路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.27】:再審開始決定の袴田事件 検証されるべきなのは…

2023-04-17 08:00:20 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・再審請求)、刑法39条】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.27】:再審開始決定の袴田事件 検証されるべきなのは…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.27】:再審開始決定の袴田事件 検証されるべきなのは… 

 先週、「ここまで追い詰められても、なお最高裁への特別抗告で抵抗しようとする検察」と書いた袴田事件の再審開始決定。じつはこの特別抗告をめぐって、東京高検とメディアの間で微妙な動きがあった。

 東京高裁の決定直後から一部の新聞が「高検、抗告の方針」と書いたのをはじめ、抗告期限が迫るにつれ、通信社、テレビ局から「高検、抗告の構え」といった情報が流れ、私も何人かの記者に聞かれて「検察の観測気球。メディアを使って世論の反応を探っている」と答えた。結果、厳しい世論を前に検察は抗告を断念したが、私はあらためて捜査サイドとメディアのありように思いをめぐらせた。

 再審開始決定を受けて検証記事を書いている新聞も多いが、経済紙なのに、といっては失礼だが、日経の紙面にはさまざま考えさせられる。

 20日の紙面、「事件をめぐる初期の報道」では「『血染めの衣類』疑問呈さず」の見出しで、事件発生から1年2カ月たって発見され、今回の高裁決定でも捏造(ねつぞう)の可能性を指摘されている5点の衣類について<みそタンクからの「新証拠」の出現はそれほど不自然なのだ。にもかかわらず、本紙を含め、当時のメディアはこれに疑問を呈していない>と、自らの紙面にも厳しい目を向けている。だが、新聞は疑問を呈さなかっただけではない。当時の朝日新聞静岡版には「活気づいた検察側」の記事が見えるとしている。

 こうしたことを踏まえ、日経は<(検察に)都合のよい展開。やがて死刑判決が導かれた>と振り返る。

 言うまでもない。検証されるべきは警察、検察、裁判所だけでないのである。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年03月27日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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