路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《社説②》:通常国会が閉会 ますます議場がかすんだ

2022-06-16 02:05:40 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

《社説②》:通常国会が閉会 ますます議場がかすんだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:通常国会が閉会 ますます議場がかすんだ

 自民党内では激しい路線争いが展開された。野党同士のいがみ合いも目立った。その一方で、肝心の国会論戦はますますかすんだ。

 通常国会がきのう閉会した。26年ぶりに全ての政府提出法案が成立したが、参院選を前に野党と対立しそうな法案を出さなかった結果であり、課題を先送りしたに過ぎない。

 岸田文雄首相の答弁からは熱意が伝わらなかった。

 看板政策の「新しい資本主義」の具体像を問われても、「資本主義をバージョンアップする」と繰り返すだけだった。野党から「検討ばかりの『検討使』」「のれんに腕押し」と皮肉られた。

 立ち位置が定まらない首相と対照的に、議場の外で発信力を誇示したのが安倍晋三元首相だった。

 核兵器を日米で共同運用する「核共有」論を提唱し、防衛費の大幅増額や積極的な財政出動を政権に求めた。憲法改正も訴えた。

 財政再建か財政膨張か。平和主義の「ハト派」か武力行使も辞さない「タカ派」か。国の根幹に関わる争点で、国会審議よりも党内対立に注目が集まった。

 安倍氏は自らの後援会主催の「桜を見る会」前夜祭で新たな疑惑が発覚しても、国会で説明していない。もはや首相ではないのに、最大派閥の力をテコに政府や党に強い影響を与える。こうした「権力の二重構造」を放置したままでは、首相の存在感が薄れるばかりである。 

 財政再建か財政膨張か。平和主義の「ハト派」か武力行使も辞さない「タカ派」か。国の根幹に関わる争点で、国会審議よりも党内対立に注目が集まった。

 安倍氏は自らの後援会主催の「桜を見る会」前夜祭で新たな疑惑が発覚しても、国会で説明していない。もはや首相ではないのに、最大派閥の力をテコに政府や党に強い影響を与える。こうした「権力の二重構造」を放置したままでは、首相の存在感が薄れるばかりである。

 国民民主党が「野党」を名乗りながら、新年度当初予算に賛成したのは象徴的だ。政策協議と称して与党と事前調整を重ねるが、国会審議を形骸化させかねない。

 日本維新の会は質問や討論で立憲民主党を批判する姿が目に付いた。「改革が足りない」と岸田政権に注文を付けながら、立憲が提出した内閣不信任決議案には国民民主とともに反対した。

 立憲は提案路線と対決路線のはざまで揺れ、野党第1党としての役割を果たせなかった。

 首相は争点かわしに終始し、野党は対立軸を作れなかった。参院選では活発な論戦を通じ、有権者に選択肢を示すべきだ。


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