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【HUNTER・08.06】:「闇」は底なし鹿児島県警|“隠ぺい疑惑”の幕引きは許されない|説明、すでに破綻

2024-08-25 06:42:50 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・08.06】:「闇」は底なし鹿児島県警|“隠ぺい疑惑”の幕引きは許されない|説明、すでに破綻

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・08.06】:「闇」は底なし鹿児島県警|“隠ぺい疑惑”の幕引きは許されない|説明、すでに破綻 

 真実に蓋をしようとする警察組織の暴走が止まらない。鹿児島県警が今月2日に開いた定例会見で公表した「再発防止策」の前提は、いくつもの疑惑に対する根拠のない否定と開き直り。事件の隠ぺいを認めることのできない警察庁が、周到に用意したシナリオに沿ったものだった。

 県警内部で歴代最低といわれるキャリア本部長の立場と警察組織の体面を守るため、地元のたたき上げ職員に責任を押し付ける形で幕引きを図ろうとする警察庁。しかし、人相も目つきも態度も悪い県警幹部たちが会見で述べた説明には、早くも綻びが見えている。

 ■「隠ぺい否定」を前提の警察庁によるシナリオ

 6月5日、情報漏洩を行ったとして国家公務員法違反の疑いで逮捕された本田尚志元生活安全部長が、勾留開示請求の法廷で野川明輝本部長による事件の隠ぺい指示を暴露。北海道のジャーナリスト・小笠原淳氏に送った文書が、内部通報だったことを示唆した。警察庁はその直後から、自らの権威を守るため周到に事を進めてきた。

 翌日6日の会見で本田氏の逮捕容疑について説明した同庁の露木康浩長官は、県警への監察実施を表明するとともに、本田氏の内部告発文書に「県警の他の部長の名前や住所、電話番号などを問い合わせ先として記載されていた」と発言。地元メディアが、この「他の部長の名前」に飛びつくよう仕向けた。

 愚かな地元メディアの一部は、警察側から「別の部長の名前」を入手。その行為自体が情報漏洩によるものであることを証明する「捜査関係者によれば」という文言を入れて、告発文書に記されていたのが元刑事部長だったことを報道した。そうした記事が本部長による隠ぺい指示の可能性を薄める結果につながったのは確かだ。

 その直後、「隠ぺいを指示する意図はなかった」などとあやふやな発言でごまかしていた野川本部長が、「隠ぺいの指示はしてない」と前言を修正。本田元部長の行為は組織の不正を通報する「公益通報」ではないという見解を打ち出す。

 警察庁が鹿児島県警に対する「特別監察」を実施するとして首席監察官らを送り込んだのが6月24日。おかしなことに、これから監察を実施しようとするその時点で、「客観的に見て、本部長による隠蔽の指示はなかったことが明らか」という結論を出し、野川本部長を「長官訓戒」に付したしたことを公表していた。下が警察庁発出のコメントである。

令和6年6月24日
警   察   庁

鹿児島県警察に対する監察の実施に関する警察庁コメント

鹿児島県警察の前生活安全部長が勾留理由開示の手続きの中で述べた、本部長が犯罪を隠蔽しようとしたとの主張については、鹿児島県警察による調査に加え、警察庁においても本部長から事実関係を聴取するなど必要な調査を行った結果、客観的に見て、本部長による隠蔽の指示はなかったことが明らかである一方で、迅速適確に行われなければならないという捜査の基本に欠けるところがあったことが判明したことから、先般、本部長を警察庁長官訓戒とするなど、必要な処分を行いました。

その上で、鹿児島県警察では、これまでに発生した一連の非違事案の原因を分析し、それを踏まえた、より抜本的かつ網羅的な再発防止対策を実施することとしているところでありますが、警察庁としても、これらの取組が確実に実施されることが、警察に対する信頼回復のために極めて重要であると考えております。

そこで、本日から、警察庁による業務監察を実施し、鹿児島県警察におけるこれらの取組をきめ細かく指導することとしております。鹿児島県警察におけるこれらの取組がスピード感を持ってしっかりと行われるよう、明日以降も、警察庁の担当者を常駐させ、引き続き、厳正な業務監察を実施してまいります。

 「本部長による隠蔽の指示はなかった」「本部長を警察庁長官訓戒とする」という結論を出した後で、一体何に対する監察を行ったのか。“結論ありき”では、監察自体がキャリア警察官を守り、地元たたき上げを罪に落とすためのパフォーマンスだったと見られても仕方があるまい。

 そもそも、「訓戒」は「懲戒」に至らない監督上の措置という軽い処分。「特別監察」は野川本部長への責任追及を回避し、世間の目をくらますための道具立てだった。これで幕引きになると考えているとしたら、この国の警察組織は国民感情から大きくズレていると言わざるを得ない。

 ■見逃せない強制性交事件の不当捜査

 県警は、これまでの会見や県議会総務警察委員会での質疑を通じて、2件の事件についてハンターが指摘してきたことの一部を認めている。

 まず県警は、今月19日の県議会総務警察委員会で、2021年に起きた鹿児島県医師会の男性職員による強制性交事件について、鹿児島中央署が被害女性の告訴状提出を「門前払い」したことを「受け渋り」という言葉で認め、告訴状の写しをもらいながら同日に返したことも明らかにしている。県警は「今後の反省教訓にする」と述べているが、被害女性側には間違った対応だったことについて何の報告も謝罪もしていない。不当捜査の結果、事件が不起訴になったことへの「反省」も、まったく感じられない。一体、何をどう反省しているというのか?

