路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.08】:子どもの命をあずかる人の重い大きな責任 通園バス置き去り女児死亡事件

2023-05-15 08:01:40 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.08】:子どもの命をあずかる人の重い大きな責任 通園バス置き去り女児死亡事件

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.08】:子どもの命をあずかる人の重い大きな責任 通園バス置き去り女児死亡事件 

 先週、こども家庭庁への思いを書いて、5日の「こどもの日」を挟んで、また子どもにかかわる話。

 少し前、河本千奈ちゃんのお父さんが、私が出演している静岡朝日テレビの「とびっきり!しずおか」の取材に心の内を語ってくれた。

 「いま思えば大切な日々でした。入園の時や家族の誕生日。ケーキを買ってお祝いするのですが、本当にうれしそうで、楽しそうで」

 牧之原市のこども園「川崎幼稚園」に通っていた3歳の千奈ちゃんは昨年9月、猛暑の中、園長(73)が運転、76歳の派遣社員の女性が乗っていた通園バスに置き去りにされ、亡くなった。全身が赤く腫れ上がり、水筒は空になっていた。

 

河本千奈ちゃんが取り残された送迎バスがとまっていた駐車場で、幼児を抱きながら手を合わせる女性=静岡県牧之原市静波で2022年9月8日午前11時51分、皆川真仁撮影

河本千奈ちゃんが取り残された送迎バスがとまっていた駐車場で、幼児を抱きながら手を合わせる女性=静岡県牧之原市静波で2022年9月8日午前11時51分、皆川真仁撮影

 「お風呂から出て千奈の体を乾かし、千奈が『パパ大好き』と手を広げて、私も千奈を抱きしめて。たまにそんなことを思い出して」

 お父さんの言葉に合わせて、さまざまな映像が流れる。イチゴをほお張る千奈ちゃん。生まれたばかりの妹に上手にミルクをあげる千奈ちゃん。

 その千奈ちゃんが通った川崎幼稚園は、「園を閉じて」という両親の声は届かず、1カ月後に園長を息子が引き継ぐ形で再開された。

 「バスに安全装置をつけることが義務化され、事態はよくなると思います。だけど意識の低い職員に、どんな装置を提供しても同じことが起きるのではないでしょうか。それに、千奈は安全装置義務化のために生まれてきたのではないのです」

 当時の園長や派遣の女性は昨年末、業務上過失致死容疑で書類送検されている。だけど、車で人を死なせた事故と同じ刑罰でいいのか。子どもの命をあずかる人には、はるかに重い大きな責任があると思うのだ。

 

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年05月08日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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