【長崎・原爆投下から79年】:平和祈念式典 米大使らは欠席 鈴木史朗市長が核廃絶に転換呼びかけ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【長崎・原爆投下から79年】:平和祈念式典 米大使らは欠席 鈴木史朗市長が核廃絶に転換呼びかけ
長崎は9日、米国による原爆投下から79年となり、爆心地の長崎市松山町にある平和公園で「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。鈴木史朗市長は平和宣言で、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢に触れ「核兵器は使ってはいけない」という人道上の規範が揺らいでいると危機感を示し、核保有国などに「脅威が一段と高まっている現実を直視し、核廃絶に向けかじを切るべきだ」と訴えた。日本政府には、被爆者と認められていない「被爆体験者」の救済を求めた。
長崎市は、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルについて、不測の事態発生のリスクを懸念し、招待しなかった。米英などが批判し、市によると、先進7カ国(G7)のうち日本を除く6カ国と欧州連合(EU)は大使が欠席、それぞれ公使らが出席した。平和を祈る式典で国際社会の分断が露呈した形だ。
原爆がさく裂した午前11時2分には、参列者が黙とう。鈴木市長は平和宣言で、核兵器禁止条約に署名・批准するよう日本政府に呼びかけた。
被爆者代表の三瀬(みせ)清一朗さん(89)は、平和への誓いで「世界では核兵器の使用が示唆され、一触即発の緊張が続いている」として核廃絶を願った。
岸田文雄首相はあいさつで「核兵器のない世界の実現に向け、現実的な取り組みを進めることが戦争被爆国であるわが国の使命だ。『長崎を最後の被爆地に』と世界に訴え続ける」と述べた。国連の中満泉事務次長がグテレス事務総長のあいさつを代読した。
午後には、被爆者と岸田首相の面会の場に、国の指定地域外にいて援護対象となっていない被爆体験者が初めて加わり、岩永千代子さん(88)が「私たちを被爆者と認めてくれると信じている」と救済を求めた。首相は「早急に課題を合理的に解決できるよう、厚生労働相に具体的な対応策の調整を指示する」と応じた。
式典には、パレスチナを含め過去最多の100の国と地域やEUが参加した。広島市が6日に開いた平和記念式典にイスラエルは出席。パレスチナは招かれず、両市で対応が分かれた。
長崎市は7月末までの1年間で被爆者3200人の死亡を確認し、原爆死没者名簿への記載総数は19万8785人になった。厚労省の統計では、被爆者健康手帳を持つ世界の被爆者の平均年齢は3月末で85・58歳。(共同)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・米国による原爆投下から79年となり、爆心地の長崎市松山町にある平和公園で「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。】 2024年08月09日 08:26:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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