 問題の強制性交事件では、事件が表面化する前に男性職員が警察官だった父親と共に鹿児島中央署を訪問、「合意の上での性行為」と申し立て、警察側から「事件性なし」というお墨付きをもらっていたことが分かっている。男性職員側のこうした動きについては、6月27日に鹿児島医師会が開いた記者会見で、同会の顧問弁護士が「男性職員から報告を受けた」と認める発言を行った。しかし、県警が県議会質疑や定例会見などで「お墨付き」について触れたことはなく、沈黙する姿勢を続けている。本当に反省しているというなら、検察審査会に出向いて「不当な捜査に基づき送検しました」と申告すべきだろう。

 ■霧島ストーカー事件で問われる送検の正当性

 県議会質疑と2日の定例会見で県警の迷走が明らかになったのは、クリーニング店の元女性従業員に対する霧島署員のストーカー事件についての説明だ。県の公安委員会を通じた県警のそれまでの公式見解は、「防犯カメラなどの関係資料を精査しましたが、2月20日から少なくとも3月3日までの間、当該署員が、勤務先及びその直近の駐車場に接近した客観的な証拠は認められませんでした」というもの。しかし、先月19日の県議会で県警は、突然「18,19日の防犯カメラ映像には問題の巡査部長の車が映っており、静止画として残したが、あとの画像は消去した」と答弁。さらに今月2日の定例会見では、“犯人の目撃情報が2月25日だったので確認したところ無かった。23日の間違いだったとわかり映像を再確認しようとしたが、その時には映像が消去されていた”――という子供じみた説明に変わる。

 犯人を目撃したのは現職の警察官(当時)だ。当初の「2月25日」が誤りだと気付き「23日」と訂正したのは2~3日後だったという。だが、霧島署が防犯カメラ映像の確認に動いたのは、被害女性による相談から1か月も過ぎた時点。県警の説明は辻褄が合わない。日付の訂正が行われた直後に防犯カメラ映像の確認に動いていれば、証拠の画像が残っていた可能性が高い。あるいは、犯人が映り込んだ画像は存在したが、隠ぺいのために消去したかだ。

 いずれによせ、2月18日と19日の防犯カメラ映像に、犯人の車なり人物が映っていたのは確か。しかし、今回ハンターや西日本新聞が当該事件を掘り起こすまで、県警はその事実を隠したままだった。現在まで被害女性に対する説明や謝罪は皆無。いつ、どのような形で説明し、謝罪を行うというのだろう。まさか「会見で謝って終わり」ということではあるまいが……。

 野川本部長は会見で、「防犯カメラの映像は消したが送検したから問題ない」と強弁した。だが、犯行を裏付ける具体的な証拠となる映像を隠滅して事件送致したとすれば、検察官が正しい判断を下せるわけがない。映像を消したのが事実なら、証拠隠滅、犯人隠避に問われてもおかしくない事態だ。犯行そのものの隠ぺいを指示したのが本部長だとすれば、警察が捕まえなければならないのは野川氏だろう。

 ■噴飯ものの改革案

 それにしても、会見に臨んだ県警幹部たちの目つきの悪さやふてくされた態度はどうか。質問する記者団を睨みつけ、時に居丈高に言葉を発する幹部の姿からは「反省」や「正義」を感じ取ることはできなかった。態度の悪さは、世間を舐めている証拠だろう。再発防止策を策定したというが、それは証拠隠滅や隠ぺい指示という県警が裏でやってきた悪事を前提としたものではない。組織防衛のため勝手にそうと決めつけた「情報漏洩」や、内部告発と報道によって露見したハレンチ事案についての、いわばみせかけの対策でしかない。真実を前提としない再発防止策に、期待する県民は皆無に近いのではないだろうか。

 笑ってしまったのは、県警改革の一環として警部補以下の研究会だか委員会だかを設置し、本部長に直接届ける仕組みを作るという案だ。風通しを良くするという意味なのかもしれないが、悪いことをしているのが本部長本人であった場合、「はい、そうですか。承知しました」となるはずがない。

 泥棒の子分に「悪いことはするな」と諌言され、「分った、もうしない」と答える泥棒の親玉などいないだろう。この例えの泥棒は、もちろん「税金どろぼう」のそれである。(中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・鹿児島県警の不正疑惑】  2024年08月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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