【政界地獄耳・03.01】:熟議より目先の巧妙か
『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・03.01】:熟議より目先の巧妙か
★26日の衆議院予算委員会で立憲民主党・おおつき紅葉は高校無償化が実現することに伴う“便乗値上げ”に懸念を示した。おおつきは「具体的に学費以外に例えば入学金、施設費、維持費、修学旅行費とかが、高校に入る時に親御さんの世代って心配になると思うんですけれども、こういったことが対象になるのかどうか。例えば授業料が無償化になったとしても、こういったことを挙げたことは便乗値上げに入るのかどうかの認識の確認だけさせていただきたい」と問うた。
★私学の実態は制服、体操着の学校用の校章が入ったものなどの指定が厳しく、女性のソックスひとつとってもワンポイントの校章から学年別のカラーなど、アイテムは無数にある。修学旅行も海外が増え、この円安時代に積み立てだけでは間に合わない。学校によっては直前に国内旅行に変更するかどうかを親に問う場合もあるようだが「せっかくだから行かせたい」と言い、結局追加分を足さないとならなくなる。現地の小遣いのために子供にクレジットカードの家族カードを持たせたいという親が出始めるなど、無償化というが簡単な話ではない。ほかにもタブレットを授業で使うからと各自で購入させるなど便乗値上げのみならず私学は物入りだ。しかし学校はそれが伝統でルールだという。私学の特徴で魅力でもあると。
★この議論は高校の義務教育化、大学の授業料無償化に議論を進めなくてはならなかったのではないか。現役世代の教育費負担を争点にすればこういう議論になるのは当然だ。空いたピースを埋めるような政策や予算投下で満足せず、教育制度の根幹にメスを入れることこそが“熟議”ではないか。ところが目先の手柄欲しさによる野党の自民党への条件闘争になってしまった。野党ベテラン議員は「自民党はそれらを逆手に取り、本当は実施するつもりではなかった『高度高額療養費の負担上限引き上げ』をぶち上げ野党が食いついたら取り下げるという方式で1つの条件を生み出し、野党を満足させたのではないか」と疑う。自民党の作戦でいいのか。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2025年03月01日 08:03:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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