【HUNTER・02.05】:被災者から馳浩石川県知事にあがる非難の声|震災と政治とカネで無責任対応
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・02.05】:被災者から馳浩石川県知事にあがる非難の声|震災と政治とカネで無責任対応
「大地震が起こってまさに知事の出番なのに、このありさまとは」――こう嘆くのは、元日の夕方に震度7の地震が襲った石川県能登半島にある自治体の議員だ。怒りの矛先を向けられているのは、石川県の馳浩知事である。
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地震発生時、地元ではなく東京の“自宅”に滞在していたという馳知事。新幹線も飛行機も使えず、向かったのは首相官邸。同日11時を過ぎ、自衛隊機を利用し、ようやく石川県庁に入るという醜態を演じていた(既報)。
その馳知事に浮上したのは、政治資金パーティー事件で解散を決めた自民党安倍派(清和政策研究会)からの裏金疑惑。知事は1月21日、国会議員時代の過去5年間で安倍派から819万円のキックバックがあったことを認め、「大変申し訳ない、お詫び申し上げたい」と陳謝。その上で、「使途について秘書に確認したところ、還付金の一部を政治活動に必要な旅費、通信費など事務経費にしていた」「秘書が安倍派から記載しなくていいと指示があり、記載しなかった」と述べた。それまで「政治資金規正法に基づき、適切に処理をされている」と話していた知事が、「秘書が」「秘書が」を連発し、秘書に責任を負わせた形だ。
2023年1月1日馳知事のブログにはこうある。
《県民の皆さまの、特段のご協力をいただくためにも、適時適切な情報発信や説明責任を果たして参りたいと思います》
また昨年9月のブログには、ジャニーズ事務所の問題について《コンプライアンスに基づいた誠実な対応を求めたい》として法令遵守を求めていた。
彼のブログに度々登場する《法令や規範遵守(コンプライアンス)意識》、《説明責任》と言った言葉の、なんと軽いことか――。
“政治とカネ”の問題について、他者には厳しかった。かつて東京地検特捜部の捜査対象となった小渕優子衆院議員に対しては、《小渕優子経済産業大臣、政治資金規正法違反の疑義。ここは、潔く身を引くべきだろう》とバッサリ。うちわ配布で問題となった松島みどり議員についても《うちわ問題は、説明がつかない。政権には、大打撃》(*いずれも2014年10月19日のブログより)と綴っていた。多額の裏金を受け取った知事自身は、なぜ辞任しないのか?
正義漢ぶったブログの記述はまだある。2014年10月13日には《万引きは万引き。不正を許していては、社会の正義が通らなくなる!》――819万円もの政治資金を裏金にしていた人が、どの口でこんなことを言ってきたのか。
キックバック事件について聞かれるたびにシラを切り、発覚すると「秘書が」を連発する馳氏。能登半島では、ライフラインの復旧が遅れる中、寒波と大雪にも見舞われている。極寒の中、体育館や車中泊を余儀なくされてきた高齢の被災者は、抑えきれぬ怒りを口にする。
「2次避難で、旅館で寝泊まりできるようになった。仮設住宅への入居も始まった。しかし、すべてが後手。遅かった。それなのに、NHKがニュースで報じたのは2次避難先から『さっさと出ていけ』といわんばかりの態度だった。これまでの食事の内容といえば、ごはんに貧相なおかずが2品。何のために高齢者を避難させたのかわかりませんでした。政治とカネの問題があっても責任とらずに知らん顔。地震発生時は地元ではなく、東京の自宅。知事の無能、無責任が、地震の被害を2倍、3倍に拡大させた!」
被災者の怒りに火をつけたNHKのニュースとは、1月24日に流れたもの。“馳知事は避難している人に対し、3月に北陸新幹線の敦賀延伸を控え、観光客の受け入れもあることから旅館での避難に一定の区切りが必要になるという考えを示しました”という報道だった。
阪神大震災、東日本大震災、熊本地震などの取材を何度も手掛けてきた筆者が見る限り、能登半島地震の復旧対応は非常に遅い。にもかかわらず、3月には観光客が来るから被災者を追い出すというとんでもない方針を打ち出していたわけだ。
馳知事に手腕がないのは明らか。政治とカネの問題もある。自身がブログに記したように、責任をとって潔く身を引くべきだ。
元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【行政ニュース・地方自治・石川県】 2024年02月05日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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