路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説②】:自民党改革 形だけでなく実効性を

2022-03-15 05:05:40 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【社説②】:自民党改革 形だけでなく実効性を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:自民党改革 形だけでなく実効性を 

 自民党は党大会で、総裁以外の役員任期を1期1年、連続3期までに制限する党則改正を決めた。

 役員任期の制限は、総裁である岸田文雄首相が昨年の総裁選で訴えた党改革の柱だ。

 安倍晋三、菅義偉両政権では二階俊博氏が幹事長を歴代最長の5年超にわたって務め、権力の独占が問題視された。

 批判を踏まえ、若手の登用を進め、権力の集中を防ぐとして導入したが、形を整えただけでは改革にはならない。

 党内第4派閥の岸田派を率いる首相の支持基盤は決して強固とは言えない。党運営や政策決定で、最大派閥の安倍派会長の安倍元首相ら重鎮への配慮が目立つ。

 党幹部や重鎮の意向に忖度(そんたく)するばかりでは、「安倍1強」と言われた強権的な体質から脱却できまい。党内で自由に議論し、多様な意見を政策に反映する体制を早急に構築すべきだ。

 首相は演説で、夏の参院選について「自民、公明両党の連携のもと勝利し、引き続き政治の安定を担う」と訴えた。その決戦を前に、党改革に前向きな姿勢をアピールしたといえる。

 だが、今回の党改革が内実を伴ったものになるかは、はなはだ心もとないと言わざるを得ない。

 二階氏は、参院選広島選挙区を巡る買収事件で有罪が確定した河井案里氏の陣営に党から1億5千万円を支出した責任者である。

 それなのに、首相は就任後、二階氏に説明を求めることもなく、再調査に否定的な姿勢を貫く。当時の首相の安倍氏らに遠慮していると見られても仕方がない。

 政治とカネの問題では安倍氏の桜を見る会の疑惑もある。森友、加計問題も解明には程遠い。

 党改革の実効性を確保するには、こうした自民党政権の「負の遺産」に切り込む必要がある。

 党大会で採択した運動方針は、首相の看板政策「新しい資本主義」を経済再生の要と位置づけ、人への投資の抜本強化を掲げた。

 新しい資本主義を巡っては、総裁選で安倍氏の支援を受けた高市早苗政調会長がアベノミクスの継承を主張する中、「所得倍増」が党の公約から消えた経緯がある。

 アベノミクスで広がったとされる格差をどう是正するか。道筋はいまだ判然としない。コロナ対策で首相が訴えていた健康危機管理庁の創設もメドが立たない。

 参院選に向け、政策をさらに肉付けし、国民に分かりやすく示さなければならない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年03月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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