひさし作「夢の泪」を上演中である。東京裁判を担当する弁護士夫婦を題材にした芝居の肝はここにある。

 劇中の若き娘のセリフ「人さまに裁いてもらっても仕方ないんじゃないかしら」「日本人のことは、日本人が考えて、始末をつける」。

 そして期せずして先週放送されたNHK「映像の世紀」も東京裁判のドキュメンタリーであり、最後に井上ひさし氏の言葉が語られた。

 いわく、(東京裁判は)「疵(きず)こそ多いが、血と涙から生まれた歴史の宝石」と述べ、「では疵とはなにか、国民がこの裁判を無視していたことです」と我々に問いを投げかけ、締めくくられている。

著者のコラム一覧
 ■ラサール石井 タレント

 1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載「ラサール石井 東憤西笑」】  2024年04月11日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【海上自衛隊】:訓練中のヘリ2機が墜落か 計8人搭乗、うち1人救助も容体不明 伊豆諸島の東方海域

2024-04-21 05:30:30 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【海上自衛隊】:訓練中のヘリ2機が墜落か 計8人搭乗、うち1人救助も容体不明 伊豆諸島の東方海域

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【海上自衛隊】:訓練中のヘリ2機が墜落か 計8人搭乗、うち1人救助も容体不明 伊豆諸島の東方海域

 20日夜、伊豆諸島の東方海域で訓練中の海上自衛隊のSH60K哨戒ヘリコプター2機と相次いで連絡が取れなくなった。計8人が搭乗しており、海自は捜索現場の洋上で機体の一部とみられる物を発見。21日未明に東京・市谷の防衛省で記者会見した木原稔防衛相は「墜落したものと思われる」との見方を示した。海自はうち1人を救助したが、容体は不明。残る7人の捜索を続けている。

記者会見する木原防衛相(共同)

 

 防衛省によると、2機は対潜水艦の訓練中。1機は20日午後10時38分ごろ、通信が途絶えた。1分後に緊急信号を受信。同11時4分に別の1機とも連絡が取れなくなった。ヘリは小松島航空基地(徳島県)と大村航空基地(長崎県)にそれぞれ所属している。

 海自は護衛艦や航空機を投入して捜索。木原氏は「何より人命救助に全力を尽くす」と述べた。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・事故・伊豆諸島の東方海域で訓練中の海上自衛隊のSH60K哨戒ヘリコプター2機と相次いで連絡が取れなくなった】  2024年04月21日  05:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:シェルター整備 国民保護の体制作りを急げ

2024-04-03 05:01:55 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【社説①】:シェルター整備 国民保護の体制作りを急げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:シェルター整備 国民保護の体制作りを急げ

 中国や北朝鮮が軍事活動を拡大させる中、不測の事態に備えて避難施設を整備することは行政の責務だ。着実に国民保護の体制を強化したい。

 政府が、有事の際に住民が避難できるシェルターの整備を始める。市町村が公的施設の地下に 堅牢けんろう な施設を設ける場合、財政支援する方針だ。

 2004年施行の国民保護法に基づき、自治体は武力攻撃に備えた「緊急一時避難施設」の指定を進めており、現在は全国に6万か所近くある。ただ、この施設は一時的な避難場所にすぎない。

