【政界地獄耳・09.10】:新総裁候補言いたい放題「自覚と覚悟」はあるか
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・09.10】:新総裁候補言いたい放題「自覚と覚悟」はあるか
★今週木曜には自民党総裁選挙が告示されるが、既に出馬表明した面々は動き出した。だがいまだ推薦人確保にいそしむ“総裁候補”もいる。元党総務会長・野田聖子は6日のBSの番組で、推薦人集めの際「新しい派閥が出現している。やっぱり菅さんはとても強い。声をかけても全部ブロックされる」と、元環境相・小泉進次郎を推す前首相・菅義偉から厳しい妨害工作を受けていると発言した。派閥解消を訴える菅がこれでは新たな“派閥に代わる”存在になっているといえる。
★一方、候補者たちは無責任に言いたいことを言い始めた。幹事長・茂木敏充は岸田内閣が決めた防衛力強化の財源に充てる1兆円規模の増税を見送り、少子化対策に使う公的医療保険料への上乗せを停止する、と増税ゼロを言い出した。これにはさすがに岸田も「総裁選の候補者には責任政党・自民党のトップに立つ自覚と覚悟が問われなければならない」と強い不快感を示した。自民党内では茂木が議員会館のあいさつ回りの際、岸田事務所で岸田の面会拒否を受けたなどのうわさが広まるなど、整合性のとれぬなんでもありの発言を疑問視する向きもある。官房長官・林芳正も「不安の声を払拭して納得の上でスムーズに移行するための必要な検討をしたい」と健康保険証廃止の見直しに言及、元幹事長・石破茂も「(同保険証廃止に)納得してない人、使えないで困ってる人がいっぱいいる。そういう状況が仮に全力を尽くしてもあったとすれば、それは併用ということも考えてるのが選択肢として当然」と柔軟姿勢を示した。いずれも岸田政権の中枢にいる人。なぜ国民が大きく声を上げている時にやらなかったのか。
★小泉は既に首相気取りで、首相の専権事項といわれる早期解散を言い出したり、経団連に出向き労働市場改革や賃上げなどをぶち上げた。党内からは「各論は並べたがどう実現するかの処方は何もない」と冷ややかな声も。いずれの候補も、言うだけ番長はやめてもらいたい。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年09月10日 07:29:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。