《余録・12.22》:漫画家、水島新司さん(故人)の人気作…
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・12.22》:漫画家、水島新司さん(故人)の人気作…
漫画家、水島新司さん(故人)の人気作「ドカベン」には、坂田三吉という名の高校球児が登場する。得意技は通天閣打法。大阪市・新世界の名物、通天閣のように打球を高々と上げ、目測を誤った野手の落球を誘う。坂田はその後当時の在阪球団、近鉄バファローズに入る
▲近鉄ではなく、南海と連携した通天閣である。運営会社の通天閣観光は今月、南海電鉄と提携し同社の子会社となることを発表した。南海は通天閣近くの沿線で再開発を進めており、観光との相乗効果を図るという
▲名古屋テレビ塔(中部電力 MIRAI TOWER)、2代目の通天閣、別府タワー(大分県別府市)、さっぽろテレビ塔(札幌市)、東京タワー、博多ポートタワー(福岡市)は6兄弟といわれる。耐震設計で「塔博士」と称された建築家、内藤多仲(1886~1970年)がいずれも構造設計し、50年代から60年代前半にできた
▲さっぽろテレビ塔は今年、国の有形文化財への登録が決まった。博多のタワーは完成60年を迎え、兄弟塔は節目の年だった
▲漫画との関連といえば今年亡くなった漫画家、楳図かずおさんの作品「わたしは真悟」は、東京タワー抜きで語れない。ネタばれは避けるが、高さ約333メートルが大きな意味を持つ場面がある
▲兄弟最年長の名古屋テレビ塔はすでに国の重要文化財だ。電波塔が戦災からの復興を象徴した時代から都市のシンボルとして親しまれ、今も観光拠点として活躍する。「内藤タワー」の歩みは戦後と重なる。
元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】 2024年12月22日 02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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