 新設のシェルターは、住民が2週間程度とどまることを想定し、食料を備蓄するほか、発電機や通信設備を備えた施設とする。

 政府はまず、沖縄県・先島諸島の5市町村を対象にシェルターを整備する方針だ。

 中国は、尖閣諸島を含む東シナ海上空に防空識別圏を一方的に設定し、その境界線付近に軍艦を展開させている。台湾への軍事的な圧力も強めている。

 台湾有事が現実となれば、先島諸島への影響は避けられない。政府がこの地域にシェルターを優先的に整備することは妥当だ。

 沖縄県の玉城デニー知事は「対話による平和構築こそが取るべき外交手段だ。シェルター建設ありきでは十分ではない」と述べ、整備に慎重な考えを示している。

 日本では長年、有事を想定すること自体、タブー視されてきた。知事の発言もこうした考えに基づくものとみられる。

 だが、危機への備えを怠れば住民の命を守れないことは、ウクライナの例を見ても明らかだ。玉城氏の発言からは、住民保護の責任意識が感じられない。

 北朝鮮の核・ミサイル開発も脅威だ。2日に今年3回目となる弾道ミサイルの発射を強行した。

 財政の制約もあり、シェルターを全国一律で整備するのは難しい。政府は先島諸島に限らず、計画的に進める必要がある。

 また、有事や災害時に備え、政府は24年度から北海道や香川、福岡など計7道県の5空港・11港湾を改修する方針だ。自衛隊と海上保安庁の航空機や船舶の利用を念頭に、滑走路の延長や岸壁の整備などを実施するという。

 能登半島地震の例からも、災害時の自衛隊による物資の輸送がいかに重要かは、論をまたない。

 政府は当初、沖縄県が管理する空港や港湾も改修する方針だったが、県が慎重だったため見送った。知事の見識を疑いたくなる。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年04月03日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【共同通信・世論調査】:【速報】次期戦闘機、限定輸出容認が48%

2024-03-12 00:02:20 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【共同通信・世論調査】:【速報】次期戦闘機、限定輸出容認が48%

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【共同通信・世論調査】:【速報】次期戦闘機、限定輸出容認が48%

 共同通信社の世論調査で、国際共同開発を進める次期戦闘機の第三国輸出を巡り「輸出国を限定して認めるべきだ」が48.1%だった。「一切認めるべきではない」は44.7%だった。 

 元稿:一般社団法人共同通信社 47NEWS 政治 【政局・世論調査】  2024年03月10日  17:18:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:無人攻撃機 乱用防ぐルール作りが急務だ

2024-03-04 05:01:40 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【社説②】:無人攻撃機 乱用防ぐルール作りが急務だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:無人攻撃機 乱用防ぐルール作りが急務だ

 戦場から離れた場所で操縦できる無人機は、攻撃側の人的被害を想定せずに済むため、安易な武力行使につながりかねない。国際的なルール作りを急ぐ必要がある。

 激戦が続くウクライナでは、ロシア、ウクライナの双方が無人機を偵察だけでなく、攻撃にも活用している。露軍は自爆型無人機でウクライナのインフラ施設などを破壊し、ウクライナ軍も水上無人艇で露軍艦艇を撃沈した。

 イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘でも無人機が使用され、ハマス幹部が殺害された。

 無人機の軍事利用が拡大しているのは、戦闘機やミサイルに比べて安価で、長時間の連続運用が可能なためだろう。

 日本も2022年末に定めた防衛力整備計画で、無人機の導入に23~27年度の5年間で総額1兆円を投じる方針を打ち出した。有人機が担っている任務を無人機に代替させることで、自衛隊の人員不足を補う狙いもある。

 中国は、多数の小型無人機を群れのように飛ばして「飽和攻撃」を仕掛ける技術の確立を目指している。防衛省は、無人機を一斉に撃ち落とすレーザー装置を開発中だ。防御体制も強化したい。

 無人機の活用は拡大の一途をたどっているが、無人機による攻撃は倫理的な問題を抱えている。

 攻撃側は、モニター画面越しに操作することからゲーム感覚に陥り、人の命を奪うことをためらう感覚が 麻痺まひ しかねない。

 特に、人工知能(AI)の発達で、人の判断を介さず、AIが自ら標的を選び、攻撃も行う「自律型致死兵器システム(LAWS)」が実用化される恐れもある。

 近年、米中露などは、LAWSに関する国際的なルールを検討しているが、厳格な規制を求める国と、規制を最小限に抑えたい国の間で意見が対立している。国連総会は昨年末、LAWSの規制に向けた決議を採択した。

 日本政府は「LAWSを開発しない」という立場を表明し、まずは法的拘束力のない行動規範の策定を目指している。

 そもそも国際人道法は、戦争において武力行使の対象は軍事目標に限り、無差別な攻撃を禁じている。無人機を活用する場合でも、民間人を対象にしないなどの原則に沿った規制を各国間で確認する必要があるのではないか。

 まして、AIに人命を奪う判断をさせることなど、あってはならない。政府は厳格で実効性の高いルール作りを主導すべきだ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月03日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【防衛省】:防衛費43兆円ではやっぱり足りない? 有識者会議、初会合でいきなり増額論「タブー視するな」

2024-02-20 06:10:50 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【防衛省】:防衛費43兆円ではやっぱり足りない? 有識者会議、初会合でいきなり増額論「タブー視するな」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【防衛省】:防衛費43兆円ではやっぱり足りない? 有識者会議、初会合でいきなり増額論「タブー視するな」

 防衛省は19日、防衛力の抜本的な強化に関する有識者会議を設置し、初会合を開いた。座長に就任した榊原定征経団連名誉会長は、2023年度から5年間の防衛費を総額43兆円程度に増額する政府方針を巡り、円安や物価高などを踏まえてさらなる増額の可能性に言及した。林芳正官房長官は同日の記者会見で防衛費の見直しを否定した。(川田篤志)

 ◆物価や人件費高騰、為替変動を念頭

 榊原氏は会合で「昨今の物価や人件費の高騰、為替変動を考えると43兆円の枠の中で本当にできるのか見直す必要がある」と主張。その上で「見直しをタブー視せず、実効的な水準のあり方などを議論するべきでは」と提案した。ほかの委員からも増額の検討を求める意見が相次いだという。
 
 林氏は19日の記者会見で、榊原氏の発言に対し「あくまで有識者としての立場からの意見だと理解している」と説明。23年度から5年間の防衛費に関し「43兆円程度の規模を超えることなく防衛力の抜本的強化を実現する。見直しは考えていない」と述べた。岸田文雄首相は国会で、「必要な防衛力を用意するために積み上げた。この範囲内で強化する方針は変わらない」と答弁していた。

 ◆会合は一部除き非公開…後日に議事概要を公表

 有識者会議は、22年12月に閣議決定した国家防衛戦略で「戦略的・機動的な防衛政策の企画立案機能の強化」を目的に設立が明記されていた。今後は年数回ほど開き、識者の意見を政策に反映させる。この日の会合は終盤の榊原氏らのあいさつを除き非公開。後日、議事概要を公表するという。
 
 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・防衛省・防衛力の抜本的な強化に関する有識者会議を設置し、初会合を開いた】  2024年02月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【防衛省】:防衛費43兆円の増額に言及 円安踏まえ、有識者会議座長

2024-02-20 06:10:40 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【防衛省】:防衛費43兆円の増額に言及 円安踏まえ、有識者会議座長

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【防衛省】:防衛費43兆円の増額に言及 円安踏まえ、有識者会議座長

 防衛省は19日、防衛力の抜本的強化に関する有識者会議の初会合を同省で開いた。座長を務める榊原定征元経団連会長は、2023年度から5年間で防衛費総額を約43兆円に増額する政府方針に関し、物価高や円安などを踏まえ、さらなる増額の可能性に言及した。「43兆円の枠の中で、求められる防衛力装備の強化が本当にできるのか。現実的な視点で見直す必要があるのではないか」と述べた。

 防衛省で開かれた、防衛力の抜本的強化に関する有識者会議の初会合=19日午前

 防衛省で開かれた、防衛力の抜本的強化に関する有識者会議の初会合=19日午前

 岸田文雄首相は6日の衆院予算委員会で、防衛力整備に関し「43兆円の規模と内容を維持したい」と答弁していた。有識者会議の議論が政府方針に影響する可能性もある。
 
 会議で榊原氏は、43兆円の堅持を追求する努力は当然だとしつつ「見直しをタブーとせず、現実を踏まえた実効的な水準や国民負担、具体的な財源を本音ベースで議論すべきだ」と強調した。
 
 木原稔防衛相は「将来の防衛力をつくる上で国民の理解が重要だ」と指摘。28年度以降の防衛費も視野に「ポスト43兆円の話をいかに進めるかも並行して検討していく場にしたい」と語った。

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政策・防衛省・防衛力の抜本的な強化に関する有識者会議を設置し、初会合を開いた】  2024年02月19日  12:27:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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